亀田 和利 院長の独自取材記事
福住整形外科クリニック
(札幌市豊平区/福住駅)
最終更新日:2021/10/12
福住駅直結のショッピングセンター6階にある「福住整形外科クリニック」は、膝痛、腰痛、肩こり、外傷、骨粗しょう症など整形外科診療に幅広く対応。理学療法士や柔道整復師も在籍し、リハビリテーションにも力を入れる同院には、遠方から来院する患者も多いという。理事長兼院長を務める亀田和利先生は、膝の病気の治療を得意とし、低侵襲の人工膝関節置換術などの分野で研鑽を積んだ経験豊富なドクターだ。「病気を治療することはもちろん、患者さんに満足してもらうことを大切にしています」と穏やかに語る亀田院長。そのために、患者の話をよく聞き、親身に寄り添うよう心がけている。気さくで親しみやすい亀田院長に、得意とする治療や診療の際の心がけ、医師をめざしたきっかけなど幅広く聞いた。
(取材日2021年6月3日)
膝の病気の治療をメインに、整形外科全般に幅広く対応
開業にあたり、なぜこの場所を選ばれたのですか?
アクセスの良さに魅力を感じたからです。ここは地下鉄の福住駅や福住バスターミナルに直結するショッピングセンターの6階。立体駐車場も一定時間無料でご利用いただけます。ここなら、買い物がてら気軽に通っていただけるのではないかと考えたのです。2016年の開業当初は近隣にお住まいの患者さんが多かったのですが、クチコミで来院される方が増え、今では豊平区全体から患者さんが来てくださるように。患者さんの年齢層は、お子さんからご高齢の方まで幅広いですね。散歩やランニングを習慣にしていたりスポーツクラブに通っていたり、健康に対する意識の高い方が多いように感じています。
患者さんの主訴をお聞かせください。
私が変形性膝関節症など膝の病気の治療を得意とすることから、膝の痛みにお悩みの女性の患者さんが多くいらっしゃっています。「治療しているけど、なかなか治らない」ということで、セカンドオピニオンを求めて来られる方も多いですね。また、骨粗しょう症を患っている女性の方も多くおみえになっています。当院は、リハビリテーションにも力を入れており、スポーツトレーナー経験のある理学療法士も在籍しているため、スポーツをされている方がケガの治療のために来院されることも多いですね。当院の施術を求めて遠方から来てくださる方もいらっしゃいます。
変形性膝関節症について教えていただけますか?
加齢やケガの影響で膝の軟骨が減っていく、女性に多くみられる病気です。日本人の場合、膝の内側の軟骨が減ることで、O脚になりやすいといわれています。最初は、立ち上がる際など動き始めに痛みを感じるくらい。進行すると、「歩くのがつらい」「正座しにくい」「膝が伸びにくい」といった症状が出てきます。症状が軽ければ、湿布で様子を見たり、O脚気味なら、インソール(靴の中敷き)で矯正したり。内服薬やヒアルロン酸注射を使って治療することもありますね。当院では、歩き方を矯正したり膝の筋肉を強化を目的とした理学療法に特に力を入れています。
人工膝関節置換術の経験も積まれているようですね。
東京の苑田会人工関節センター病院などで、皮膚や筋肉をできるだけ切らずに行うMIS人工膝関節置換術の経験を積みました。従来の方法に比べて傷が少なくて済むため、患者さんの負担が少ないのが特徴で、手術の翌日から歩行練習を行うことも可能です。当院でも近隣の病院と連携して、私自らMIS人工膝関節置換術を行っています。
満足してもらいたいから、一人ひとりに親身に寄り添う
骨粗しょう症の診療についても教えていただけますか?
骨粗しょう症の診断の際には、腰と股関節の骨を測定するDEXA法を用いています。これは骨密度を適切に測定できる方法とされています。骨粗しょう症は、骨を壊す細胞と骨を作る細胞のバランスが崩れて骨がもろくなっていく病気。主に骨を壊す細胞の働きを抑えるための薬を処方して治療しますが、骨を作る細胞を活性化させるための薬を処方することも。骨粗しょう症の薬は種類が豊富なのが特徴。患者さんの状況に合わせて処方させていただきます。
リハビリテーションにもこだわっていらっしゃるようですね。
当院のリハビリテーションの特徴は、運動療法をメインにしていること。マッサージなどで症状を和らげるだけでなく、歩き方や動作の仕方などもアドバイスすることで、症状の根本的な改善を図ることまでをめざしています。例えば、肩に痛みを感じる場合でも、肩以外の部分が原因となっていることもあります。体の他の部分をうまく動かせていないために、肩に症状が出ることもあるのです。当院には、スポーツトレーナー経験のある理学療法士や柔道整復師が在籍。スタッフたちは皆意欲的で、勉強会を行うなどして研鑽を重ねつつ、患者さんを親身にサポートしてくれています。リハビリテーションを目的に来院される患者さんも多いですね。
診療の際にはどんなことを大切にされていますか?
病気を治療することはもちろん、患者さんに満足してもらうことを大切にしています。そのためにも、患者さんのお話をよくお聞きし、親身に寄り添うよう心がけています。例えば、膝の痛みでお困りの患者さんがいらしたら、「膝が痛いために何をできなくなったのか」「膝が良くなったら何をしたいのか」といったことまで考えます。それを知るために、趣味をお聞きするなど、よくコミュニケーションを図るようにも努めていますね。「膝が治ったらゴルフをしたい」と思っていることがわかれば、リハビリテーションまで行ってお支えすることができます。また当院では、診察室にパソコン入力などの事務を行うスタッフを配置。私自身は、患者さんの目をしっかりと見てお話しすることを大切にしています。
さまざまな治療方法を駆使して、患者の悩みをサポート
ところで、先生はどんなきっかけで医師をめざされたのですか?
子どもの頃、祖母が長い間入院していまして。祖母を治療する先生を見て、「病気を治すのは尊いことだ」と感じたことが最初のきっかけ。当時の私にとって医師はスーパーマンのようなイメージで、憧れの職業だったんです。整形外科を選択した理由は、患者さんの笑顔を見られるから。臨床実習で各診療科を回った際、内科では病気がなかなか治らない患者さんを診ることも多かったのですが、整形外科では元気に退院されていく患者さんが多くいらっしゃいました。「ありがとうございました」と笑顔で喜ばれる患者さんを見て、「こんな診療科で働きたい」と思い、整形外科を選びました。
印象に残る患者さんとのエピソードをお聞かせください。
何年も前に手術を行った患者さんのことが印象に残っています。その方は両足の膝がひどく曲がり、つえを使って歩くのも難しいような状況でした。いろいろな病院で手術は難しいと断られていたのですが、診察したところ、拘束型の人工膝関節置換術なら行える可能性があったため、お勧めしました。リスクもありましたが、「良くなる可能性があるのなら」と手術を承諾してくださいまして。今できる対応を考え抜いたことで、手術を行うことができました。
休日の過ごし方や健康法についても教えていただけますか?
6歳、5歳、4歳の3人の子どもがいますので、休みの日は子どもたちと遊びに行ったり、読書をしたりして過ごすことが多いですね。医師は体が資本ですので、ランニングや水泳を行うなど、健康にも注意を払っています。お酒を飲み過ぎないようにも心がけていますね(笑)。
最後に、今後の展望や読者に向けたメッセージをお願いします。
スタッフたちも成長していますし、来院される患者さんも増えてきました。患者さんをお待たせしない診療をモットーとしていますので、今後は分院展開することも視野に入れています。当院では、薬物療法、理学療法、手術など、さまざまな方法を駆使して、長年つらい症状にお悩みの患者さんをサポートしています。「治らない」と諦めてしまう前に、ぜひ一度ご相談ください。