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浅野 勉 院長の独自取材記事

のりたけキッズベビークリニック

(岐阜市/名鉄岐阜駅)

最終更新日:2025/01/30

浅野勉院長 のりたけキッズベビークリニック main

開業して約3年、かわいらしいれんが貼りの円筒の外観が印象的な「のりたけキッズベビークリニック」。子どもたちが親しみやすいようやわらかなイメージを大切にしたと語るのは、院長の浅野勉先生だ。浅野院長は総合病院に長く勤務、NICU(新生児集中治療室)の部長を務めた経験もあり、重症な乳幼児も多く診てきた。その経験を生かし、0歳児から小学生までをメインに、些細な症状でも軽んじることなく、一通り気をつけて、丁寧に診察することをモットーとしている。自身も2児の父だという浅野院長。「お子さんが笑顔になり、お母さんの表情が明るくなるのを見るのはうれしい」と小児科の医師ならではの喜びも語ってくれた。

(取材日2018年6月27日)

新生児医療に携わった経験を生かし、0歳児も診療

先生のご経歴や開業の経緯について教えてください。

浅野勉院長 のりたけキッズベビークリニック1

私は岐阜市の隣、大垣市の出身で、岐阜大学に進み、同大医学部附属病院小児科、県立岐阜病院(現・岐阜県総合医療センター)のNICU、また大学の異動で滋賀県の病院にも勤務し、経験を積みました。大学時代からお世話になった先生方もおられる岐阜市で開業しようと考えたとき、市内には小児科クリニックはすでにたくさんあるという指摘も受けたのですが、この周辺をよく調べてみると、大ベテランの先生のクリニックは複数あるものの、ちょうど乳幼児の親御さん世代の開業医はいないような状態でした。実際それから間もなく閉院されたクリニックもあり、親御さんからは「ここが新しくできて良かった」とのお声をいただきました。

外観も院内も丸く優しい雰囲気ですね。どんな患者が来られていますか?

設計の際、外観をはじめ待合室の天井や受付カウンター、椅子などは丸く優しい感じを出すようにしてもらいました。玄関部分のれんが張りは設計士さんの提案ですが、やって良かったなと思います。患者さんは市内はもちろん、本巣市、瑞穂市、山県市などからもいらっしゃいます。私は大学病院や総合病院で長らく新生児医療に携わってきましたので、院名に「キッズ」だけでなく「ベビー」の文字も入れており、そのため1歳以下の患者さんの割合は他の小児科クリニックさんに比べて高いのではないかと思います。一方で近所の小学生が1人で来たりもしていますよ。

こちらでは小児科、新生児内科に加え、アレルギー科も標榜されていますね。

浅野勉院長 のりたけキッズベビークリニック2

これまでの研鑽をもとに、標榜科目を決めていった形です。私は日本小児科学会小児科専門医であるとともに、大学院でアレルギーの研究、臨床に携わり、日本アレルギー学会アレルギー専門医でもありますので。アレルギーのお子さんも、乳児や3歳以下のお子さんの割合が高いですね。それぞれのお子さんの年齢や症状に合わせた治療を行っています。食物経口負荷試験を行うほか、舌下免疫療法も、以前は12歳からだったのが5歳からできるようになりましたので、当院でも始めています。そうした検査は、アナフィラキシーなどリスクが高いと思われるお子さんについては総合病院に紹介しています。

子どもの笑顔や親の明るい表情を見ることが喜び

先生は、なぜ医師をめざされたのでしょうか?

浅野勉院長 のりたけキッズベビークリニック3

高校生の時に、社会に貢献でき、人の役に立つような仕事がしたいと考えました。弁護士か医師かで悩みましたが、当時テレビで医師が主人公のドラマが人気で大好きでしたので医師を選びました(笑)。それと、私は子どもの頃にけがをして手術をしたことがあるのですが、実はその時の後遺症が今も少しだけ残っているのです。日常生活にも仕事にもまったく支障はないのですが、このことは、患者さんの不利益になることは絶対にしない、「きれいに治った、行って良かった」と思われる医師になろうという私の強い思いにつながりました。医師の「腕」にばらつきがあるのは事実かもしれません。その中で平均以上の医師をめざそう、と心の中で決めたのです。

小児科を専門に選んだのはなぜですか?

よく「子ども好きですか?」と聞かれるのですが、特にそうでもなく、普通です(笑)。内科だと、今は総合内科もありますが、当時は消化器内科や呼吸器内科など専門に分かれていましたので、全身を診られる小児科にやりがいを感じました。病院のNICUには低体重や先天性の病気を持った新生児たちがたくさんいます。病棟には小児がんの子もいますし、手を尽くしても亡くなる子もいます。若い頃は、もっと何かできたのではないかと落ち込み涙することもありました。それでも一般疾患の子たちも診ていたので、笑顔でスキップしながら帰っていく姿や成長していく姿、親御さんの表情が明るくなっていくのを見ることはとてもうれしく、楽しくもありました。開業したいと思ったのも、そんな姿をもっと見たかったから。今は小児科を選んで本当に良かったと思っています。

日々子どもの患者に接する中で心がけておられるのはどんなことですか?

浅野勉院長 のりたけキッズベビークリニック4

まず絶対怒らないことですね。ただ、感情を抑えて声が震えていることはあるかもしれません(笑)。子どもの具合が悪いとき、赤ちゃんはもちろん話せませんし、親御さんも自分の体ではないので、病状を正確に説明するのはなかなか難しいと思います。内科と違うのはそこですね。痛いと言われるところを触診すると何でもなく、別のところが痛かったということもあります。ですから、じっくり丁寧にお話を聞き、慎重に診療を始めるようにしています。また、親御さんのお話をなるべくさえぎらないようにも気をつけています。後で話し足りなかったと感じられることのないよう十分に話していただきます。中には深いお悩みもあり、今もたまに、目がうるうるすることがあるのですが、スタッフにはばれていないと思います(笑)。

心配があれば気軽に相談を。親身になってアドバイスも

こちらでは、予防接種もしっかり行われているそうですね。

浅野勉院長 のりたけキッズベビークリニック5

予防接種は生後2ヵ月から始まります。当院では週4回、午後2時半から4時半までを予防接種や健診の時間として確保しており、多くの方が来られていると自負しています。120分と時間に余裕を持っていますので、「体重が増えない」「出べそなんです」などのお悩みにも答えていますね。ちなみに、「出べそ」というのは、医学的には臍(さい)ヘルニアといって皮下に腸が出てくることを言うのですが、治るのが成長してからですと、皮膚が余って一般的に言う「出べそ」になります。皮膚が伸びる前ですときれいになるように治療することもできるので、一見大したことがないようでお母さんが気にされていない場合でもアドバイスするようにしています。

ほかにも、親が知っておいたほうがいいことはありますか?

数年前に、乳児期のスキンケアがその後の食物アレルギーの発症のリスクを低下させるという研究が発表されました。皮膚がかさかさしているとバリア機能が低下し、部屋に漂うハウスダストに料理で使う卵や小麦の粉が混じってそれが皮膚の表面から中に入り、血中の細胞と結びついてアレルギー発症の原因となってしまうことがあります。それを防ぐためにスキンケアをして肌をきれいに保つことが重要だという研究なのです。私は産院へ健診に行っていますので出産後のお母さん方にもそうしたお話をしていますが、新しい情報をご存じない方も多いです。特に初めてのお子さんはいろいろ不安で、今は核家族化が進んでいることもあり気軽に相談できる人が身近にいないかもしれません。心配なことがあれば1人で悩まず、まずいらしていただければと思います。スタッフも子育て経験者が多く、頼りになります。

開業してからの3年を振り返り、今後についてもお聞かせください。

浅野勉院長 のりたけキッズベビークリニック6

月並みですが、地域にある一診療所としてどなたにも来ていただけるような、「困ったらあそこに行けば大丈夫」と思われる存在でありたいですね。開業したての頃、当院がベビーの専門だということで、遠方から生後1ヵ月に満たない赤ちゃんの症状を心配して連れて来られた方がいました。それをきっかけに、その親御さんは今もたまに遠方から予防接種で来てくださいます。これからもそのように勤務医時代に培った経験を生かし、一人ひとり丁寧な診察を行っていきたいですね。先にお話ししたアレルギーの予防など、乳児のうちからできることも積極的に行っていきたいと思います。

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