吉田 強 院長の独自取材記事
よしだ歯科六本松クリニック
(福岡市中央区/六本松駅)
最終更新日:2025/04/10

六本松駅からすぐの複合施設内にある「よしだ歯科六本松クリニック」は、「10年後良かったと思ってもらえる治療」をめざす歯科クリニックだ。主訴だけではなくトラブルを根本から改善するため診断に注力。歯科用CTをはじめとした先進機器を導入し、患部だけではなく顎関節や噛み合わせなどを総合的に見た治療に取り組んでいる。また歯科用顕微鏡のマイクロスコープを使った精密な根管治療を行うほか、定期的なメンテナンスのための予防室を設け口腔機能の維持にも努めている。インプラント治療といった自費診療も機能面から積極的に提案するという吉田強院長は「後悔しないよう若いうちから歯科に通ってほしい」と強調。今回のインタビューでは、そんな吉田院長にこれまでのキャリアやクリニックの特徴についてたっぷりと語ってもらった。
(取材日2025年3月22日)
10年後を見据えた治療ができるクリニックに
先生は3代にわたる歯科医師家系だと伺いました。

そうなんですよ。祖父の代からの歯科医師家系です。父と兄も歯科医師ですし、親戚にも歯科医師が多くて、子どもの頃からなんとなく「将来は歯科医師になるんだろうな」と思っていました。出身は山口県で大学は大阪大学歯学部を卒業し、同附属病院の第一補綴科(現・口腔補綴科)で学び、神戸の一般歯科で20年以上勤務しました。そんな中、兄がひと足先に福岡の西新で「よしだけん歯科クリニック」を開業しました。私自身は福岡に縁があったわけではありませんが、当院がある複合施設ができるタイミングで、「クリニックの分院を出さないか」と誘いを受けて開業することにしました。2018年10月に開業し、今年で7周年を迎えます。
こちらのクリニックではどのような診療をめざしているのでしょうか?
虫歯や歯周病が起きる原因は清掃の仕方だけではなく、骨格や噛み合わせ、生活習慣などさまざまな問題が絡み合っています。どこに原因があるのかを突き止め、お口を1つの単位として10年後を見据えた治療ができるように心がけています。例えば虫歯の治療をしたとしても、基本的に“治る”ことはありません。欠損した部分を人工的な材料で修復しているに過ぎず、元に戻すことはできないのです。だからこそ元の材質に近いもので、元の形に近づけていくことが大切です。とはいえ、どれだけきれいに治療できたとしても根本的な原因が解決していなければ、壊れてしまった環境に戻ってしまいます。ですから口腔環境を悪化させてしまった原因を取り除いていく必要があると考えています。
先進機器をそろえるなど、こだわりの詰まったクリニックですね。

口腔トラブルを起こした原因を突き止めるためには、さまざまな検査が必要になりますからね。クリニックではセファロ(頭部エックス線規格写真)や歯科用CTを導入していますし、根管治療や歯の微細なひびを調べるために歯科用顕微鏡のマイクロスコープを採用しています。クリニックの内装に関しては待ち時間をリラックスして過ごしていただけるよう、落ち着いたデザインにしているほか、完全個室の診療室、ブラッシングをはじめ予防のための指導を行う予防室を設けています。モニターも準備して、エックス線写真や口腔内写真などを映し出し視覚的な説明ができるように環境を整備しています。
インプラント治療や審美歯科にも幅広く対応
副都心の六本松エリアですが、どんな患者さんが多いのでしょうか?

ボリュームゾーンは50代から70代の方ですが、パパママ世代やお子さんとさまざまな世代が来てくださいますよ。主訴としては虫歯や歯周病が中心で、中には欠損があってインプラント治療を受けたい、噛み合わせを整えたいという相談もあります。デンタルIQも高いエリアなので、メンテナンスのために通う方も多い印象です。小児歯科にも対応していて、当院では急速拡大装置を用いた矯正治療を行っていることもあり、不正咬合の相談が多いです。急速拡大装置とは骨格の成長を促して上顎を拡大し、歯が並ぶスペースをつくるもの。将来の歯並びや噛み合わせの改善が期待できます。不正咬合の原因は、幼児期の発育不足によって起こるもの。成長を助けるために12歳くらいまでに休息拡大装置での治療を行うことにより、健康な発育を促し、不正咬合を防ぎます。
インプラント治療にも力を入れていると伺いました。
ブリッジや入れ歯といった欠損治療と比べ、ほかの歯に負担をかけないという観点からインプラント治療を提案することは多いですね。天然歯のような噛み心地が期待できますし、清掃性を考慮して設計すればメンテナンス性も優れています。歯周病で骨が薄くなっている場合でも骨造成を施すことで、インプラント治療を受けられる可能性は高まります。治療においてはサージカルガイドを使って安全性に配慮し、かつ侵襲が少なくなるように心がけていますが、骨造成と同時にインプラントを埋入することはありません。しっかりと骨ができたことを確認してから手術を行うため、少し時間はかかってしまいますが、それも長持ちさせるためには必要な期間だと思っています。
審美面だけではなく機能面からもセラミック治療をお勧めされていますね。

セラミックによる補綴治療は、白い材料ということで金属の補綴物よりも見た目に優れていることは皆さんもご理解いただいているところだと思います。実はそれ以外にも金属と比べて歯周組織への不適合性が少なく、炎症が起きにくいという特徴があるんですよ。セラミックには汚れがつきにくく、清掃性に優れているというのも大きなメリットといえるでしょう。ですから単に見た目が良くなるという以上に、歯を長持ちさせて機能を保つことが期待できるという点からもセラミックによる治療をお勧めしています。
トラブルがなくても若いうちから受診を
指導専用の診療室を設けられていますが、メンテナンスにも注力されているのでしょうか?

基本的には治療が終わってからも3ヵ月に1度はメンテナンスのために受診いただくようお願いしています。とくにたくさん治療を受けている人は、それだけ口腔環境にリスクがあるということ。トラブルを起こさない、早めに発見して治療するためにも変化を追っていくことが欠かせません。もちろん、ご自身の歯磨きなどセルフケアをチェックしてもらうという意味からも、定期的に受診したほうが良いでしょう。一方、ほとんど歯の治療をしたことがないという場合でも、トラブルの未然防止のためにメンテナンスに通うようにしてください。ご来院いただいた際には通院のモチベーションが下がらないよう、丁寧に指導するよう心がけています。
患者さんと向き合う際には、どのようなことを心がけていますか?
まずは痛みがないように最善を尽くしています。痛みがあるのは誰でも嫌ですからね。また治療においてはきちんと噛めることが一番大事だと思っているので、保険診療、自費診療にかかわらず機能が長持ちするような治療を提案しています。やはり根本からのトラブル解決をめざしていますから、患者さんとのコミュニケーションは大切にしています。患者さんが納得できるまで説明するようにしていますし、生活習慣などもヒアリングしなければなりませんからね。患者さんの中には寝相などの癖が痛みの原因となっているケースもありますから、適切な治療やアドバイスを行うためにも、患者さんの話を聞くことは大事な仕事だと思っています。
最後に読者へのメッセージをお願いします。

治療後も10年後、20年後に通院してて良かったと思ってもらえるクリニックになれるとうれしいですね。歯の悩みは高齢になってから後悔することが多いものですから、トラブルがなくても若いうちから定期的に歯科医院に通う習慣をつけておきましょう。お口の中の不具合についてはなんでも診察しますので、まずは気軽にご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とは小児矯正/44万円~、インプラント治療/38万5000円~、骨造成/5万5000円~、セラミックの詰め物/3万3000円~、セラミックのかぶせ物/7万7000円~