増田 洋史 院長の独自取材記事
増田内科クリニック
(さいたま市岩槻区/浦和美園駅)
最終更新日:2025/12/22
身近なかかりつけ医をめざし2018年6月に開業した「増田内科クリニック」。浦和美園駅東口から徒歩10分で、住宅地に隣接する同院は駐車場30台を備え、屋根つきの車寄せやバリアフリー構造を採用するなど安心して通える環境を整えている。循環器内科を専門とする増田洋史院長と、腎臓内科を専門とする増田敦美副院長が中心となり、内科全般から循環器・腎臓・甲状腺の専門診療、睡眠時無呼吸症候群や生活習慣病まで幅広く対応。24時間心電図をはじめとする院内検査や、動脈硬化、生活習慣病の治療、腹膜透析なども取り入れる。地域のニーズに応える増田院長に、これまでの歩みや現在の診療の特色などについて聞いた。
(取材日2025年12月8日)
病気を理解し、向き合える診療を
これまでのご経歴と、開業の経緯を教えてください。

大学卒業後、順天堂大学医学部附属順天堂医院の循環器内科と関連機関の順天堂大学医学部附属順天堂東京江東高齢者医療センターに勤務しました。大学病院では先端の医療に携わる一方で、外来では「明日また来てください」と伝えても翌日は自分が診られず、患者さんとの距離を縮めにくいもどかしさがありました。その後、循環器が専門の医師が少ないコンパクトな環境の病院に移ったことで患者さんに継続して寄り添えるようになり、自分に合った環境だと確信したんです。そこで外来を中心に、入院せずに済むよう患者さんが病気を理解して向き合える診療をめざし、「なんでも相談できるクリニックを立ち上げたい」と考えて開業に至りました。また、訪問診療クリニックでの勤務では、病気の治療以上に生活のサポートを多職種と模索する経験も重ねました。人と人、命との関わりを深く考える濃密な時間の中で、今の診療スタンスの土台ができたと感じています。
クリニックにはどんな特色がありますか?
当院では心電図検査、エックス線検査、血管年齢検査、肺機能測定検査、超音波検査、糖尿病検査、尿検査などを院内で行い、すぐに結果がわかります。24時間心電図(ホルター心電図)検査も院内で解析していますので、検査の翌日には結果をお伝えできます。当院の特色は、腎臓と心臓を専門とする医師がいて動脈硬化に関する治療が得意なこと。町のクリニックで腎臓内科を扱うところはあまり多くはありません。さらに発熱症状を診る外来診療も予約制で設け、専用の部屋で診察を行うのも特徴です。また、当院のスタッフはみんな、明るく人あたりがやわらかいので、患者さんにもリラックスしていただけるのではないでしょうか。駐車スペースは30台分あり、院内はバリアフリーなので、どなたでも通いやすい環境です。
甲状腺の診療について教えてください。

私は循環器を専門としていますが、どうしても甲状腺疾患と関わることが多く、臨床の中で経験を積みながら学びましたので、専門的な知識が身につきましたね。代表的な病気にはバセドウ病と橋本病があり、女性に多く、若い方から高齢の方まで幅広く発症します。バセドウ病では汗びっしょりになるほどの多汗、体重減少、動悸、手の震え、焦燥感といった症状が見られ、心臓に負担がかかり心不全を起こす人もいますし、眼球が突出することもあります。橋本病では逆に体重増加やむくみ、やる気の低下、脱毛などがあり、不妊との関連も指摘されています。診断は採血でホルモンを測定し、超音波で腫瘍や大きさを確認します。数日で結果が出ますが、見た目でわかることも少なくありません。こうした症状があれば早めに検査を受け、治療につなげてください。
不安に寄り添う腎臓内科
腎臓内科ではどのような診療が行われていますか?

腎臓内科は敦美副院長が担当し、尿異常やむくみ、健康診断での異常などから総合的に診断しています。敦美副院長は大学病院で腎臓内科に入局し、約10年間勤務した中で透析治療も研鑽しています。診療としては、まず尿検査を必ず行い、血液検査で腎機能や肝機能、脂質、糖尿病などのスクリーニングを行います。さらに超音波検査で腎臓の大きさや腫れ、腫瘍の有無などを確認しています。当院にかかる患者さんで圧倒的に多いのが、健康診断で尿検査や血液検査の腎機能の項目で異常を指摘されて受診される方々です。ほとんどの方は無症状ですが、まれに尿の色の変化や泡立ち、においの異常に気づいて来院される方もいらっしゃいます。
検査を進める上で意識されていることはありますか?
尿の色や泡立ちといった自覚症状が現れることもありますが、診断においてはまず病歴の確認を大切にしています。特に尿検査は、学校健診として小学生の頃から実施されているので、当時、健診で指摘を受けたことがあるかどうかを確認します。また、過去や現在の服薬歴も欠かせません。処方薬だけでなく、サプリメントや健康食品がまれに腎障害の原因となるケースもあるので、摂取歴も含めて患者さんの情報を集め、検査を進めるように心がけています。
腎臓内科の診療で心がけていることを教えてください。

最近はインターネットで事前に調べて来院される方も多く、腎臓が悪くなると透析が必要になるという情報を見て、若い方でも不安を感じて来られる方が結構いらっしゃいます。敦美副院長は普段から、患者さんに「心配ないですよ」「今の時点なら大丈夫ですよ」と説明しています。診療では、患者さんの不安を取り除き、笑顔で「安心しました」と言っていただけるように、安心感を与えることを大切にしています。
「主治医は自分自身」将来へ向け予防意識を高める
睡眠時無呼吸症候群の診療にも力を入れているそうですね。

この病気はご家族からの、寝ている間に呼吸が止まっている、いびきがひどいといった指摘で気づく方が多いですね。自覚症状としては朝起きた時に疲れが取れていない、日中我慢できない眠気があるなどというものがあります。運転の仕事をされている方が事故を起こしてしまい、勤務先の指示が検査のきっかけになることも。呼吸が止まっている間は脳に酸素が届かないので起きている状態と同じなんです。呼吸が苦しいので脳が起きてしまい、脳が起きるので目が覚める、けれど体は起きないので、寝ているようで寝ていない状態です。この状態では交感神経が優位になるので血圧が下がりませんし、血糖値もコレステロールも上がります。そうすると心臓にも負担がかかってしまいます。当院では、呼吸器をつけて寝るCPAP療法を取り入れています。
先生がやりがいを感じられるのはどのようなときですか?
糖尿病や高血圧症の患者さんで、「生活習慣を変えられました」という成功体験を引き出せたら、内科の医師として一番やりがいを感じます。現実的には「生活習慣をこうしたほうがいいですよ」と言われても難しい場合が多いと思うんです。私が患者だったとして「運動しなさい」と言われても、「仕事をして帰宅する生活の中で、いつ運動しろというのだろう」ときっと思うでしょう。それでも、月1回会うかどうかの医師の話を真剣に聞いて理解して、自分にできることを考えて実行してくださると、うれしい限りです。
今後の展望とメッセージをお願いします。

地域でまだ十分に普及していない腹膜透析により力を入れ、地域で旗振り役を担いつつ、患者さんが働きながらでも治療を続けられる環境を整えたいと思います。この地域も高齢化が進んできていますので、今後は訪問診療も導入していく予定です。外来に通えなくなった方に対しても、その先を診ていきたいという気持ちがあります。循環器と関わりの深い甲状腺診療など、普通のクリニックではあまり行わないような専門的な分野にも引き続き取り組み、地域の中で専門医療への橋渡し役を果たしていきたいと思います。現在の医療制度は縮小していく可能性があり、今後、自由診療が増える時代になるかもしれません。その中で重要なのは、病気にならない体をつくること。健康診断を受け、生活習慣を整えることが将来の安心につながります。「薬を飲んでいればよい」ではなく「主治医は自分自身」という意識を持ち、生活で正しい選択をするサポートをできたらと思います。

