長谷川 徹 院長の独自取材記事
はせがわ歯科医院
(東大阪市/若江岩田駅)
最終更新日:2025/10/15
近鉄奈良線・若江岩田駅の南側に延びる、岩田本通商店街。暮らしに密着したにぎわいを見せる街並みの中に真新しい「はせがわ歯科医院」が見える。「お子さんからご高齢の方まで、幅広い年代の患者さんに来ていただける場所だと思いました」と語るのは、院長の長谷川徹先生。公立病院や大学付属病院、インプラントに強みを持つクリニックまで、さまざまな環境で研鑽を積んだ上で、かねてからの希望であった地域医療に携わりたいと開業を決めた。「口も体の一部」であり、全身との関わりを重視した診療を行うと同時に、予防を最も大事にしたいと語る長谷川院長。「インプラントや審美歯科のセラミック治療は、今ある歯を守るための優れた選択肢でもあると考えています」という言葉の意味や診療方針について、話を聞いた。
(取材日2018年7月4日)
地域密着型の歯科診療をめざして開院
今年開院されたとのことで、院内も外観もきれいですね。

どの年代の方にもゆったりと過ごしていただけるように、院内は落ち着きのある色合いを使い、通路やトイレは広めにレイアウトしました。「歯」の字をモチーフにしたクリニックの看板は、私がデザインしたんですよ。診察室には診察ユニットを3台置き、それぞれはパーティションで仕切られています。ユニットの向かい側の壁には大きめのディスプレイを設置し、検査画像や治療法を説明する動画を放映するなど、説明ツールとして活用しています。診療機器の滅菌は、日本国内ではまだ導入している医院が少ないクラスBというヨーロッパの基準を満たす滅菌装置を採用しました。小さな器具でも袋に入れて滅菌します。コストはかかりますが、衛生面を最優先しています。
なぜ、歯科医師を志したのですか。ご開業までの歩みをお聞かせください。
私の父が歯科医師で、父から仕事の話を折々に聞くうちに、人から感謝してもらえる歯科医師という仕事に惹かれるようになりました。実際に仕事をしている今も、歯科医師になって良かったと思っています。感謝していただけることはもちろん、治療の過程で徐々に治っていく様子を目の当たりにできることは、日々のやりがいにもつながります。また、歯科医師は幅広い年代の患者さんと関わることができます。私は大学卒業後、高齢者の診療を学ぼうと京丹後市にある久美浜病院で卒後臨床研修を受けました。高齢者では高血圧や糖尿病などの全身疾患を患っている方が多く、全身的な管理を意識しながら歯科診療を行う大事さを実感しました。現在も、治療を始める前には、患者さんに他の病気で服用している薬がないか確認しています。
患者層はいかがですか? また、初めて受診した時の、治療の流れを教えてください。

開業から1ヵ月ほどたちましたが、今はご近所にお住まいの、30~50代の方と子どもの患者さんが多いですね。大人は「歯科医院はちょっとご無沙汰だったけれど、新しい歯科医院ができたから、一度詳しく診てもらおう」という方が中心です。痛みや詰め物が取れたなど、緊急の処置があればそれを行った上で、写真やエックス線検査を行い患者さんの現在のお口の中を総合的にお見せして、治療が必要なところや治療方法をご提案します。知らないうちに、虫歯や歯周病が進んでいる方もいらっしゃいますよ。お子さんは、学校の検診で異常が見つかって受診される方が多いですね。治療の開始時、そしてすべての治療が終わったときにはカプセルトイができるようになっていて、通院のモチベーションにしてもらっています。
インプラントやセラミックには予防的なメリットも
先生が注力されている治療について教えてください。

何よりも、「予防」に力を入れたいと考えています。そして、特にご高齢の方では、今ある歯を大事に使っていくにはどうしたら良いかを考え、予防の一環として、インプラントやセラミックの詰め物のような審美面に配慮した治療も、積極的にご提案しています。もちろん入れ歯の治療も多数経験していますので、なるべく多くの治療方法をご提案できるように心がけています。それから、予防に関しては歯科衛生士が3人いますので、治療に合わせてブラッシングや予防方法、食事や飲み物についての指導を、時間をかけて行うようにします。お子さんにはフッ素の塗布もしていますよ。
予防のためのインプラントや審美面に配慮した治療とは、どういうことでしょうか。
審美面に配慮した治療で使われることの多いセラミックの詰め物は、見た目を重視した治療のように聞こえ、「興味がない」と思う患者さんもいらっしゃいます。しかし、歯の予防の観点でも、さまざまなメリットがあるのです。例えば、セラミックの詰め物は歯に接着しやすいので、後に詰め物の下で虫歯が起こりにくくなります。汚れもつきにくいので、歯茎と接した部分で使えば磨き残しも少なくなり、プラークなどが原因となって起こる歯周病にもなりにくい。また、インプラントは、単独で義歯を支えるので、周囲の歯にダメージを与えにくいですし、ずれたり動いたりしにくく、食べやすさにつながります。インプラントやセラミックは自由診療ですので、費用はかかりますが、長い目でみれば歯や歯茎、さらに全身の健康にもメリットがあります。当院では、健康を長期的に維持していくため、残っている歯を守るためのインプラントや審美歯科に取り組んでいます。
大学附属病院やインプラントを扱うクリニックでも勤務されたそうですね。

京都府立医科大学の附属病院では、歯科ではなく医科の麻酔科で勤務して、手術での全身麻酔などさまざまな全身疾患を学ぶことができました。またICUでは、ベッドから起き上がれない重症患者さんの口腔ケアをしました。今でこそ、口腔ケアと全身疾患との関係が話題になりますが、当時からその重要性を実感できたのは良い経験でした。さらに、いずれは開業して地域医療に携わりたいと思っていたので、インプラント診療など高度な医療を提供しているクリニックで勤務しました。インプラントの技術とともに、子どもから高齢者まで、地域に密着した診療を身につけることができたと思います。
患者の気持ちに寄り添いつつ予防の大切さを伝える
患者さんと接する際には、どのようなことを大事にしていますか。

大人、子ども、男性、女性と患者さんはそれぞれ異なりますので、お一人お一人の気持ちに寄り添いながら診療を進めたいと考えています。例えば、歯科診療は口の中のことで、ご本人からは見えずどうしてもわかりにくい。ですから、ユニットで説明するときにはモニターに画像を映し出し、目で見て理解してもらえるように心がけています。また、説明の際には私も患者さんの横に並んで座り、同じ目線の高さでお話しするようにしています。小さなお子さんが治療を怖がるようであれば、無理強いはせず、少しずつ時間をかけて院内やスタッフに慣れてもらいます。私にも子どもがいますので、お子さんの気持ち、親御さんの気持ち、両方を考えながら治療を進めるようにしています。
お忙しいと思いますが、休日はどのように過ごされていますか。
そうですね、子どもたちと遊ぶことが多いと思います。学生時代はクラブ活動でスキーをしていたので、冬場はスキーに行くこともありますよ。また、最近になってゴルフも再開したところです。それから、休日というわけではないのですが、同世代の先生方や歯科技工士さんたちとの勉強会を行うこともあります。職種を超えて、関係者がみんなでお口の中にアプローチしていくことが大事だと考えています。なので、必要があれば歯科技工士さん、患者さん、私の3人でお話しすることもありますよ。
最後に、今後の展望と患者さんへのアドバイスをお願いします。

地域の皆さんに、予防の大切さをお伝えしていきたいと考えています。また、訪問診療も経験していますのでいずれは取り組みたいですね。実は、訪問診療も歯科予防の1つの方法です。通院が難しい高齢者では、症状がかなり進んでから訪問診療を利用されることが多いのですが、「もう少し早く呼んでもらえれば良かったな」と思っていました。予防の段階で関わることができれば、処置も比較的容易ですし、費用負担も軽く済みます。そして何よりも、口の中が健康で栄養がきちんと取れれば、全身の病気予防にもつながります。初期の虫歯や歯周病は若い方でも自覚しにくいものですから、通院できる方も、ぜひ自覚症状がない時期から、歯科医院で歯のメンテナンスを受けてほしいと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント埋入/28万6000円~、オールセラミックス/12万6500円~

