市川 勝 院長の独自取材記事
いちかわデンタルオフィス
(文京区/新大塚駅)
最終更新日:2024/05/15
東京メトロ丸ノ内線の新大塚駅から春日通り沿いを歩いて程なくすると、おしゃれな歯のマークが目印の「いちかわデンタルオフィス」が目に留まる。東京医科歯科大学歯学部附属病院で精密根管治療の腕を磨いてきた市川勝院長が、この地に開院して7年。市川先生は、精密根管治療を専門としているが、地域のニーズに合わせ、患者一人ひとりのライフステージに寄り添った治療を幅広く提供している。昨年末に子どもが産まれ、市川先生自身の考え方にも変化があったという。どのような歯科医院でありたいかや、専門とする精密根管治療について、また、患者に接する際に心がけていることなどをたっぷりと聞かせてもらった。
(取材日2024年1月30日/更新日2024年5月10日)
長期的視点で患者のライフステージに応じた治療を提供
開院からまもなく7年がたちますが、今の率直なお気持ちを聞かせてください。
私が精密根管治療を専門にしているので、初めは根管治療を希望して来院される患者さんが多いのかなと思っていたのですが、歯周病治療や補綴治療など、さまざまな治療が求められています。患者さんの層としては、30〜50代を中心に幅広い年代の方が来院されます。地域のニーズを考えますと、それぞれの方のライフステージに応じた治療をしていくことに需要を感じています。精密根管治療をメインにしつつも、地域のかかりつけ歯科と思ってもらえる治療を提供できればと思っています。一方、インターネットで調べ、遠方から精密根管治療を希望して来院してくださる方もいらっしゃいます。
市川先生ご自身の近況に変化があったと伺いました。
昨年12月に子どもが産まれました。それにより、妊婦さんの妊娠中の苦労や育児の大変さを身をもって知りましたね。小さいお子さんがいると、予定を合わせて歯科医院に来ることが容易ではないことがとても理解できます。ただ、妊娠するとホルモンバランスが変化するため歯周病になりやすく、食生活も不安定になるので虫歯のリスクも高くなります。出産されて、育児中の方が再び歯科医院へ通えるような状況になったら、ぜひ診察させていただきたいと思うようになりました。その際はお子さん連れだと思いますので、お子さんの歯磨き指導や歯の発育の確認もさせていただきたいですね。当院の近くには保育所もありますので、そういった地域の需要もあるのではないかと思います。
妊婦さんや子育て中の方に限らず、忙しい方に対して配慮されていることはありますか?
保険適用の根管治療の場合、使用する器具や材料、1回の治療にかけられる時間に制限があるため、数回にわたって通わなければなりません。当院の根管治療では、保険適用外になりますが、1回の治療時間を1時間半くらい確保し、通う回数を減らすことができるようにしています。また、当院は詰め物やかぶせ物を歯科技工士へ依頼することなく自動で作れるシステムを設置しているため、最短1日で詰め物やかぶせ物の治療を完了できます。あくまでも患者さんのご要望をきちんと伺った上ではありますが、そのような対応が可能です。
適切な治療環境で安全性に配慮した精密根管治療を
保険適用と保険適用外の根管治療の違いについて具体的に教えてください。
根管治療とは歯の内部にある神経の炎症や根の周囲の炎症を除去し、きれいにするための治療です。深い虫歯の治療で神経に達する場合や歯をぶつけて炎症が起きた場合、過去に根管治療を行った所が再び炎症を起こした場合などに根管治療が必要になります。先程述べたように、保険適用でもできますが、治療時間や使用できる器具や材料に限りがあります。当院では、まず患者さんのお悩みやご要望をきちんと伺い、エックス線撮影や必要に応じてCTを用いて適切な診断を行います。その上で最も良いと思われる治療計画をご提案します。治療にはマイクロスコープという歯科用顕微鏡を使用。また、根の腫れの原因は主に口腔内の細菌感染によって起こるため、治療する歯の周囲をラバーダムというゴムで覆い、治療中に感染の原因となる唾液が根管内に侵入しないようにします。それにより精密な治療になるよう努めています。
市川先生はどのように精密根管治療の腕を磨いてこられたのですか。
歯科治療の中でも根管治療は難しい部類に入りますし、治療がうまくいかなかった場合、再治療になることも多いです。治療方針や判断を誤ると患者さんに迷惑をかけることになりかねないので、大学病院の口腔外科や街の歯科医院で数年間勤務した後、改めて精密根管治療を専門的に学び直そうと思い立ち、東京医科歯科大学の歯学部付属病院に医局員として戻りました。診察をしながら、精密根管治療についてしっかり学べた自負があります。その後、勤務医として数年勤務し、精密根管治療を専門とした歯科医院として当院を開院しました。
患者さんと接するときに心がけていることをお聞かせください。
患者さんのライフスタイルやどこまでの治療を望んでいるのかを初診の際にしっかり聞かせていただき、継続的に来院できるかなどを判断して治療計画をご提案するようにしています。歯科医師が一方的に治療計画を決めても、患者さんのペースに合っていなければ途中で通院が途絶えてしまいかねないので、無理に進めることはしません。ただでさえ、歯の治療を不安に思われている方が多いですし、過去の経験などから歯科医院に不信感を持ったまま来院されている方もいらっしゃいます。それぞれの患者さんごとに、気になっていることやご要望を丁寧にきちんと伺って、治療計画の提案やメンテナンスケアをするように心がけています。
歯と向き合っていきたい患者に真摯に応える歯科医院に
仕事と育児の日々の中で気分転換はどのようにされていますか?
定期的に水泳やランニングをしています。以前は年に数回トライアスロンの大会に出場していました。かつては体を動かすのが嫌いだったのですが、勤務医をしていた頃に同僚の歯科医師に勧められて一緒に体を動かすようになったら楽しくなってしまって。心身ともにスッキリしてストレス解消になりますし、体を動かすとカロリーを消費しますので好きなものを気にせず食べられますし、やらない理由がないですね。子どもが産まれてからは、子どもの世話や家事で慌ただしくしていますが、休みの日には時間を見つけて体を動かしに行っています。
市川先生が望む歯科医院はどのような歯科医院でしょうか。
口腔内の環境は年齢とともに変わっていきます。悪くなったからその部分だけ治療するといった一時的な治療の繰り返しはお勧めしません。長期的な視点で継続的にメンテナンスケアをしながら、その時々の患者さんのライフスタイルに応じて治療介入をさせていただくといった「管理型歯科医院」というのが望ましいのではないかと思っています。当院は、精密根管治療を専門にしていますが、幅広い治療に対応していますので、歯にお悩みがあるときはいつでも頼っていただけたらうれしいです。
最後に、読者の方へメッセージをお願いします。
歯の治療やメンテナンスを歯科医院で定期的に行っていても、普段何もしなければ口腔内の状態は悪くなっていきますので、日頃の歯磨きや食事の仕方はとても大切です。高い健康観を持って予防歯科の意識を高めてもらえたらと思います。歯は一度削ったら二度と再生されません。歯科医院は歯が悪くなったときに行く所ではなく、長期的視点で定期的に通う所と考えていただけたらうれしいですね。きちんとご自身の歯と向き合っていきたい方に当院は真摯に全力で応えさえていただきます。
自由診療費用の目安
自由診療とは根管治療/12万~17万円程度