廣瀬 武司 院長、廣瀬 真由美 副院長の独自取材記事
なかハートクリニック
(各務原市/那加駅)
最終更新日:2021/10/12
JR高山本線の那加駅から車で5分、いちょう通り沿いに「なかハートクリニック」はある。クリニックのロゴマークは2本並んだイチョウの木にハートが描かれており、近隣に住む人たちにとっても親しみがもてるマークだろう。「ホスピタリティーの高いクリニックにしたい」と優しい笑顔で話す廣瀬武司院長と真由美副院長。高い天井に大きな窓、飲み物のサービス、キッズスペース、大型テレビで流れるクリニック独自の医療情報など、院内の各所に患者が居心地が良いと感じられるような心配りがされている。専門は循環器の二人だが、心臓疾患だけでなく、地域のかかりつけ医として小児から高齢者までさまざまな疾患に対応している。開業に際しての思いや得意な治療、診療時に心がけていることなど、たっぷりと話を聞いた。
(取材日2019年7月22日)
病気だけでなく心も癒やせるクリニックへ
循環器の医師になられたのはどのようなきっかけからでしょうか?
【廣瀬院長】高校生の頃に読んだ医療漫画に大きな影響を受けました。主人公の医師がとても熱血で人のことを思う姿に感動し、自分も人のために全力でできることをしたいと思ったのがきっかけですね。初めは緊急の場で処置が行える救急の医師を志し、その現場で脳外科や循環器に携わる中で、カテーテル治療の素晴らしさに感動し、この科を選びました。
【真由美副院長】父が開業していて、地域のかかりつけ医として仕事をする姿をずっと見てきました。人の病を治し、役にも立てるやりがいがある仕事だと子どもの頃から感じていたんだと思います。私自身はあまり覚えていないのですが、周りから「あなたは小学校1年生の時からお医者さんになるって言ってたよ」と言われます。全身管理ができて、高血圧など日常に即した病を診ることができるということで、循環器を専門にしました。
とても明るくてきれいなクリニックですね。
【真由美副院長】開業に際し、ホスピタリティーの高いクリニックにしたいと考えました。当院の診療指針でもある、患者さまがただ診察に来る場所ではなく、患者さまにとって居心地が良くてほっとすると感じられるような愛のある空間にしたかったんです。ですから、待合室は窓をアーチ型に大きくし、明るい光がたくさん降り注ぐようにしました。給茶器の設置や、生花を毎週生けているのも、病気を治すだけでなく心まで癒やされる場所であってほしいとの思いからです。また待合室のテレビには当院でつくった患者さまに知ってほしい医療情報を流しており、患者さまからも勉強になると好評です。ハートクリニックという名前も、循環器の心臓のハートだけでなく、患者さまの心・気持ちにまで寄り添えるようにという意味も含めて名づけました。
こだわりの設備や機器について教えてください。
【廣瀬院長】循環器疾患の検査はクリニック内でひと通りできるようになっています。CTや超音波はもちろんですが、CPX(心肺運動負荷試験)も時代に先駆けて導入しました。これは、医師立ち合いのもとで患者さまに運動してもらいながら、どのくらい有酸素運動が行われているかなど運動の負荷の程度を測っていきます。心臓に疾患がある方が運動する場合、負荷がかかりすぎると心臓に悪いですし、負荷がかかっていないと効率の良い運動ができていないことになります。その方がどれくらいの負荷をかけて運動するのが良いのか、心臓リハビリテーションを始めるための指針になるのがこの検査です。
高血圧など、生活習慣病は身近な循環器疾患
私たちにとって身近な循環器の疾患とは何でしょうか?
【廣瀬院長】循環器疾患というのは、大きく分けると、動脈硬化の病気、不整脈、心肺の循環の3つになりますが、中でも皆さんにとって一番身近な病気は高血圧だと思います。循環器と言われるとわかりにくいかもしれませんが、動脈硬化を引き起こす要因のコレステロール値が高い、中性脂肪値が高いという場合も循環器を診るクリニックにかかっていただくと良いですね。循環器というのは、生活習慣病に深く関わっているということです。高血圧の中には、2次性の高血圧の方もいらっしゃって、当院で詳しく検査をすることで問題を発見できると思います。血圧が高い、コレステロールが高いという方は、日頃から自分の体に注意してほしいです。
心臓リハビリテーションとは、どのようなことをするのですか?
【廣瀬院長】一般的にリハビリというと整形外科のリハビリを想像する方が多いと思います。しかし当院では、心臓の病気、例えば心筋梗塞、大動脈解離、狭心症などいろいろあるのですが、そのような心臓に疾患を持った患者さまに対して、運動をしていただくものです。心臓に疾患がある人は、運動せず安静にすべきだといわれていた時代もありましたが、今は運動をして鍛えることで心臓の強化につながるといわれています。当院のリハビリ室にはフィットネスバイクやランニングマシンなどさまざまな運動機器を設置しており、有酸素運動をすることで筋力を養い、心臓や肺機能のアップを促し、心不全や心臓の病気の再発予防につなげていくようにしています。また専門の理学療法士が付き添い指導しますので、安全に行うことができます。こういうことをクリニックでやっているのは全国でもあまり多くないと思います。
診療時に心がけていることを教えてください。
【真由美副院長】患者さまの病気を治すだけではなく、心からの苦しみを治すことを念頭におき、ゆっくりよくお話を聞き、親身になって対応するように心がけています。患者さまは何かしら不安を抱えて来院されると思うので、最初のあいさつを意識的に明るくするようにし、まずは安心していただけるように、スタッフ全員が心がけるようにしています。リハビリや生活習慣の見直しなど長期に及ぶ場合は、患者さまのモチベーションも波があると思うので、なるべく否定的なことは言わず励ましながら続けてもらえるようにしています。院内に「意見箱」を置き、患者さまからの要望やご意見をクリニック全体で共有し、改善に努めています。
人生100年、近隣住民の健康を守り続けたい
地域のかかりつけ医としての役割にも力を入れているとお聞きしました。
【真由美副院長】地域にとって、どんなことでも頼りにしてもらえるクリニックでありたいですね。そのためにCTも導入し、さまざまな検査に対応できるようになっています。昔、救急外来で勤務していたこともあり、幅広い疾患に対応できると思います。この辺りは、各務原市でも人口が増えている地区なんですね。新しいファミリーの方もいらっしゃいますし、お子さんから高齢の方まで、皆さんにとって頼れるクリニックをめざしています。特に、私たちは子どもが好きということもあり、診察させていただいたお子さんが、中学生、高校生そして大人になっても、その方の健康を守っていける存在でありたいですね。実際、お子さんがきっかけでご家族で通ってくださる患者さまもいてうれしいです。
多くのスタッフさんがいらっしゃるんですね。
【真由美副院長】現在、医師2人の他、理学療法士、放射線技師、看護師、医療事務員と総勢13人体勢で診療にあたっています。今年度から各課で年度目標を定め、そこに向かって皆頑張ってくれています。月1回のミーティングをし、3月には1年の目標到達度を発表して表彰するなど、モチベーションを高くもって仕事に取り組めるように考えています。それから、当院は接遇について力をいれているので、品位向上委員会をつくり、接遇のプロの先生を毎年お呼びして、研修を受けています。例えば、患者さまがいらしたときの気持ち良いあいさつの仕方やクッション言葉の使い方、立ち方やご案内の仕方も含めて、ホテルのような温かな愛のある空間とスタッフをめざしています。
最後に読者へメッセージをお願いします。
【廣瀬院長】生活習慣病というのは予防が大切なんです。例えば血圧が高いけれど他に症状がないからと放っておくと、後に大きな病気になって気づくということもあるので、小さなことでも気軽に相談してもらえたらと思います。人生100年といわれる現代だからこそ、健康寿命が大切です。健康に長生きするためにも、定期健診をしっかり受けてほしいですね。
【真由美副院長】当院でも各務原市の特定健康診査や心臓に特化した検査も行っていますし、ペースメーカーの外来を月初の土曜日に行っています。ペースメーカーは定期的にバッテリーの状態などをチェックする必要がありますので、定期検査をご希望の方は、ぜひご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とは心臓検査/1万5000円