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今野 一朗 院長の独自取材記事

モーニング歯科

(岡崎市/大門駅)

最終更新日:2021/10/12

今野一朗院長 モーニング歯科 main

ファミリー層や高齢者が多く暮らす岡崎市青木町で、2018年6月に開業した「モーニング歯科」。名鉄バス・青木町停留所の目の前、県道39号足助街道沿いのわかりやすい場所にある。院長の今野一朗先生は、神奈川県出身。福島県の奥羽大学歯学部に進み、最初の就職は愛知県、その後大阪府でも勤務し、岡崎市に根を下ろした。大阪での勤務医時代、日ごろの口腔ケアが不十分な患者の治療が進まない、再発を繰り返すことに悩んでいたという。そうした経験から、予防とメンテナンスの意識を高めることで、患者の利益がより大きくなるようにと、予防歯科に注力し診療を続けている。そんな今野院長に、予防歯科の大切さや、今後のクリニックのめざす姿についてたっぷり語ってもらった。

(取材日2018年7月5日)

予防の大切さについて理解を得てから、治療を始める

印象的なクリニック名ですが、どうしてこの名称にされたのでしょうか。

今野一朗院長 モーニング歯科1

歯学生時代からの友人と僕のアイデアで、「朝のように爽やかな雰囲気で満ちているクリニックにしたい」という理由で提案し、いくつかの候補の中から理事長が選んで決めました。友人は当院が関係する歯科医院で働いており、仕事を手伝ってほしいと僕を誘ってくれた人物で、学生時代は同じフットサルチームに所属していました。そのチーム名が「モーニングフットサル」だったので、ここから取ったんです。患者さんからも評判がいいクリニック名なんですよ。時々、「朝しかやっていないの?」と聞かれたりもしますが、平日は9時から夕方の6時半まで診療しています。開業にあたって、子どもの診療に力を入れたいと考えていて、リラックスできて楽しんで通えるイメージにしたかったので、内外装から名称まで、堅苦しくならないように工夫しました。

開業のいきさつと患者さんの傾向を教えてください。

僕は神奈川県横須賀市の出身で、大学は福島の奥羽大学歯学部を卒業しました。もともと東海地方に関心があり、2010年から7年ほど豊田市の歯科医院で勤務させていただきました。その後大阪でも勤務し、友人に声をかけられて当院も参加している医療法人に入ることにしたのです。そして好きになった愛知県で開業したいと思い、子育てもしやすいということもあって、ここ岡崎市に決めさせていただきました。大阪で働いていた歯科医院はオフィス街にあって働き盛り世代の患者さんが多かったのですが、当院周辺はご高齢の方とファミリー層の方が多いので、お子さまからおじいさんおばあさんまで幅広い年齢の方に来ていただけています。

クリニックでは、どんな治療に力を入れていますか。

今野一朗院長 モーニング歯科2

標榜科目は歯科、小児歯科、歯科口腔外科、矯正歯科ですが、最も力を入れているのは予防歯科です。歯磨きが上手でない患者さんは、治療終了後しばらくするとまた虫歯や歯周病になってしまい、長引く傾向が強いんですね。歯磨きを面倒くさがる患者さんに踏み込んだ指導をするのは難しく、今までは、根本的な原因はわかっていたのに、見ないふりをしていました。結果として患者さんの利益を損なうことになるのではと悩んでいたのですが、2年ほど前から僕自身が姿勢を転換し、予防の重要性を理解していただいてから治療を始める方針にしました。ブラッシング指導は治療終了時にする歯科医院が多いと思いますが、当院では最初に実施し、それから治療に入ります。

子どもには前歯を使ってガブリと食べられる物がお勧め

治療のために工夫していることはありますか。

今野一朗院長 モーニング歯科3

最初に、口腔内の写真とレントゲン写真を撮影し、タブレットモニターを使って説明します。歯の状態の説明にも、ブラッシング指導の際にも、モニターで見てもらうとわかりやすいようで好評です。磨き残しチェックのために、歯垢に色がつく薬を使って患者さん自身に画像で確認していただき、汚れている割合を数字でお伝えします。あらかじめ、磨き残しの目立つ患者さんの方が圧倒的に多いことをお伝えするのですが、ショックを受けてしまう患者さんもいますね。この汚れを全体の30%以下までもっていくことができれば、虫歯や歯周病は発生しづらくなります。そこまで指導ができてから、治療を開始するという方針です。

予防歯科では、食生活の指導もしていると伺いました。

子どもに対しては食育、大人には啓発を意識しています。最近はやわらかい食べ物が増えているので、噛む動作の少ない人が世代にかかわらず増えているんです。指導内容は、子どもと大人では違います。子どもの場合、噛むことで顎の成長が促されますので、前歯を使ってガブリと食べられるもの、例えば夏だとスイカやトウモロコシなどを積極的に食べるように勧めています。顎が成長しないと永久歯の生えるスペースが足りなくなって、歯並びが悪くなってしまうんです。大人の場合、成長段階は終わっているので、口腔内の管理を徹底するように指導しています。間食をしてもいいのですが、朝起きてからと寝る前には必ず歯磨きをするように、などですね。日中、どうしても歯磨きをする時間のない方には、キシリトールガムをお勧めしています。唾液の性質が変わって歯に汚れがつきにくくなるんですよ。

噛み合わせ治療やホワイトニングも虫歯予防に役立つそうですね。

今野一朗院長 モーニング歯科4

「噛み合わせに問題がある方の80%は虫歯や歯周病になっている、なったことがある」といわれています。歯ぎしりや食いしばりが強いと、自分の噛む力で歯に小さなひびが入ってしまうんです。そこから菌が入ったり、食べかすが残ってしまったりすることから、問題が起こります。特定の歯だけ虫歯や歯周病を繰り返すタイプの方は、そこだけ過剰な力がかかっている可能性があるので、噛み合わせの治療を併せて行うのが効果的といえるでしょう。また、ホワイトニングをしている方は、自分の歯を見る機会が増えるので、日々の歯ブラシやメンテナンスをしっかりやってくれるようになります。ホワイトニングを通じて、歯の健康に対する意識が高くなり、結果として虫歯予防ができているということですね。

予防を極め歯科医師のいらない歯科医院にするのが目標

治療の際にはどんなことを心がけていますか。

今野一朗院長 モーニング歯科5

怖くない治療をすることですね。子どもの場合、まず治療に慣れさせることが大切と考えていて、雰囲気だけで怖がらないようになってから治療を開始します。まず椅子が倒れるだけでも怖がってしまうお子さんもいらっしゃるので、椅子を倒して口を開けることから慣れて、痛くない治療をして信頼関係をつくりながら進めていきます。大人の場合、歯科治療に恐怖心がある方は、処置中の痛みだけでなく麻酔の注射が痛いと思い込んでいる方も多いです。当院では針圧が少なく針が細い注射器を使い、薬も体温くらいに温めているので、いつ麻酔をしたのかわからないと言っていただけることもあります。

今後の展望を教えてください。

痛くない、怖くない治療とは何かといえば、究極的には予防を徹底することです。死ぬまで自分の歯で食べられる、そのために一番重要なタイミングは子どもの頃、永久歯が生える段階です。遅くともその頃から予防歯科にかかり、定期的なメンテナンスを続けていけば、一生自分の歯で食べられる、虫歯のない人生を送るという目標が近づきます。これこそが予防歯科の理想なんです。歯が悪くなってから通院するのではなく、美容院に通うように、きれいになれる場として定期的に気軽に通っていただいて、健康な歯を維持していく。そんな患者さんが増えていって、最終的には僕の治療が必要のないクリニックにしていきたいですね。

読者へメッセージをお願いします。

今野一朗院長 モーニング歯科6

食べ物は口から入るものなので、「口の中が汚れていたら、食べ物も汚れて体の中に入る」ということを意識してもらいたいです。虫歯そのもので死ぬことはほとんどないかもしれませんが、口から病原菌が入ることは忘れないでほしいですし、口の中に関心をもっていただきたいですね。歯周病と糖尿病や脳梗塞、心筋梗塞の強い関連は知られてきていますし、口の中が清潔であればさまざまな疾患を避けられて、健康でいられる時間が長くなります。子どものいる方に特に意識してほしいのは、「口腔内の細菌は親から子に移りやすい」ということです。口移しにしなくても、同じ食器を使うこともあるでしょうから、子どものことを考えればこそ、親が自分の口の中をきれいにする習慣をつける必要があります。虫歯や歯周病の予防は親子や夫婦で、できるだけ早いうちから始めていただきたいです。

※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

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