仮屋 聖子 理事長の独自取材記事
キースおとなこども歯科二軒屋
(徳島市/二軒屋駅)
最終更新日:2025/02/28

二軒屋駅から歩いてすぐの場所にある「キースおとなこども歯科二軒屋」は、その名のとおり子どもから高齢者まで全世代の予防・治療を行うクリニック。患者の喜びとスタッフの働きやすさを両立したいという思いのもと、仮屋聖子理事長は日々組織づくりや診療体制の強化、啓発活動などに取り組む。理事長が常に心がけるのは、患者の目線から診療すること。視野を広く持ち、相手の気持ちを考えて行動する姿勢は同院のスタッフにもそのまま引き継がれているようだ。皆が同じ方向を向き、目標達成のために研鑽する。そんな完成度の高いチームをつくり上げるためにどのようなことを行っているのか、診療内容や今後の展望などと一緒に聞いた。
(取材日2025年1月23日)
患者に喜んでもらうためにも組織づくりからしっかりと
クリニック開業における思いをお聞かせください。

開業の根底にあったのは、「歯科業界に携わる人たちが働きやすい環境をつくりたい」という思いです。歯科医院は女性が多い職場にもかかわらず、産前・産後休業や育児休業が比較的取りにくく、長く働き続けるのが難しい側面があると感じていました。技術を生かして患者さんに良質な歯科医療を提供する以前に、働いてくれるスタッフが自らの人生において「辞めない」という選択肢を取れること。そして自分らしく生き生きと暮らせることが大切と考え、法人の設立・当院の開業に至りました。働きやすい職場づくりの一環として、みんなには一定のルールを守ってもらい、上司や経営者はスタッフ全員に公平に接する姿勢を大切にしており、特別扱いは決してしません。声の大小に関係なく誰もが平等に期待され、与えられた役割を果たしています。
一人ひとりの強みや個性が、結果として患者さんのためになっていそうですね。
スタッフは気さくな人が多いですね。院長も患者さん自身に治療法を選んでいただくスタンスで、丁寧な対話と説明を心がけています。また当院では「笑顔の鍵を握る歯科治療を提供する」という理念を掲げ、理念達成に向けたクレド(行動指針)も明確に設定しています。現在のクレドは「患者さまの声に耳を傾けます。」「患者さまに常に優しくわかりやすい言葉で語りかけます。」「日々の診療を通じて喜びと感動を患者さまに伝えます。」「予防を定着させます。」「日々改善を行い、勉強・教育します。」「個々のスタッフを尊重し、教え合う文化をつくり、みんなで支えます。」の6つ。いずれも患者さんが話しやすい雰囲気をつくり、ホスピタリティーの精神を持って応対する上で不可欠な行動ですね。すべては患者さんに喜んでいただくため。自分を律し、周りと協力しながらチーム医療を提供することが地域から求められていると思っています。
予防に重きを置いているのはなぜでしょうか?

地域柄、徳島の歯科医院では予防よりも治療が行われるケースが多いからです。治療の患者さんはたいてい急にトラブルが起き、慌てて受診し、すぐに対応してほしいと訴えます。しかし初めから予防していればトラブルを防止でき、大変な思いをせずに済みますので、一人でも多くの方に定期検診で通っていただけるよう予防の大切さを啓発しています。もう一つ、トラブルがなくなると「見た目をもっと美しく、若々しくしたい」という心理が働き、美容や健康に自然と意識が向かいます。そして私たちが重視しているのは、予防の先にある健康です。患者さんの健康寿命を延ばし、人生を最期まで走り切ってほしいという願いがあり、今後さらに歯科医院としての発信力を高めたいと思っています。
世代に合わせた予防からホワイトニングまで柔軟に提供
予防の具体的な内容について伺います。

虫歯や歯周病の予防に加え、小さいお子さんには不正歯列の予防、ご高齢の方にはフレイル予防と、全世代に対して幅広く対応できるのが当院の強みです。不正歯列の改善には装置を使う場合もありますが、使いたくない方には簡単に取り組めるお口の体操などを歯科衛生士が専門的にレクチャーします。一方ご高齢者のフレイルには、歯の本数が少ない、汚れが多くたまっている、お口周りの筋肉が衰えているなどさまざまなタイプが存在します。そこを見極めて必要なケアを行っており、例えば筋肉が落ちている方にはお口の体操のほか、口腔機能を高めるトレーニングを実施。ご自宅でも実践できるよう道具を活用することもあります。
予防に関して、本記事で発信したいことはありますか?
お口の病気の大半は細菌による感染症です。ご自宅での歯磨き歯科衛生士のクリーニングとでは、できることが変わってくるため、ぜひ歯科医院でのクリーニングも行い、細菌の量を減らすアプローチをしていただければと考えています。同時に専門的なアドバイスを受け、トラブルが起きにくい状態を維持するのが良いと思います。また当院では予防の延長として、ホワイトニングもご提供しています。ホワイトニングは美容のイメージが強いかもしれませんが、もともとは歯周病の治療薬の成分から見つかった漂白作用に端を発した手法であり、私たちにとって予防とホワイトニングはセットという感覚ですね。当院では専門的な知識を持つ歯科衛生士が施術を担当しており、リラックスしてホワイトニングを受けられる空間もご用意していますので、気になる方はぜひお越しください。
治療内容や、診療で心がけていることも教えてください。

大学との連携によって補綴、歯科口腔外科などさまざまな分野の専門家が在籍しており、一通りの治療が可能です。昨今重要視されている医科歯科連携も大事にしており、患者さんにかかりつけ医がいる場合はそちらの先生とも情報を共有し、お体の状態まで把握した上で治療や予防を行っています。診療においては、私自身が心がけている「患者さんの目線からの治療」をスタッフに呼びかけています。難しい歯科用語をはじめ患者さんがわかっていないことは多いので、ご本人に状況を理解していただくところから始めますね。説明の際にはその場でお見せする動画と、その日の治療内容などを書いた紙の資料をうまく使い分け、より深い理解につなげています。
啓発や説明、アドバイスを通して患者理解を深めたい
お子さん連れの患者さんに対して取り組んでいることはありますか?

親御さんが落ち着いて治療を受けられるよう、当院では保育士がお子さまの一時預かりに対応しています。ご予約時に預かりが可能な日時をご案内いたしますので、ご希望の場合はあらかじめお申し出ください。さらに管理栄養士がお子さまのいる方やご高齢の方向けの食育指導を実施したり、オリジナルの新聞をお渡ししたりとイベントにも力を入れています。新聞では季節に合わせたお勧めの食材のメニューや、ご自宅でできるお口の体操などをご紹介しているんですよ。お子さんに対しては、麻酔を使う場合に針を見せないといった怖がらせない工夫や、緊張させない声かけを行っています。そして子どもの目線を意識して作った動画も見せて、歯科医院がどんな場所なのか、フッ素によって何が期待できるのかなどを知ってもらっています。
今後の展望をお聞かせください。
お口の病気が全身の健康にも影響することは広く知られています。その点、徳島には歯周病との相関が強い糖尿病の方が多いため、お口とお体との関連性について啓発し、少しでも皆さまの健康に寄与できる歯科医院をめざしたいと考えています。また、24時間予約システムやアプリを介したコミュニケーションツールの導入といったデジタル化もすでに始めていますが、患者さんに対しては自動精算機の設置、スタッフに対しては作業効率アップにつながる仕組みづくりを今後進めていきたいですね。ほかにも受診が難しい方への訪問診療、継続的な教育文化の形成など、やりたいことは山積みです。
読者へのメッセージをお願いします。

お口の中はある日突然悪くなるわけではありませんが、徐々に、確実に症状は進行しています。気づいたときには多くの歯を抜いたり大がかりな治療をしたりしなければならない場合もありますので、小さな異変であっても気づいたら早めに歯科医院でチェックを受けましょう。多分野の専門家がいる当院では、患者さんを多角的に診療し、いろいろなアドバイスをすることも可能です。大切なのは早期発見・治療とご本人の理解。患者さんには知る権利が、私たちには説明の義務があります。お口とお体の健康のためにしっかり関わらせていただきますので、まずは気軽にお越しください。
自由診療費用の目安
自由診療とはホワイトニング/オフィスホワイトニング:8800円~、ホームホワイトニング:2万2000円~(スターターセット)