中村 好成 理事長の独自取材記事
なかむら整形外科クリニック
(都城市/都城駅)
最終更新日:2026/01/21
2017年、都城市平江町に開業した「なかむら整形外科クリニック」。理事長の中村好成(なかむら・よしなり)先生は大学卒業後、福岡大学整形外科で研鑽を積み、オーストラリアや北海道で人工関節置換術と骨切り術を経験。股関節、膝関節治療のエキスパートとして都城市の地域医療を支えている。同院のモットーは「地域に密着した優しい治療」。どの動作でいつ痛むのかを丁寧に聞き取り、オープンMRIなど先進機器を活用しながら原因に迫る診断体制を整えている。手術が必要な場合は、提携病院で中村理事長自ら執刀し、術後のフォローまで伴走する。小学生のスポーツ外傷から高齢者の変性疾患まで、幅広い世代の患者の健康を担う。中村理事長に、地域医療への思いを聞いた。
(取材日2025年10月25日)
聴いて、診て、寄り添い、生きる力、歩く力を支える
医師を志した原点と経歴、開業に至るまでの経緯を教えてください。

小学5年生の頃に読んだ天才外科医を主人公とする漫画が医師を志したきっかけです。「医療の力で人の人生を支える」その衝撃が忘れられず福岡大学医学部へ進みました。卒業後は同大学整形外科に入局し、その後さまざまな現場で人工関節置換術や骨切り術を経験してきました。とりわけ北海道の病院では、数多くの人工関節手術に携わり、術前評価からリハビリテーションまで、数えきれない程の患者さんを診てきました。整形外科の中でも股関節を専門にしたのは、入局時に師事した教授が股関節治療のスペシャリストで、多大な影響を受けたからです。患者さんが、術後立ち上がる姿を見た時に「この分野で生きていこう」と決めました。2017年に地元に開業し、股関節をはじめ、肩凝り、スポーツ障害、腰椎椎間板ヘルニア、変形性関節症など運動器全般の疾病に対して診療を行っています。生まれ育った町で通いやすく相談しやすいクリニックをめざしています。
痛みに寄り添い「聞く」ことから始まる診療、どのような気持ちで患者さんと向き合っていますか?
診療の基本は、コミュニケーションと「聞くこと」だと考えています。どんな時に痛むのか、どの動作がつらいのか、何を一番改善したいのかを丁寧に聞き、痛みの背景を探ります。検査機器が充実しているので、撮影した画像をお見せしたり、模型を活用したりとわかりやすい説明を心がけています。また、生活スタイルや考え方によって治療への捉え方も人それぞれです。投薬治療を希望する方もいれば、リハビリで根本改善をめざす方もいます。注射が苦手なら無理強いはしません。一方的に提示をするのではなく、お一人お一人の希望を尊重しながら一緒に決めることが重要と考えています。ただし手術が適切と判断した時は、必要性・メリット・リスクを具体的に説明し、恐怖心が和らぐまで対話します。目先の痛みをなくすために注力するのではなく、中長期的なご提案をすることが大切だと思っています。
どのような患者さんが多いのでしょうか?

当院には、子どもから高齢者まで幅広い年代の方が来院されますが、中でも多いのは、膝や腰、股関節の痛みでお悩みの中高年から高齢の方です。日常生活に支障が出始めたタイミングで相談に来られます。また、骨粗しょう症に伴う痛みや、転倒によるケガのご相談も増えています。一方で、スポーツを頑張る小中高校生の来院も多く、成長期特有のケガや痛みにも対応しています。「大会に出たい」「できるだけ続けたい」という気持ちにも寄り添いながら、無理をさせない治療と再発予防を大切にしています。季節の変わり目には痛みが強くなる方もいらっしゃいますね。いずれの患者さんにも共通するのですが、痛みは我慢せずに、なるべく早めに来院していただければと思っています。
大学病院と同レベルの地域医療を
理事長が特に力を入れられている治療を教えてください。

当院が特に力を入れているのは、私の専門でもある股関節や膝関節の治療、特に人工関節置換術や骨切り術などの手術による関節再建分野です。加齢や負担によって軟骨がすり減ると、痛みや可動域の制限が生じ、生活の質が大きく低下します。まずは鎮痛薬の使用や関節内注射、理学療法士によるリハビリを行い、できる限りご自身の関節を長く保てるようサポートします。それでも改善が難しい場合には、年齢やライフスタイルを考慮しながら手術を検討します。筋肉の剥離や切り離しを伴わない低侵襲の術式を取り入れ、傷口を小さく、かつ術後の痛みが極力少なくなるように心がけています。
クリニックの強みを教えてください。
当院の強みは、地域のクリニックでありながら大学病院と同等の医療を受けられるような体制を整えていることです。院内には、透視機能つきのデジタルエックス線検査装置、DXA式の骨密度測定装置、超音波エコー検査機、神経伝導検査機、そしてオープンMRIを導入し、初診で痛みの原因を突き止められるように検査体制を整えています。透視下での検査を通して精密な神経根ブロック注射を行うことができますし、オープンMRIは閉所が苦手な方でも安心して受けられ、撮影後すぐに結果を説明できるのも大きな特徴です。また、手術が必要な場合には、提携先の飯田病院に入院していただき私が執刀いたします。入院から手術、リハビリ、定期的なエックス線検査、血液検査の結果の確認まで、一貫して私が対応しています。退院後は再び当院でリハビリや経過観察を行っていただくことで、主治医が変わることなく安心して治療を続けていただけるよう努めています。
これまでで印象に残っている患者さんのエピソードはありますか?

勤務医時代に出会った、ある高齢の患者さんのことを折にふれて思い出します。人工関節の手術後に転倒をしてしまい、骨折し何回か手術が必要になったのです。治療は決して順調な道のりではありませんでしたが、その都度方針を話し合いながら丁寧に経過を追い、リハビリも焦らず継続していただきました。整形外科は動きを取り戻すための領域です。患者さんの生活が再び動き出すために努力する姿に立ち会えることが、この仕事のやりがいだと改めて感じた出来事でした。
地域の健康を守り、寄り添い続ける医療が目標
休日の過ごし方や、理事長の健康観を教えてください。

休みの日は、家族と過ごす時間を大切にしています。平日はなかなかゆっくり話す時間が取れないため、日曜日はできるだけ仕事のことを忘れ、家族と食事をしたり出かけたりしてリフレッシュしています。以前は趣味のゴルフも楽しんでいましたが、新型コロナウイルス感染症の流行をきっかけに控えるようになり、自宅でできる軽い筋力トレーニングを週に2~3回ほど続けています。また、食事管理をしながら体重を一定に保つことも意識しています。健康維持のためには、無理をせず「継続できることを続ける」ことが大切です。膝や腰への負担を減らすためにも、適度な運動と体重管理は欠かせません。患者さんにも「急に動かない」「冷やさない」「少しずつ体を慣らす」ことを伝えています。健康は日々の小さな積み重ねから生まれるものだと実感しています。
今後の目標を教えてください。
目標は、地方でありながらも大学病院と同じようなレベルの診断・治療を受けられる体制をさらに充実させること。そして、診療から画像検査、保存療法までは当院で完結し、手術が必要な場合には提携病院と連携することで、術後の経過観察やリハビリまですべてを責任を持って行うこと。この2本柱を今後も磨いていきたいと考えています。すべての患者さんに、100%満足して帰っていただくことが理想です。地域の皆さんが長く自分の足で歩き続けられるよう、これからも寄り添いながら支えていきたいと思います。
最後に読者へのメッセージをお願いします。

痛みが1週間以上続く、同じ動作で毎回痛む、夜間痛みが出る。これらは体からの「医療機関の受診のサイン」です。また、スポーツに励むお子さんの痛みも成長痛と決めつけず、超音波検査やMRI検査で状態を確認することが大切です。自己判断で放置したり、民間療法を続けて悪化させたりする前に、早めの受診をお勧めします。最近は、動画共有サイトなどから得た知識で、自己流のストレッチをして状態が悪化してしまう方も散見します。痛みの出方は人それぞれですので、同じ痛みでも原因はまるで違うことがほとんどです。まずは気軽に相談していただければと思います。

