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三田 茂 院長の独自取材記事

三田医院

(岡山市中区/東山・おかでんミュージアム駅)

最終更新日:2025/10/23

三田茂院長 三田医院 main

東山線・東山駅から徒歩約1分に位置する「三田医院」。待合室にはリラックスできるソファー席や絵画なども飾られており、ゆったりとした時が流れている。院長である三田茂先生は、インタビュー中「これが自分の中の当たり前」と、繰り返し言葉にしていた。新型コロナウイルスに罹患した患者に毎日電話で様子を確認するようにしていることも、過去に「原因不明の体調不良」と診療を打ちきられた患者に、根気強く真摯に向き合うことに関してもだ。専門分野をつくらないことに対しても、それでは患者の幅広い症状に対応できなくなる、とその道は選択しなかったという。「患者さんが自分らしい人生を歩めるようにサポートしたい」と熱く語る三田院長に、診療方針や今後の展望などについてじっくりと聞いた。

(取材日2025年9月18日)

専門分野をあえてつくらず、幅広い症状に対応

子どもから高齢者まで幅広く対応しているそうですね。

三田茂院長 三田医院1

当院では子どもから高齢者まで幅広い世代の診療を行っています。小さなお子さんについては、必要以上に薬を用いることはせず、本来の回復力を大切にしながらサポートするよう心がけています。ただし必要と判断した際にはしっかりと処方を行い、検査も同様に症状を十分に見極めた上で適切に実施しています。一方で高齢の方は、持病があって多くの薬を服用している方や、難病を抱えて病院と並行して来院される方など、来院する方の背景は実にさまざまです。それでも共通して大切にしているのは、どんな方でもまずは丁寧にお話を伺い、その上で必要な治療をきちんと行うことです。年齢や病状に関わらず、一人ひとりに合わせた診療を行う姿勢を常に大切にしています。

患者の主訴はどのようなものが多いですか?

来院される患者さんの症状はさまざまですが、当院の特徴として「体質的に敏感で繊細な方」をしっかり診るようにしています。例えば、学校や会社に行けないほど体調が不安定なのに、どの医療機関でも「異常なし」と言われてしまうケースがあります。風邪一つとっても、人によっては何週間も不調が続き、教室や職場で過ごせないこともあるんです。そうした方々に対しては、ただ薬を処方するのではなく、症状の経過や生活の様子を注意深く観察しながらこまやかに対応しています。新型コロナウイルスにかかった方には、毎日電話で経過を確認し、休日も含めて継続的に見守るようにしているのですが、そのような積み重ねが安心につながり、きちんと回復していくことにつながると感じています。一人ひとりに合った形で支えることを、これからも大切にしていきたいです。

専門分野をあえてつくっていないと伺いましたが、なぜですか?

三田茂院長 三田医院2

もともとは消化器を担当することが多かったのですが、専門を決めてしまうと他の分野にふれる機会が減り、視野が狭くなってしまうと感じました。もちろん専門家になることには魅力もあり、好きな分野に集中できたり学会で評価を得られたりする面白さもあると思います。ただ、その分野から少し外れるとまったくわからないというのは、私がなりたい医師像とは違ったんです。患者さんは自分の症状がどの分野にあたるのかもわからず不安を抱えて来院されるものです。そうした時に「ここは得意だけど、それ以外は専門外だからわからない」というのではなく、まず気軽に相談してもらえる存在でありたい。だからこそ、あえて専門をつくらず、幅広く診ることを大切にしています。

自分らしい人生を歩むためのサポート

診療方針を教えてください。

三田茂院長 三田医院3

「To protect and to serve」という言葉を胸に診療を行っています。これは「守り奉仕する」という意味なのですが、地域の皆さんの健康をしっかり守り、少しでも安心して日々を過ごしてもらいたいという思いからです。最近は、余計な情報や数字にとらわれすぎて、不安を大きくしてしまっている方も多いように感じます。でも、人にはそれぞれの体質や個性があって、本来もっと自由に、自分らしく暮らせるはずなんです。そのため、私はきちんと治すべきところは責任を持って治療しますが、逆に気にしなくていいことは「気にしなくて大丈夫」と伝えるようにしています。その線引きを丁寧に見極めることが、患者さんにとっても前向きに生きる支えになると考えています。

診療時に心がけていることは何ですか?

患者さんを診る上で大切にしているのは、専門的な治療だけでなく、日常生活を含めたサポートです。専門治療についてはガイドラインに沿って薬や処置の内容が決まっているため、私が独自にできることは限られています。ただ、その一方で大規模病院では治療が中心となり、どうしても説明が十分でなかったり、生活面への配慮が手薄になったりすることもあります。そこで私は、患者さんが不安や疑問を抱えたままにならないよう、治療内容を丁寧に説明することを心がけています。実際に大規模病院を受診した後、安心するために当院に寄られる方もいらっしゃいます。また必要に応じて、漢方薬の処方や食べやすい食事の提案など、生活に直結するサポートも行います。最終的に「ここに来て良かった」と安心して帰っていただけること、それが私にとって一番大切なことです。

その方針や信念が生まれたきっかけは何だったのでしょうか。

三田茂院長 三田医院4

私の診療に対する考えの原点には、医師であった父の姿があります。父は休みの日でも呼ばれればすぐに駆けつけるような人で、その姿勢は自然と自分の中に息づいています。さらに研修医時代、先輩医師たちが「頼ってきてもらったからには力になるのが当たり前」という姿勢で患者さんに向き合う姿を間近で見て、自分も同じようにありたいと強く感じました。その病院では特定の専門分野にとらわれず、幅広い知識、技術を持つオールラウンドな医師を志す人が多く集まる環境だったんです。お互いに切磋琢磨し合える環境で、かけがえのない仲間にも出会えました。父や先輩の背中、そして研修医時代の学びや出会いが、自分の医療に対する考え方の大きな軸になっているのだと思います。

患者一人ひとりの悩みにしっかりと寄り添う

医師を志したきっかけを教えてください。

三田茂院長 三田医院5

医師を志す大きなきっかけとなったのは、やはり父の存在です。先代の院長である父は1963年に東京で開業し、常に患者さんを第一に考えて診療していました。私はそんな父の姿を幼い頃から間近で見て育ち、その姿に自然と憧れを抱くようになりました。両親から医師になるよう言われたことはありませんでしたが、地域の方から「将来は私のことも診てね」と声をかけてもらうことが多く、次第に医師という道を意識するようになったんです。自宅で診療を行っていたため、父は診察後に往診へ出かけ、私は往診カバンを持って一緒についていくのが日常でした。休日も急患に備えて家族で遠出を控えるほど、父は患者さんのために全力を尽くしていました。その真摯な姿勢を見ているうちに、自分も同じように人の役に立ちたいという思いが自然に芽生え、医師になる道を選んだんです。

他の医療機関を受診した患者からの相談にも対応されているそうですね。

そうなんです。大学病院を受診された患者さんが、受診した帰りや翌日に「こんな結果だった」と相談に立ち寄られることがよくあります。特に抗がん剤治療を始められた方は、治療そのものに加えて日常生活の工夫や体調管理にも不安を抱えやすいものです。大学病院は専門的な治療に集中しているため、生活面まで細やかに対応するのは難しい部分もあります。そこで当院では、必要に応じて漢方薬で食欲を出すための工夫をしたり、生活習慣においての提案をしたりと、治療がスムーズに続けられるようサポートしています。また、患者さんが気軽に質問できる雰囲気を大切にし、検査結果の数値についても丁寧に説明しています。専門的な治療は大学病院に任せつつ、患者さんが安心して日々を過ごせるように支えることが、私の役割だと考えています。

最後に今後の展望を教えてください。

三田茂院長 三田医院6

今後も大切にしていきたいのは、患者さんが抱えているどんな不安や困り事でも、しっかり耳を傾けて対応していくことです。患者さんが「こんなことを聞いてもいいのかな」と思うことにもしっかり向き合い、安心していただける診療を続けていきたいと考えています。そのために、新しい知識や情報を積極的に取り入れることも欠かしません。最近はインターネットでさまざまな講演や勉強会が配信されていて、学ぶ環境がとても整ってきています。そうした機会を生かして知識を広げ、地域の方々により良い医療を届けていきたいと思っています。

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