有病者や妊娠中でも気軽に相談を
安心して通えるための工夫
みはし歯科クリニック
(調布市/調布駅)
最終更新日:2025/07/09


- 保険診療
糖尿病や高血圧といった全身疾患があったり、骨粗しょう症や心筋梗塞などで薬を服用していると、歯科治療を受けたくても断られることが多い。なぜなら治療に伴う出血や体への負担を懸念されてしまうからだ。また妊婦も同じく、麻酔や検査の影響を過度に心配されがちで、本人が望んでも歯科治療を受けられないことがあるという。「みはし歯科クリニック」の三橋憲司院長は、このような現状を踏まえた上で、有病者や妊婦を広く受け入れている。治療やメンテナンスの内容自体は一般歯科とほぼ変わらないが、モニターによる血圧や心拍数の確認、抗菌剤の使用など、安全性にも十分に配慮。スタッフたちもモニター画面や患者の様子に目を配る。今回は三橋院長に、有病者や妊婦への歯科治療についてさまざまな角度から話を聞いた。
(取材日2025年6月18日)
目次
有病者でも妊婦でも安心して通えるための工夫とは。血圧や心拍数の確認、抗菌剤の使用など、安全性にも配慮
- Q主にどのような方が有病者歯科の対象となるのでしょうか?
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A
▲安全性に十分に配慮しながら治療に対応していると話す三橋院長
糖尿病や高血圧など全身疾患のある方、骨粗しょう症やがんの治療中、また過去に脳梗塞や心筋梗塞を患って今も血液をサラサラにするための薬を服用中の方などが「有病者歯科」の対象となります。“歯科恐怖症ではなくお一人で通院も可能だけれど、治療に際して何かしらの注意が必要な方”ということですね。これらに該当する方は多いのですが、歯科医院に行きたいと思っても、受診を断られることが多いのが現状です。それぞれに多少のリスクはありますが、「わかっているのならば事前にご本人に説明して、私たちもしっかりと準備を整えればよい」と当院では考えており、有病者の方の治療もお受けしています。
- Qなぜ有病者の口腔ケアを重要されているのですか?
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A
▲患者に寄り添ったわかりやすい説明を心がけている
できてしまった虫歯を治療することももちろんですが、それ以上に「治療を必要としないお口づくり」が大切だからです。大がかりな治療が必要なくなれば、メンテナンスとセルフケアだけでお口を良い状態に保つことが期待できます。さらに言えば、例えば糖尿病と歯周病には関連性がありますし、歯周病も心筋梗塞も微小血管に関係する病気。口腔環境を整えて歯周病を防ぐことが、全身の状態にも影響するのです。今は健康だと思っている方も、いつご病気になり薬が必要になるかもわかりません。健康な方、病気のある方、どなたにとっても定期的な歯のメンテナンスは大切です。
- Qこちらでは妊娠中でも受診可能だそうですね。
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A
▲コミュニケーションを大切に、相談しやすい環境づくりに注力
はい。妊娠は病気ではありませんが、妊婦さんも有病者の方々と同じく「歯科治療を断られることが多い」という問題を抱えています。ですが出産後は赤ちゃんの世話で忙しく、歯科治療を受ける時間などとりにくくなることでしょう。ただでさえ妊娠中は体調が不安定で治療を受けられる時期が限られてしまうのに、妊娠中も出産後も虫歯治療を受けられないとなると、お口の中が大変なことになってしまいます。妊婦さんへの麻酔や検査に過度な不安を感じて治療をお断りするよりも、体調を確認しながらしっかりと治療する。その先も考えると、そのほうが妊婦さんにとってプラスになるかと思います。
- Q内容は通常の歯科治療と変わりますか?
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A
▲身体への負担に配慮しながら一人ひとりに合わせた診療を提供
治療やメンテナンスの内容自体は変わりませんし、保険の適用に関しても一般歯科と同様です。常用薬がある場合には普段どおりの服用で問題ありません。それに加えて有病の方の治療時は、治療前に抗菌剤を飲んでいただいたり、モニターで血圧や心拍数を確認しながら行います。必ず体調を確認して、優れないようなら治療を延期することもありますね。これは妊婦さんも同様です。もし治療後に気分が悪くなられたら少し休息をとってもらい、万が一の時のために病院との連携体制も整えています。
- Q院内の連携体制についても教えてください。
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A
▲スタッフも含め、患者の不安を払拭できるようなサポートを
モニターの接続やチェック、点滴が必要な場合にはその準備など、スタッフが念入りに整えてくれるおかげで患者さんに安全性にも配慮した治療を提供できています。妊婦さんですとユニットの角度が心配かもしれませんが、それもスタッフが圧迫感のないよう調整しますのでご安心ください。私が治療に専念している間は、スタッフがモニターや患者さんの状態を確認します。麻酔後の患者さんのご気分や体調など、細かい部分まで目を配っていますね。また特に初診の患者さんが有病だったり妊娠されている場合、その内容を受付スタッフが聞き取った上で「お薬手帳」の持参をご案内します。
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マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。