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中島 英信 院長の独自取材記事

えいしん内科・消化器内科クリニック

(西宮市/西宮駅)

最終更新日:2021/10/12

中島英信院長 えいしん内科・消化器内科クリニック main

西宮駅南口から、札場筋線を西宮大橋に向かって徒歩15分。観光スポットの酒蔵通りとの交差点に面した医療モールで、2018年から診療を行っているのが「えいしん内科・消化器内科クリニック」だ。院長の中島英信先生は、西宮の隣、芦屋市出身。一般内科から消化器・肝臓疾患の専門医療まで幅広く診療を行う街のクリニックでありながら、院内には内視鏡専用室を設置し、胃カメラ・大腸カメラによる検査と日帰り手術も実施。胃がん・大腸がん・ポリープなどの消化器疾患や肝臓疾患の早期発見・早期治療に力を尽くす。「師匠は患者である」という祖父の教えを受け継ぎ、患者の訴えに静かに耳を傾ける中島院長。その一方、専門の内視鏡については妥協のない仕事を志し、地域医療と専門性の両立をめざしている。

(取材日2019年3月27日)

ゆったりとした眺めの良い待合室に、医療情報を充実

開業のいきさつを教えてください。

中島英信院長 えいしん内科・消化器内科クリニック1

最後に勤めた高槻病院では10年以上働いてきましたが、開業するなら高槻ではなく地元の芦屋周辺で、立地としては、大きな交差点が近い場所がいいと思っていたんですね。内視鏡による検査や治療に重点を置くため、機材の設置スペースが必要ですし、患者さんに気持ち良く利用してもらうには、院内全体にゆとりが必要です。結局、構想に適した場所を見つけるまで3年くらいかかってしまいました。この辺りは子どもの頃から遊びに来ていたくらいなじみのある土地で、自宅からも通いやすく、粘り強く探したかいがあったかなと思います。

広い待合室に加えて、リカバリールームもあるのですね。

院内は、一番眺めの良い場所に待合室の窓が来るように設計してもらいしました。診察や治療の前後にどんよりとした気分で過ごされるのはあまり良くないので、患者さんにはゆったりと気持ち良く利用していただけるように、工夫を重ねています。例えば、プライバシーに配慮して、検査や処置後のリカバリー室は待合室とは別に用意しています。また、大腸の内視鏡検査は前処置で排泄を済ませておく必要がありますので、トイレも3室用意して、他の患者さんに気兼ねなくご利用いただけるようにしました。前処置はご自宅で行っていただくことも可能で、処置が終わったところでご連絡をいただいて、検査開始時間を調整することもできます。

患者さんはどんな方が多いのでしょうか。

中島英信院長 えいしん内科・消化器内科クリニック2

西宮は現役世代の多い若い街で、患者さんも働き盛りの方が多いです。年齢層でいえば、40代から70代くらいまでがほとんどですね。男女比では女性のほうが多いのですが、近年は女性の大腸がんが増えているので、その影響もあるのでしょう。健康診断で要検査と指示されて来院される方も多いですし、中には宝塚など遠方から通われる方もいます。患者さんにはできるだけ時間をかけてご説明をしていますが、理解しにくいことも多いでしょうから、待合室には医療情報の載っているリーフレットなどを用意しています。そうした資料をご自宅にお持ち帰りいただき、病気に対する理解を深めていただければ、私からの説明もより頭に入りやすいのではないかと思います。

内視鏡診断の大きなメリットは早期発見・早期治療

内視鏡での検査や治療に力を入れているのですね。

中島英信院長 えいしん内科・消化器内科クリニック3

基本的には一般内科なので、例えば今の時期なら花粉症の患者さんも多いです。内視鏡については検査から治療、ポリープ切除などの手術まで、当院で行うことができます。お気づきになったと思いますが、内視鏡の検査室には青みのある室内灯を採用し、切り替えて使っています。白い光や黄みがかった温色の光よりも、画像が見やすく正確な診断をしやすいからなんです。内視鏡については、私自身長年取り組んできた分野ですから、性能の高さにこだわった機材をそろえ、環境を整えて、妥協のない仕事をしたいと思っています。スタッフにも内視鏡に精通する看護師を配置していますから、患者さんには安心して検査や治療を受けていただけると思います。

内視鏡検査のメリットを教えてください。

やはり、病気の早期発見を早期治療に結びつけやすいことですね。胃がんや大腸がんは若くしてなる方も多い病気ですが、早く見つけられれば治る見込みのあるのが消化器がんです。ところが、大腸がんは進行するまでほとんど症状がありません。健康診断の便検査で潜血が見つかったのに、痔がある方などはそこから出血しているのではないかと自己判断したり、女性の方は恥ずかしいからと、検査を敬遠されたりする方が少なくありません。消化器がんは統計上だいたい40代から患者数が特に増え始めますが、仕事が忙しい世代でもあるので、検査に時間のかかる大きな病院には行きにくいですよね。「元気で働いているのだから、自分は大丈夫」と過信しないで、健康診断で引っかかったら早めにご来院いただきたいです。

診察の際にはどんなことを心がけていますか。

中島英信院長 えいしん内科・消化器内科クリニック4

私からあれこれお尋ねするよりも、まず患者さんの訴えをしっかりと聞き、順序良く丹念に説明をすることですね。そして、説明を理解できているかどうか、理解されていないと思われる場合は時間をかけて、納得されるまでお話します。内視鏡についていえば、まずは安全第一を心がけ、偶発事故やアクシデントのないように万全を期し、その中で2mmほどの小さな異変を見逃さないようにすることです。患者さんには、痛みの少ない検査や治療を提供するよう心がけ、ご希望に応じて麻酔を使います。麻酔をかけるとどうしても時間がかかりますので、件数をこなさないといけない大きな病院では、使わないケースも多いんですね。そのため「内視鏡は痛い」と思い込んでいる方もいますが、適切に鎮静や麻酔の処置をすれば、痛みを軽減できます。当院ではほとんどの患者さんが麻酔を希望されています。

高い専門性と地域医療を両立し、健康寿命を延ばしたい

医師を志したきっかけを教えてください。

中島英信院長 えいしん内科・消化器内科クリニック5

医師の家系で育ち、医師という職業は私にとって身近なものでした。人のためになる仕事ということもあり、いつからか自然と医師を志すようになっていました。親族だけでなくたくさんの先生たちから教わってきましたが、中でも強く印象に残っていて、今も大切にしているのが「自分の師匠は患者だ」という祖父の言葉です。同じ病名の疾患でも、症状は個人個人で違います。一人ひとりの患者さんの訴えを丁寧に聞き取ることで、教科書に載っていないことも勉強できる、医師の仕事は日々修練であり患者さんから学ばせてもらっているという謙虚な気持ちが大切と思っています。

受診を考えている人に伝えたいことはありますか。

当院は消化器内科、肝臓内科、内視鏡内科を専門にしていますが、その前にまずは内科の一次診療機関として、地域の皆さんの健康管理にしっかりと役立ちたいと考えています。発熱や腹痛など内科の一般的な症状ばかりでなく、インフルエンザなどのワクチン接種や感染症予防のご相談、肌荒れや便秘、痔などのご相談、またご本人だけでなくご家族の体調のご心配など、健康のことならどんなことでもご遠慮なくお話しください。しっかりと聞かせていただき、当院でお役に立てそうにない場合はそうお伝えした上で、適切な施設をご紹介します。

今後の展望をお聞かせください。

中島英信院長 えいしん内科・消化器内科クリニック6

予防医学における地域医療の役割は、近年たいへん大きくなっています。がんや肝臓疾患のような重い疾患であっても、身近なクリニックでの早期発見と早期治療によって、地域の皆さんの健康寿命を延ばし、医療費を抑えることもできるでしょう。内視鏡による検査と治療を特徴とする当院ですが、地域の基幹病院で長く働いてきた私自身の経験から、検査結果により高次機能病院にご紹介すべきかどうか、適切な判断ができると思います。通いやすい地域医療と高い専門性を両立し、私自身も研鑽を重ねながら、これからも常により良い診療を提供し続けていきたいです。

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