田中 宏幸 院長の独自取材記事
ヒロデンタルクリニック
(西宮市/西宮北口駅)
最終更新日:2023/07/19

阪急今津線の西宮北口駅から南へ徒歩3分。東西に走る幹線道路沿いに「ヒロデンタルクリニック」が2017年8月にリニューアルオープン。「地域で中心的役割を果たし、あそこに行けば大丈夫というクリニックにしたい」と田中宏幸院長は話す。この思いを実現するため、同院では「総合的な歯科診療」を取り入れているのだそう。また、子育て世代の女性はどうしても家事、育児を優先しがちでクリニックへの足が遠のきやすい点を考慮して、院内にキッズスペースの設置や、保育士による託児サービスを実施するなど、患者に寄り添った医療を提供している。多くの患者に配慮した医療を提供している田中院長に、クリニックの医療方針や今後の歯科治療への思いを聞いた。
(取材日2019年1月16日/情報更新日2023年7月13日)
2017年移転。思いを新たに地域貢献をめざす
クリニックを移転された経緯をお聞かせください。

開院したのは2002年、場所は西宮市内の愛宕山エリアです。開院前は大阪医科大学口腔外科学教室で研修医、その後神戸で勤務医をしていました。西宮で開院したのは、先輩や知り合いの歯科技工士さんたちがいたからです。ただ、開院当初のクリニックは最寄り駅から遠く、通院に少しばかりご負担をかけてしまっていましたので、多くの方に気軽にご来院いただけるよう、西宮北口駅に近いこの場所に移転しました。患者さんは地元の方が多く、年齢層は3歳ぐらいから明治生まれの方もいます。ホームページを見て敷居が高そうなクリニックと思う方が多いようですが、地域の皆さんのためのクリニックでありたいと思っていますので、気軽にご来院いただければうれしいですね。
診療方針について教えてください。
歯科というのは、一般的な虫歯や歯周病の治療から、矯正、審美歯科、インプラント治療まで、内容が多岐にわたります。ですが、これらの治療にすべて対応できる歯科医師はまだ多くはないのではと思います。当院では、さまざまな歯科治療技術を組み合わせて治療を提供できるようにしています。大半の患者さんは、口の中のどこか悪いところだけを治すために来院しますが、診察では主訴以外にも今後悪くなりそうな箇所を発見することがあります。それらを含めて患者さんのお口の中全体の状態を説明し、どの方法でどこまで治療するかを選んでいただくことができるのです。そういったことも含めて、当院では「総合的な歯科診療」といっています。
お子さんの治療で気をつけていることはありますか?

歯医者に通いなれていないとどうしても緊張や警戒心を抱きやすいですよね。そのため、最初は簡単な診療から始めてクリニックに慣れてもらい、良い印象を持っていただくようにしています。子どもの時から喜んで来てくれるようになれば、大人になっても引き続き受診してもらえますしね。お子さんに来院するときの楽しみを持ってもらえるように、キッズルームを設置して、カプセルトイも置きました。また出産後で歯にトラブルがあるお母さんたちにも来院してほしいという思いから、保育士による無料の託児サービスも始めています。子育てをされているお母さん方に治療の提供だけでなく、子育て等でお疲れの体を少しでも休ませられる環境を提供して差し上げたいという想いからです。もちろん、お父さんやおじいちゃん、おばあちゃんなどのご家族皆さんが、気兼ねなく通えるクリニックでありたいなと思います。
さまざまな歯科医療技術を積極的に学んだ勤務医時代
歯科医師をめざされたきっかけや、さまざまな治療ができるようになった経緯をお聞かせください。

医師をしている父と兄に歯科医師になるよう勧められたことと、手先が器用で機械の分解や組み立てが好きだったからでしょうか。大学の歯学部に進みましたが入れ歯を学んだ時、脱着する必要性がある入れ歯は何となく不自由さを感じました。その矢先、アメリカの口腔外科を見学する機会を得て、まだ日本では一般に知られていなかったインプラント治療やがん患者向けの顔面補綴治療などを見て、その技術の高さに驚いたのを今でも覚えています。大学卒業後、大学の口腔外科に入ることができ、口腔がんなどの口腔外科疾患を学び、また矯正治療で知られている先生から技術を教わることもできました。そのほかにも多くの場所でインプラント治療や矯正治療などを学ぶことができました。
勤務医時代のエピソードは?
市立枚方市民病院(現・市立ひらかた病院)に出向していた時、当時の部長が昔気質の先生でとても厳しかったのですが、毎日、多くの初診患者の診断をつけるのをそばで見ることができました。自分の考えと先生の出される診断や治療計画を比べることができたのはとても貴重な経験だったと思います。そんな中で、患者さんがいろいろな症状を抱えていても、クリニックによっては、専門外となるために対応ができないことがあることに気づき、そのような患者さんにもできる限りの治療を提供して差し上げたい、少しでも患者さんの役に立ちたいという思いが日に日に大きくなり、地元の歯科関係者の人たちのお役に立ちたいという思いも重なり、開院を決意しました。
2002年に開院、2017年に移転されました。診療面で何か変化はありましたか?

移転を機に改めて、自分が受けたいと思う治療や、自分だったらこうしてほしいと思えるような治療を今まで以上に心がけようと思いました。当然、新しい土地ですので初めてお会いする患者さんもたくさんいらっしゃいます。その方々に「ヒロデンタルクリニックと一緒に歯を大切にしたい」と思っていただけるよう、その患者さんに適した資料などを作成し、ご自身の歯のことを十分にご理解いただけるよう、丁寧な説明を心がけております。治療する道具は機械でも、それを操るのは人になります。人と接する温かさや安心感をいつまでも忘れずに、これからも一生懸命に患者さんのお力になれればと思います。
今後の歯科医師不足に備え後進の育成指導に尽力
医療機器だけでなく、スマートフォンによる決済など新しい取り組みもどんどん行っていますね。

はい。ただ、新しいものは好きなんですが、治療においては日本全国の中で特に新しいものを積極的に導入しているわけではありません。その理由は、本当に患者さんにとって良いものかどうかを見極める時間が必要だからです。また、取り組みとしては後進の育成等にも注力し、歯科業界全体を少しでも良くしたいという想いから、歯科技術を学ぶ場所を提供したいと考えるようになりました。そのため、セミナールームを当院では設けております。私が歯科医師をめざしていた頃、歯科技術やクリニックの運営などを学ぶ場が少なく苦労しましたので、当院のスタッフに限らず、要望があれば外部の方にもお貸ししています。このような取り組みが少しでも歯科業界全体のレベルアップにつながり、最終的により良い治療を患者さん還元できるような風土が醸成されることを願っております。
今後、力を入れていきたいことを教えてください。
今後も、地域の皆さんのためのクリニックでありたいという気持ちは変わりません。そのため、私と同じ志をもって地域の歯科医療を支えてくれる仲間と一緒に10年、20年と先を見据えた医療をもって、地域の皆さんを支えていきたいですね。このエリアは人が多いのですが、クリニックの数は世間が思っているほど多くはないと思っています。将来、世代交代が進めば、歯科医師の数が減ってくると思います。地方においてはその問題はより深刻になりますね。そのためにも、スタッフたちには新しい知識や技術をどんどん学んでもらいたいと思っています。たくさんの知識を学んでほしい事はもちろんですが、やはり大切にしたいのは「人と人」とのつながりだと思います。医療技術が発達する一方で、人と接する温かみをいつまでも忘れないようにしたいと思います。
読者へのメッセージをお願いします。

毎日歯を磨くことと、定期検診や定期ケアを受けていただきたいと思います。歯の治療の大半は、「歯を削ること」です。削ることをお喜びになる方はそうはいないと思います。ですので当院では、口の中の菌をカメラで直接見てもらい、虫歯のリスクなどの説明にも力を入れております。また、電動歯ブラシの貸し出しも始めました。ブラシ部分はご自身でご購入いただく必要がありますが、ぜひ一度レンタルをして使い心地を試してみてください。このように少しでも歯のことや、クリニックのこと、ご自身の歯に対する興味を持っていただき、いつまでも皆さまの歯の健康を支えることができる歯科医師として、これからも頑張りたいと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とは歯列矯正/85万円~(マルチブラケット装置による全顎矯正)、インプラント治療/30万円(1本 ※処置費用別途10万円)、審美歯科/オールセラミッククラウン/10万円~