前田 智永 院長の独自取材記事
前田歯科
(向日市/洛西口駅)
最終更新日:2025/06/13

阪急京都本線洛西口駅東口から線路沿いを南へ徒歩3分、JR京都線桂川駅からは南西へ徒歩9分。新しく整備された街並みの中に「前田歯科」はある。2017年に開業し、白を基調とした清潔感のある院内には優しく明るい印象の木目のカウンターがあり、医療機関であることを忘れさせるような清々しくぬくもりのある雰囲気が漂う。「医療機関の持つ怖そうなイメージをなくし、温かなイメージにしたい」と、患者に寄り添う診療をモットーとする院長の前田智永先生の想いからだ。そんな前田先生に、同院ならではのこだわりや診療についての思いを聞いた。
(取材日2021年6月15日)
身近な人を助けたいという思いから
大学を卒業されてから開業までの経緯を教えてください。

卒業後に1年、臨床研修医として大学に残り技術を研鑽した後、大阪で2年、福岡で10年、歯科医院に勤めました。勤務医時代には、さまざまな年代の患者さんの治療やコミュニケーションの取り方、病院経営について幅広く学ぶことができました。当時から、将来は生まれ育った京都で開業しようと考えていましたので、現場でたくさんのことを学べたことはとても大きかったと思います。
勤務医時代のご経験が、現在の診療方針に影響を与えていますか?
患者さんと長くお付き合いしていく上で、治療をより良くしていくために患者さんの状態を把握し、10年・20年先を見据えて治療計画を立てることはとても勉強になりました。患者さんの背景も考慮し、治療の方向性を一緒に決めていきました。患者さんから「先生に会えて良かった」という声をいただくこともあり、うれしく思いました。福岡では6年目から副院長として、治療だけでなくスタッフの指導や病院経営についても学ぶことができたことなどが、今に生かされていると思います。
歯科医師をめざしたきっかけは何ですか?

プラモデルを作ったり、絵を描いたりするのが好きな子どもでした。成長していくにつれて、少しずつ医療の道に進みたいという気持ちが強くなっていったんです。きっかけとして大きかったのは、自分の両親や祖父母がどこか痛いと言っている時、なにかしてあげたいと思ったことでした。自分の手先の器用さを生かしながら、医療の中でできることはないかなと考えるようになり歯科医師という道に出会いました。
心に残る患者さんとのエピソードはありますか?
たくさんありますね。通院を重ねていくうちに表情や雰囲気までも変わられていく患者さんや、丁寧に接していたことで「安心した」と言ってくださったりする患者さんがいらっしゃれば、とてもうれしいですよね。中には泣いて喜んでくださる方もいらっしゃいましたね。患者さんといろいろな話をしていく中で、今までできなかったことができるようになったお話などを聞けると、とてもやりがいを感じます。患者さんやスタッフみんなも含めて、一つのチームのように感じられることがうれしいです。
患者に寄り添い、ともにゴールをめざす
どんな患者さんがいらっしゃいますか?

幅広い年代の方が来院されています。定期的に歯の健診に来られる方は若い世代の方が比較的多く、20代後半から50代がメインです。歯が痛む方、銀歯を白いものに変えたいという方もいらっしゃいます。初めて来院されるときは、不安に感じられる方もいらっしゃると思うので、すぐに治療には入らずカウンセリングから始めています。最初のカウンセリングでは患者さんの症状だけでなく、患者さんの希望や背景などのお話も丁寧に伺うようにしています。歯科医院がちょっと苦手と思っていた方も、この歯科医院は大丈夫だと思ってもらえるように心がけています。
幅広い診療に力を尽くされているそうですが、どういう思いからなのでしょうか?
治療に得手不得手が出ないよう常に技術の研鑽をしています。それは、すべての年代の方に合った必要な治療をきちんと行えることが大事だと考えているからです。患者さんのさまざまな要望にお応えでき、地域に根づき、皆さんを長く継続的に診ていける歯科医院にしていきたいと思っています。以前に勤めていた歯科医院が歯周病予防やメンテナンスに力を入れていたこともあり、当院でもその大切さをしっかり伝えていきたいです。
予防やメンテナンスに関しては、どんなことを心がけていますか?

当院では、歯磨きの方法を説明するだけでなく、実際に歯磨きを「体験」していただいています。きれいに歯磨きすることで得られる口の中の爽快感を体験していただき、その磨き方をご自宅に帰られてからも実践していただいています。それを繰り返すことで、患者さんご自身の意識が変化すると考えているからです。
自然にやる気を喚起するような、コミュニケーションを大切にしているのですね。
そうですね。なぜなら、患者さんに喜んでいただけることや、QOLの向上を見据えているからです。歯科医師として、治療をして良くなっていただきたいと考えるのはもちろんですが、私たちのゴールはその先です。例えば、見た目がコンプレックスとなって、大きく口を開けて笑えないという方が、治療したことで自信を持ち、社交的になられることもあるでしょう。また、歯周病や入れ歯で困っていた方が何でも食べられるようになって、お孫さんと一緒にステーキを食べられた、ということもあると思います。その思いをお話しいただくために、どんなことでも話せる雰囲気づくりを心がけています。「患者さんご自身がなりたい治療後の姿」になれるように、ともにゴールをめざしています。
長く付き合ってもらえる歯科医院に
セラミックを用いた歯科治療についてもお聞かせください。

当院では、セラミックによる治療にもしっかりと対応しています。基本的に、主訴を伺い、検査などを一通り行ってから、10年20年先の未来を見据えて全体の治療計画を立てるようにしています。その上で、セラミックも含めて補綴の材料を何にするかなどを、金額面も併せてご相談しながら進めていきます。もちろん、痛みがある場合は、その痛みを取ることを優先するなど、その方に合わせて対応していますよ。その際大切にしているのは、各治療のメリット・デメリットを患者さんによくご説明した上で、ご納得いただいてから治療を進めるということですね。口腔内全体を診て治療を進めるのが当院の特色ですので、中には早く進めてほしいと感じる方もいるかもしれません。それでも、口腔内、ひいては体全体の健康を考慮すると、この形が良いと思っています。セラミックを用いた歯科治療を希望される場合は、ぜひご相談ください。
院内の内装のこだわりはありますか?
受付のカウンターと棚は木目で統一し、すっきりきれいに見えるようにしています。また基本的に物を置かないというのもこだわりです。治療器具が見えるとそれだけで医療機関の怖いイメージが出てきてしまうと思うので、そういった印象が少しでも和らぐよう気をつけています。またそうすることで掃除がしやすくなり、常に清潔な空間を保てるなど衛生面にも考慮しています。治療に使った器具などは基本的に感染物として扱い、経路をつくってきちんと洗浄・滅菌の流れができるような動線にしています。見えないところではありますが、「汚れているものを扱うエリア」、「ここは完全にきれいなエリア」と分けることで、私やスタッフも安心して診療に集中できます。また感染症対策では、これまでの基本的な消毒・手洗いの徹底のほか、パーティションの設置などを行っています。特別なことをしているわけではありませんが、当たり前のことを徹底するようにしています。
最後に読者へのメッセージをお願いします。

お口や体の健康を保つために、かかりつけ歯科医を持ちましょう。治療のために歯科医院に通うことは大切です。けれども治療後もいい状態を維持するためには、虫歯や歯周病などの予防をすることが大切です。歯の健診やクリーニングをはじめとしたメンテナンスを定期的に行っていただくことでより予防効果を高めていきましょう。当院ではお口の中を撮影してデータとして残し、5年後、10年後でも比較できるようにしています。治療経過を記録するためでもありますが、「良くなりましたね」と患者さんと一緒に喜べるように、というのが一番の理由です。患者さんの歯も心も健やかであること、笑顔になっていただくことが何よりの「健康」と考えています。一人ひとりの「なりたい治療後の姿」を一緒にめざしていきましょう。
自由診療費用の目安
自由診療とはセラミックを用いた補綴治療/●円~