平野 直樹 院長の独自取材記事
晴海3丁目クリニック
(中央区/勝どき駅)
最終更新日:2023/03/22

2018年の開院から、急速な街の変化とともに歩んできた「晴海3丁目クリニック」。「病院と変わらないレベルの内視鏡検査ができるクリニック」をめざし、できるだけ苦痛が少ない内視鏡検査を数多く実施してきた。「これだけの検査ができるのは、スタッフのおかげです」と話す平野直樹院長は、日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医として経験を積んだ、内視鏡検査のスペシャリスト。ハイレベルな医療の提供に努める一方、穏やかな人柄で患者がリラックスできるような心遣いも欠かさない。そんな平野院長に、開院から5年を迎えた現在の心境や今後の展望、内視鏡検査について話を聞いた。
(取材日2023年2月6日)
内視鏡を専門に、消化器内科の医師として経験を積む
2023年で開院5周年を迎えられました。開院当初から変わったことを教えてください。

当初は一般内科に特化していましたが、現在は内視鏡での検査・治療を中心に行っています。この地域には一般内科の診療を行うクリニックがほかにもありますので、当院は私の専門である内視鏡に特化することにしたのです。今では、川崎や武蔵小杉など遠方から訪れる患者さんも多いですね。また、世間では「内視鏡検査の予約が2ヵ月待ち」と言われる方もいらっしゃる中、このような予約待ちの状態を解消したいと思い、2023年7月に武蔵小杉に分院を開設することにしました。一方、この晴海地区の環境も5年間でめまぐるしく変化しましたね。2021年開催の東京オリンピックの選手村ができましたし、新しい道路も造られました。今後も商業施設の建設が予定されていて、この辺りの人口が2万人ほど増えるのではないかともいわれています。そうしたこともあり、さらに多くの患者さんを診ていけるよう、晴海5丁目にも分院を開設予定です。
医師になられたきっかけと開業するまでの経緯をお聞かせください。
実家が内科の開業医で、子どもの頃から将来は医師になるものだと自然と考えていました。内科を学ぶ一方で、手術もしていきたいという思いもありましたので、そこから消化器内科に進み、内視鏡の技術も磨いていこうと考えたのです。大学卒業後は東邦大学医療センター大森病院第一内科に入局し、国立国際医療研究センターの消化器科で経験を積み、知識を深めるために改めて大学院へも進みました。愛知県がんセンターで研究をして博士号を取得後は再び東邦大学医療センター大森病院に戻り、その後出向で⻁の門病院消化器科、そして昭和大学江東豊洲病院消化器センターへ行き、内視鏡手術を中心に経験し、2018年に開業した流れです。
これまでの経験を生かして開業されたのですね。

そうですね。出向先では、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)といって、早期の胃がん、大腸がん、食道がんの内視鏡手術をメインに研鑽を積みました。こうした経験を生かし、当院ではがんを早期発見するためのきめ細かな検査を行っています。そして、まだ小さいものであればクリニックで処置することも可能ですし、入院が必要な場合は近隣にある連携先の病院をご紹介することも可能です。この場所で開院した理由は、晴海にはまだクリニックが少なく、より充実した医療の必要性を感じたからです。実は自宅が豊洲にあり、もう10年ほど住んでいるんですよ。また、周辺には昭和大学江東豊洲病院、国立がん研究センター、がん研有明病院、聖路加国際病院など、大きな病院がたくさんあります。そういった病院と連携が取りやすいことも、この場所で開業した理由の一つですね。
痛みが少ない内視鏡検査で、病気の早期発見をめざす
内視鏡検査を求めて多くの患者さんが来院されるそうですね。

2022年の9月は457件の内視鏡検査を行いました。現在、毎月多くの内視鏡検査を実施し、土日にも検査に対応していますので、平日に仕事を休めない働き盛りの方も受診されています。また、女性の患者さんも多いです。女性は内視鏡検査に対して「恥ずかしい」と思われる方も多いようですが、恥ずかしさを理由に検査を受けず、病気の発見が遅れるのは患者さんにとって良いことではありません。そこで、当院では月に数回、女性の医師が内視鏡検査を担当しています。一方、若い世代の方では、胃、腸、消化管外のアニサキス症で受診される方が多いですね。そのため、胃内視鏡によるアニサキスの除去にも尽力しています。
内視鏡検査はどういった人が受けるべきでしょうか。
「胃が痛い」など、現在症状が出ている方はもちろん、健康診断で便潜血等の異常があった方は必ず受けてください。そのほか、ご家族に胃がん、大腸がんの方がいらっしゃれば一度検査したほうが良いです。胃がんは食生活が関係するので、同じ食生活をされているご家族が罹患している場合、ご自身も胃がんになる可能性が考えられます。また、大腸がんは遺伝することがあるので、何も症状がなくても検査しておくと安心でしょう。胃がんも大腸がんも早期段階では自覚症状がほぼないので、検査が重要になります。そのため、当院では一般診療で受診された患者さんでも、そうした疑いがないか診るようにしています。
貴院の内視鏡検査について詳しく教えてください。

当院で対応しているのは、胃内視鏡検査、大腸内視鏡検査です。健康診断・検診は、一般健康診断・企業検診、中央区健康診断、胃がんリスク検診を行っています。もし大腸内視鏡検査によってポリープが見つかり、がん化する可能性があると判断すれば、ポリペクトミー(内視鏡的ポリープ切除術)を行います。小さいものであれば日帰りによる手術も可能ですよ。入院が必要な手術をする患者さんには、専門の病院をご紹介しています。
痛みが少ない内視鏡検査をめざしているそうですね。
極力痛みがないように、また、患者さんの生活に合った検査ができるよう努めています。特に大腸の内視鏡検査では、患者さんが痛みを感じてしまうことも少なくありません。私は大腸内視鏡検査やポリープ治療の経験を生かして、鎮痛剤と鎮静剤を患者さんに合わせて適切に使用し、痛みや苦痛を和らげるよう工夫しています。胃よりも大腸の内視鏡検査のほうがハードルが高いというイメージをお持ちの方は多いと思いますが、当院の検査であれば「大腸のほうが楽だった」と、きっと仰っていただけるのではないでしょうか。また、食事をされていなければ当日に検査をすることもできます。
適切な診療を安心して受けられる内視鏡クリニックへ
普段の診療ではどのようなことを大切にされていますか?

患者さんがリラックスして話しやすい雰囲気を大切にしています。考えてみれば普段からそれほど感情を出しすぎないようにしているのかもしれません。病院にいた頃もほかのスタッフを急かしたり、怒ったりするようなことは滅多にありませんでした。チームとして働いていますので、張り詰め過ぎてしまうと良い治療もできなくなってしまいます。それにそういった雰囲気は、患者さんにも伝わってしまいますからね。また、患者さんに検査や治療について説明する際は、内視鏡の画像をお見せしながらお話ししています。治療について記載したレポートをお渡ししますので、患者さんは帰宅後にクリニックで受けた説明を振り返ることもできます。
お忙しいとは思いますが、お休みの日はどのように過ごされているのですか?
土日も診察しているのでなかなか自分の時間が取れていないですね(笑)。ただ、そんな中でも夜11時にやっているテニススクールに参加して、リフレッシュするようにしています。もし休みを取ることができれば、子どもが2人いますので家族と過ごしたり、子どもたちと一緒にテニスをしたりすることもありますね。
最後に読者へメッセージをお願いします。

内視鏡検査は、大きな病院では待ち時間が長いなど、検査に行くのも大変な負担になることがあるでしょう。しかし、大きな病気になってからでは遅いですし、安心して毎日を過ごすためにも一度検査を受けておくというのは必要なことです。ただ検査して終わりではなく、患者さんにも今の状態を理解していただいて、安心してもらうことが大切なのだと思います。苦痛が少なく、適切な診断をして、検査によって病気が見つかった場合には迅速に治療が受けられるよう尽力していきたいですね。早いうちに内視鏡検査をしていれば、病気が見つかったとしても早期の治療が期待できます。苦痛が少ない内視鏡検査を行い、患者さんが病気で命を落とさないようサポートする。それが私の使命と考えています。
自由診療費用の目安
自由診療とは胃内視鏡検査/2万円、大腸内視鏡検査/3万円