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大城 征 院長の独自取材記事

やえせ子どもクリニック

(島尻郡八重瀬町)

最終更新日:2022/03/09

大城征院長 やえせ子どもクリニック main

白とオーシャンブルーのコントラストが美しい、爽やかな内装が印象的な「やえせ子どもクリニック」。待合室など至る所に、ユニークなデザインのイラストやフィギュアなどが並べられており、不安を抱え来院する患者たちの心を和ませてくれる。「特に病気ではないんだけど、当院に遊びに来たいっておっしゃるお子さんも多いんですよ」とほほ笑むのは、糸満市出身の大城征院長。日本アレルギー学会アレルギー専門医の資格を持つ、アレルギー診療のエキスパートだ。子どもが大好きで、真に子どものためになる医療を貫く大城院長に、小児科医を志した理由や、診療への熱い想いについて詳しく聞いた。

(取材日2022年2月9日)

親や医師の安心のためではなく、子どものための医療を

八重瀬町で開業されたのは、なぜですか?

大城征院長 やえせ子どもクリニック1

もともとは、故郷の糸満市で開業するつもりだったのですが、いろいろとリサーチする中で、八重瀬町エリアに小児科が求められていることを知ったんです。この地域に住む知り合いにも話を聞くと、近くの内科や耳鼻科を受診したり、隣町の小児科まで通ったりしているという声もあったので、地域のニーズに応えようと、この地を選びました。実際に来られる患者さんも地域の方が大半ですが、私がアレルギー専門医の資格を持っていることもあり、喘息やアトピー性皮膚炎などの患者さんが遠方から来られるケースもありますよ。

診療において、どんなことを心がけてらっしゃいますか?

小児医療のプロとして、正しい情報提供に努めていくということですね。今は、インターネットでさまざまな情報が手に入る時代。その分、自分が見聞きした情報をそのままうのみにされてしまう方も多いようです。例えば、ステロイド剤についても、副作用が気になりだすと、そのことばかりを調べてしまい、怖い面のみが頭に残ってしまう。そういった方々に、きちんとエビデンスのある、正しい知識を提供することが重要だと考えています。なぜなら、小児科に患者さんとして訪れる幼いお子さんたちに、正確な判断を求めるのは難しいからです。つまり、親御さんが正しい知識を得られなければ、子どもたちは正しい医療を受けられません。だからこそ、専門性の高いかかりつけ医が必要になってくるのだと思います。疑問があれば、何でも気軽に聞いていただきたいですね。

薬の処方にも細心の注意を払っていらっしゃるとか。

大城征院長 やえせ子どもクリニック2

はい。「親の安心、医師の安心のためではなく、子どもの病気を治すためにあるのが医療」というのが私の診療方針です。親御さんが安心するから薬を出す、医師の自己満足のために処方するというのは間違いで、肝心なのは子どものために適切な処置を、必要な処方をすることだと。例えば、抗生剤や咳止めなども本当に必要でない限り処方しません。特に咳などは痰や微生物など、体にとって異物への防御反応ですので、止めることで逆に症状が悪化したり、長引くこともあるからです。私も子を持つ親ですから、「咳で苦しむわが子を見ていられない」とおっしゃる気持ちも痛いほどわかります。ただ、お子さんの将来を考えた場合、そのようなご提案をするのもプロとしての役目だと考えています。中には、小さいお子さんに対して呼吸が止まるほど強い咳止めを使用されている場合も。そうしたときは見て見ぬふりはできません。必ず専門家としての考えを進言します。

幼少期の多くの病気体験が、小児科医を志す原動力に

アレルギー疾患の定期診療にも対応されていますね。

大城征院長 やえせ子どもクリニック3

はい。喘息やアトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患は、一度診察しただけで良くなるものではありません。長期的に診て差し上げるのは、地域のかかりつけ医をめざすクリニックとしては当たり前のことと思っています。もちろん良くなってくれば一度中断し、また症状が気になり出してからの受診をお勧めしています。よく思うのですが、これまでの医療は「一度診療したら、それで終わり」というケースも多かったのではないでしょうか。特に慢性的な病気であるアレルギー疾患に関しては、これまでの経過を踏まえた診察と、患者さんそれぞれに合わせた治療が大切です。最後まで責任を持って診療していきたいですね。

ところで、先生はなぜ医師を志されたのですか?

私自身、幼い頃に病弱だったことが大きいですね。喘息や食物アレルギー、腎炎、紫斑病、虫垂炎とさまざまな病気に悩まされてきた中で、同じように苦しむ子どもたちを救いたいという想いが自然と芽生えたんです。今も、子どもの患者さんが喘息でぜいぜいしているのを見ると、シンパシーで息が苦しくなることがあります。医師という職業を意識し始めたのは、虫垂炎で倒れた時。実家の近所に開業医の先生がいたのですが、わざわざ家まで診察に来てくださったんです。その善意にふれた時から、医師に憧れるようになりました。また成長していくにつれ、これまで「良い」とされてきたことに疑問を持つようになったんです。例えば、喘息がある子にマラソンや乾布摩擦を強いる、アレルギーがあるのに無理やり食べさせる。こうした何げなく行われてきた習慣が本当に正しいものなのか問い直し、エビデンスのある医療を広めたいと考えたのも理由の一つです。

なるほど、小児科になられたのも自然な流れといえますね。

大城征院長 やえせ子どもクリニック4

そうですね。ただ実は、医学の道をめざし始めてからは、ずっと外科志望だったんですよ。意識が変わったのは大学6年生の頃。実習で、ある小児科のクリニックを訪れたのですが、院内がきらきらとしていて、他の診療科とは違う活発な雰囲気を感じたんです。そこでふと思い出したのは、自分が医師に憧れ始めた頃の原点。幼い頃にお世話になった、地元の病院やクリニックに対する恩返しの気持ちだったんです。その時はもう卒業の目前でしたが、迷わず小児科志望に切り替えましたね。その後、那覇市立病院や琉球大学医学部附属病院で、小児科の医師として勤務しながら、開業医として必要な技術を磨いていきました。特に大学病院では、クリニックや中規模病院では診ることの少ない、重症の方や難しい症例の方を診る機会も多かったですね。

知識を深め、2世代、3世代と頼られるクリニックへ

患者さんとの接遇で、心がけていることはどんなことですか?

大城征院長 やえせ子どもクリニック5

やはり病院やクリニックを、怖い所と思ってほしくないというのがありますね。確かに注射を打たれれば痛いし、検査をされるのは苦しいものです。でも、それは病気を治すためにしていることですので、病院やクリニック自体に恐怖を感じることがないよう、院内を明るい雰囲気にしたり、頑張ったらシールをあげたりと工夫しています。ただ、そのお子さんにとって本当に必要な診察や検査と判断すれば、もし泣きわめいたとしても、決して手を緩めず納得いくまで診察するようにしています。逆に診察が不要な状況であれば、パフォーマンス的な診察はしませんし、熱もなく何も痛がっていないのに無理に喉を診るようなことは控えています。

現状の課題や、今後の展望についても教えてください。

多くの方にご来院いただいている反面、お一人お一人にかける時間が短くなってしまうこともあるのが現状です。どうしても診察時間が足りない場合、一度中断し、後で別の時間を設けることもあります。1日に診られる人数はどうしても限られますが、医師として来院をお断りするのは何より心が痛みますので、できるかぎり診て差し上げたいですね。また、患者さんにご自宅での対処方法をお伝えしていけるのは、地域のかかりつけ医ならではだと考えています。夕方から発熱されるお子さんも多いので、「こういう状況なら一晩様子を見て翌朝の受診で大丈夫ですよ」といったアドバイスができれば、診療時間外でも安心していただけると思います。

最後に、読者へのメッセージをいただけますか?

大城征院長 やえせ子どもクリニック6

今来院している子どもたちが、やがて大人になり、さらにそのお子さんが当院を受診される日が来るかもしれません。このように、小児科の診療というのは世代を超えて続いていくものです。ですので、地域のかかりつけ医として2世代、3世代と安心して頼っていただけるクリニックをめざしていきたいですね。そのためには、私自身も専門的な知識を常にアップデートしていくことが重要だと考えています。また、インターネットに情報があふれる現代においては、親御さんも迷われることが多いと思います。実際に、肌のかゆみや皮膚の炎症をアレルギー疾患と気づいていない方も多いようです。私も正しい情報をご提供できるよう日々努めていますので、不安なことがあれば気軽にご相談ください。

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