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和手 麗香 院長の独自取材記事

いずみ脳神経内科

(泉大津市/泉大津駅)

最終更新日:2025/09/11

和手麗香院長 いずみ脳神経内科 main

パーキンソン病や筋萎縮性側索硬化症(ALS)といった神経難病をはじめ、頭痛やめまい、しびれなどの診療のほか、国内でも珍しい神経難病のリハビリテーションを提供する「いずみ脳神経内科」。地域に根差しきめ細かに診療したいとの思いから、和手麗香(わて・れいか)院長が自身の実家だった場所に2017年に開業した。専門的な診療とさっぱりとした明るい人柄で、これまで多くの患者を親身に、そして温かくサポートしてきた和手院長に、クリニックの特徴や医療への思いを聞いた。

(取材日2025年8月12日)

個々の患者に寄り添う医療を提供するため開業を決意

まずは先生のご経歴を教えてください。

和手麗香院長 いずみ脳神経内科1

関西医科大学大学院を修了後、関西医科大学附属病院でパーキンソン病や筋萎縮性側索硬化症(ALS)などの変性疾患を専門に研鑽を積みました。神経内科の道に進んだのは、たとえ根本治療ができなくても、その人の一生を一緒に歩いていくことができるところに魅力を感じたから。少しでも人生を楽に過ごす一助になれるなら、つらくてもやってみたいと思いました。大学病院では、臨床と研究、教育の3本柱が要求されます。川で溺れている人を一人ひとり助けていくのが臨床だとしたら、山頂から川に人を投げ込んでいる怪物を倒すために道を踏み分けていくのが研究です。私自身も留学し神経病理学を研究していたのでその重要性や面白さは知っていますが、やっぱり臨床に関わるのが好きですね。

なぜ開業しようと思われたのですか?

大学病院は研究面では魅力的だったのですが、臨床面では課題を感じていました。例えば、建物が広く診察室と検査、会計の場所が全然違うこと。どの患者さんがどんなことに困っているかが見えにくい点が気がかりで、もう少しきめ細かくいろいろなところまで目を配りたいという思いがありました。また、大学病院まで来る体力のある人しか通えないことにももどかしさを感じていました。「もう大学病院まで通えないから」と大学病院での治療を断念する変性疾患の人もたくさんいて、何ヵ月かたって診たら驚くほど悪化していることもあったんです。大学病院まで通うことが難しいレベルになった人を、地域で診る専門的な医師がいてもいいんじゃないか。そう思うようになった頃、3人目の子どもが生まれて子育てと両立できる働き方を考えるようになり、開業に至りました。

どのような患者さんが多く通われていますか?

和手麗香院長 いずみ脳神経内科2

神経難病の方、特にパーキンソン病の方が多く通われています。高齢者の方が圧倒的に多いですが、頭痛やめまいで若い方も来られますね。この辺りはざっくばらんで明るく、あまり取り繕わずに本音で話をされる方が多いので、お互いにつらいことはつらいと言える関係を作りやすい土地柄だと思います。例えば、「薬がいいのはわかっているけど経済的につらい」といった人には言いづらいようなことも、ストレートに言ってもらえると次の選択肢を提示しやすくなる。また、もらっただけで薬を飲みたくないこともあるかもしれませんが、もし「ここが気に入らなかったから飲まなかった」と話してくれたら、飲んでいないなりの対処ができます。医師には本音を話しづらいイメージがあるかもしれませんが、近所の知り合いぐらいの感覚で身近な存在として関わることができれば、本当に困っていることが聞けるのではないかと思っています。

神経難病に特化したリハビリの外来を提供

こちらのクリニックの特徴を教えてください。

和手麗香院長 いずみ脳神経内科3

神経内科における専門性の高い診断と、その後のフォローができるクリニックです。神経内科にもいろいろな分野がありますが、私は特に変性疾患を専門としており、パーキンソン病の薬物治療に注力しています。近年はさまざまなデバイス治療もできるようになってきて、当院には病院でそれらを受けられた患者さんも通われていますね。先進の治療を受けた方も引き受けられるよう、今後も知識や技術をブラッシュアップして、地域でできる先進の医療を提供したいと考えています。クリニックにはあまり置いていない筋肉や神経の異常を調べる筋電図検査の装置を導入しており、初診時からその場で検査が受けられるのも特徴です。そして何より、外来で難病の方のリハビリができるのが強みですね。

リハビリにも対応しているクリニックは珍しいのではないでしょうか。

パーキンソン病をはじめとした神経難病は、薬物治療と運動とが両輪です。変性疾患は老化疾患なので、必ず年齢とともに悪化し、それを止めることはできません。だからといって、神経難病を放っておいたら筋肉がどんどん駄目になってしまう。将来的に生活の質を落とさないためには、筋肉が痩せ細る前のリハビリが重要なんです。「運動してください」と言われてもなかなか自分ではできませんから、せめて当院に来た時に理学療法士から生活や運動のアドバイスを受けてもらう機会をつくりたい。そして、運動してきたら「よく頑張りましたね」とフィードバックできる環境が欲しかったんです。実は、リハビリ施設を併設していることで、より生活に根差した診療ができているんです。医師には言いにくくても、看護師や理学療法士になら話せることもあると思います。スタッフがチームとして得た情報を細かく拾い上げられる環境は診療にも役立っています。

先生が診療において大切にしていることを教えてください。

和手麗香院長 いずみ脳神経内科4

誠実に付き合うことですね。「年のせい」や「仕方ない」という一言で済まさない努力はしたいと思っています。たとえ100歳近い方でも、「歩くのが不自由」とおっしゃるのなら、もっと歩きたくて来られているわけです。「100歳だから仕方ないよ」と言ってしまったらそこで終わりですから、そういう投げ出し方はしてはいけないと常々自戒しています。なんとかできなかったとしても次の手段を必ず一緒に考えますし、自分の専門外だったとしても、どこに紹介して誰に診てもらえばいいかを伝えるところまでは責任を持ちたいと思っています。紹介した先で駄目だったら、その次の作戦をまた一緒に考えたい。電話でのお問い合わせでもそれは同じです。スタッフにも患者さんに寄り添ってきめ細かに対応するよう日頃から伝えています。

人と人とのつながりを大切に、きめ細かな医療提供を

クリニックを建設する際にこだわったところはありますか?

和手麗香院長 いずみ脳神経内科5

医療機関って、行きたい場所じゃないと思うんです。ましてや神経内科はどうしても一人ひとりの診察時間が長くなり、予約優先制にしていても待ち時間が生じてしまいます。そこが冷たい雰囲気や過ごしにくい空間だとますます足が向かないので、患者さんにとっても付き添って来てくださるご家族の方にとっても快適な空間になるよう、落ち着ける雰囲気にしました。設計面では、歩行障害のある方も入りやすいバリアフリーに。立ち上がるのに手すりが必要な患者さんのため、また診療の際に歩行障害の度合いを歩いて確認できるようにするため、スペースを広めに取りました。当院には麻痺のある方もいらっしゃるので、トイレにはペーパー用の自動カッターをつけています。

近隣の医療機関との連携体制の構築にも積極的に取り組まれていると聞きました。

地域の脳神経に関わる医師や医療機関のネットワークづくりを進めていて、定期的に連絡を取り合っています。例えばパーキンソン病を診るにしても、訪問診療が必要になったら訪問診療をやっている先生に頼み、他の先生が「外来のリハビリをやってあげたい」という場合は当院に任せていただく。それぞれの医療機関の強みをお互いが認め合って連携する体制を整えています。医師に限らず、ケアマネジャーや訪問看護師とも会合を持ち、いろいろと新しいことを教えてもらっていますね。さまざまな切り口の人脈から得られた情報を、患者さんに還元していきたいんです。地域外の人脈も意識的につくっていて、例えばパーキンソン病関連の研究会など、勉強できる機会があればなるべく参加するようにしています。そこで知り合いが増えると、患者さんが遠方に引っ越されるときにも「そのエリアなら知ってる先生がいるよ」と紹介しやすいですから。

最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

和手麗香院長 いずみ脳神経内科6

患者さん一人ひとりに寄り添ったきめ細かな医療を継続していきたいですね。脳神経内科は何を専門にしているところかわかりにくい部分があるかもしれませんが、ふるえやめまい、頭痛、歩きにくいといった身近にある疾患にどう対処すればいいのかを知ることができる場所だと思います。ですから、困ったことがあれば「一回聞いてみよう」というスタンスで、ぜひ相談にいらしてください。

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