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黒澤 毅文 院長の独自取材記事

小机クリニック

(あきる野市/武蔵五日市駅)

最終更新日:2020/03/30

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JR五日市線の武蔵五日市駅より車で約5分の場所にある「医療法人賢秀会 小机クリニック」は、1989年に小机敏昭先生によって開院された。前院長の志を引き継ぎ、現在院長を務めているのは黒澤毅文(たかふみ)先生。日本循環器学会認定循環器専門医、日本内科学会総合内科専門医、日本超音波医学会認定超音波専門医の資格を有するだけでなく、病理学にも精通し、明るく頼もしい医師だ。幅広い診療科目に1人で対応しながら、地域の公立病院の外来にも週1回勤務、訪問診療も行うというバイタリティーは、大学病院や市中病院に勤務した経験から培われた。患者の些細な訴えも真摯に受け止めるという診療理念を掲げ、骨粗しょう症の啓発運動にも尽力しているという黒澤先生に詳しい話を聞いた。
(取材日2020年2月10日)

診療理念は些細な訴えや症状を見逃さないこと

先生の経歴と開院までの経緯を教えてください。

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日本大学医学部を卒業し、大阪にある国立循環器病研究センター(NCVC)心臓血管内科で研鑽を積みました。NCVCは小児から成人まで多くの心血管疾患および心臓移植を行う施設であり、重症患者の病棟から外来管理までさまざまなことを経験しました。またNCVCでは、脳血管疾患、内分泌・糖尿病や腎臓・高血圧疾患の臨床・研究も行っており、心疾患以外にもあらゆることを学びました。さらにNCVC在籍中に、心臓および血管病理に携わり、「臨床・基礎・研究」を臨床医として経験し、その成果は学会発表や学術論文として発表することができました。その後は母校の大学院へ進学するとともに、救命救急センターおよび循環器内科や関連病院に勤務し、2017年12月に当院の院長に就任しました。開院の理由は、遠縁にあたる前院長の小机敏昭先生が急逝されたからです。約40年分のカルテと先生の志を引き継ぎ、地域医療に貢献すべく尽力しています。

どのような診療理念をお持ちですか?

私の上司の教えとして、「患者さんの訴えには必ず何かある」という目線です。電子カルテだけを見て患者の顔は見ずに、聴診や触診を行わず、何かと言えば加齢やストレスによる症状だと診断する医師は少なくありません。しかし、そもそも症状というのは原因がゼロでは生まれないものだと思っています。専門領域外のことも含めて常に幅広く勉強し続けていれば、患者さんの訴えから必ず見えてくるものがありますし、クリニックで行える検査から、必要な場合は専門の医師に紹介することもできます。ですから患者さん自身の些細な訴えや、乳幼児や高齢者なら家族の情報には常に耳を傾け、細かく分析する力を常に持ち続けたいと思っています。

病理学にも精通していらっしゃるそうですね。

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はい。私の診療理念には、国立循環器病研究センター在籍時に取り組んだ心臓・血管病理学や、その後大学院で行った研究が大きな影響を与えています。病理学は全身を組織を通じて診ることができます。特に大学病院では多くの病理解剖も行い、死体解剖資格も取得しました。臨床医として全力を尽くしても、残念ながら亡くなられた患者さんを自分で解剖し、病気の進行状況や現在の医療では解決できない問題が多くあることに直面しました。また病理解剖させていただいたことで判明する病気もありました。この経験から一つの病気についての診察の仕方がかなり変わりました。患部だけを診ずに全身を診ることの重要性、些細な症状が大きな病気に関わる可能性などを考えると、やはり患者さんのどんな訴えにもきちんと耳を傾けることが大切であると思っています。

あらゆるニーズに対応できる医師として尽力

クリニックでは幅広い診療科目に対応されていますね。

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対応ができる理由は、母校の大学病院救命救急センターや救急外来、そして関連病院の病棟・外来などさまざまなことに携わった経験があるためです。当時の大学病院の上司の方針が「他の科が断っても、困っている人がいれば一旦は循環器内科で話をきいて対応する」というものだったので、受診した患者さんから症状を聞き、診察を行い、その上でさらに専門性の高い診察や検査が必要と判断すれば循環器内科から他科へ紹介するようにしていました。このような習慣が身についているので、出産以外であればほぼ対応するよう努めています。当院では、エックス線や心電図、超音波の検査、血糖値・HbA1c、血算やCRPに関しては即日対応可能です。また休診日である水曜に、私は他院の整形外科、脳外科の病院に勤務しているため、クリニックで対応可能なレベルの整形・脳外科疾患は診察しています。

総合内科とは、どんなときに受診すればよいのでしょうか?

幅広い診療と治療をできるのが総合内科医なのですが、そこには特に線引きはありません。自分では解決できない不安があるときには、どんな症状でも相談するとよいと思います。例えば「胃が痛い」という症状があったとします。その痛みに不安を感じ、悶々と悩んでいるのであれば来院すべきです。その原因が食べ過ぎただけなのか、ピロリ菌なのか、あるいは胃がんなのかということは本人の判断だけではわからないものです。当院の一例としては、まずは薬の処方から始めて、有用でなければ内視鏡検査をしますし、苦しいから嫌だということであれば眠った状態で検査を受けられるような病院に紹介状を書きます。それで何か見つかれば治療すればよいし、何もなければホッとできるわけです。

ニーズの多い治療にはどんなものがありますか?

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風邪やアレルギー疾患に加え慢性疾患、小児疾患です。高血圧、高脂血症、糖尿病、睡眠時無呼吸症候群、呼吸器疾患、アレルギー疾患は特に多い疾患です。私は毎週火曜日の午前に公立阿伎留医療センター循環器内科で勤務しており、当院では冠動脈疾患や心臓外科術後のフォローアップも多いです。また、標準的な治療をもってしても症状が改善されない患者さんのために、漢方処方も行っております。当院には漢方専門の薬剤師が在籍していますので、患者さんの症状に合わせて薬を切り替える対応もしています。

正しい医療につながる道をめざす

骨粗しょう症の啓発運動にも尽力されているそうですね。

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はい。私が開院して以来、骨粗しょう症の患者さんが200人ほど増えました。私はあきる野市の要介護認定審査会の議長を務めているため、書類にすべて目を通しています。そこで高齢者が寝たきりや活動性低下になる原因の多くが、椎体骨折や大腿骨骨折だということが見えてきました。このような事態を防ぐための検査や治療法、家庭環境の調整法、食べ物などの提案を診療の際に話したり、各地域で骨粗しょう症の啓発運動のための講演も行っています。骨折する前なら内科の医師として治療は可能です。当院は注射や内服を中心に加療を行っています。少しでも多くの患者さんが、骨折してから困ることがないように診療していきたいです。

医療と介護の連携や訪問診療への取り組みについてはいかがですか?

この地域には3世代で住んでいる方が多いですが、中には高齢者のみでお住まいの方もいます。幸いにも前院長が「医療・介護地域連携協議会」を起ち上げており、介護士・保健師・地域のソーシャルワーカーの方々と直接、集まって話す機会があります。介護に関わる各専門家と問題を共有することで、医療のみで解決しない問題が起きたときに、相談できるようになっています。1人の医師の力でできることは限られおり、こうした連携はとても重要だと思います。訪問診療に関しては、午前の診療後に対応しています。ターミナルケア、がんのケアはもちろん、在宅に強い思いをお持ちの方でも適切な医療につながるよう、往診を行っています。

読者へのメッセージと今後の展望をお聞かせください。

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病院に行くと「一応検査しましょう」という言葉を耳することがあると思います。しかし本当に患者さんのことを考えるのならば、医師は「念のために検査しましょう」と言うべきだと思います。なぜなら症状を聞いて考え、鑑別するのが医師の仕事であり、そこには責任が伴うからです。当院は「念のために検査する」クリニックです。症状から必要な検査を行い、さらに問題点があれば追加で検査する。問題がなければ別の可能性や想定していた疾患を除外する。それが正しい医療につながる道だと考えています。こうした考えを持った医師と、前述した診療理念を広めていくのが私の次の目標です。そのために今3月に当院を医療法人化し、同じ理念のクリニックをさまざまな地域に開院していきたいと考えています。

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