福元 和彦 院長の独自取材記事
福元メンズヘルスクリニック
(鹿児島市/市役所前駅)
最終更新日:2021/10/12

2017年5月、鹿児島市役所そばに開院した「福元メンズヘルスクリニック」は、主に男性特有の疾患の診療に特化したクリニックだ。院長の福元和彦先生は、「婦人科や産婦人科がある女性とは違い、男性はどこに相談に行けばいいかわからない人が多いと思います。体の不調を感じたとき、悩みがあるときに気兼ねなく相談できるクリニックで在りたいですね」と話す。福元先生は、特に男性医学について深く学んできた。男性更年期障害やED(勃起障害)など男性特有の疾患に対し、プライバシーに配慮しつつカウンセリングや診療を行っている。「男性医学の分野はまだ認知度が低いと感じています。まずは多くの人に知ってほしいです」と、男性医学の啓発にも努めている。福元先生に、男性医学について語ってもらった。
(取材日2021年1月28日)
男性特有の悩みを打ち明けられるクリニックをめざす
「男性医学」とはどういうものですか?

「男性医学」は、当院が院名に掲げる「メンズヘルス」とも言いますが、この分野では、対象となるすべての病気が男性ホルモンに由来し、男性ホルモンが減少することでさまざまな症状が現れます。代表的なものが男性更年期障害です。男性ホルモンは日常的に生成されるものですが、加齢とともに生成量は低下します。特に中高年男性は、メンズヘルス分野の疾患の罹患率が高い世代といえます。加齢の他、仕事や家庭内におけるストレスも多く、男性ホルモンが低下しやすい環境に身を置くことが多い世代でもあります。問題なのは、これらの症状を“加齢によるもの”と判断する人が多いということです。40歳を超えて自身の体に疑問や異変を感じたら、男性更年期障害を意識してほしいです。そして、メンズヘルスという分野があり、相応の治療があることを多くの人に知ってもらいたいです。
開院して5年目になりますが、どのようなクリニックをめざしてきましたか?
開院時にしっかりしたスローガンや理念を掲げたわけではないのですが、すべての男性を元気づけられるクリニックでありたいと思ってやってきました。開院してこれまで、当院で特に多いのがED(勃起障害)の悩みを抱える患者さんです。他ではなかなか相談しづらく、一人で悩みがちな症状です。そこで当院は完全予約制とし、他の患者さんと来院時間が重ならないようにしています。また、院内では個室のカウンセリングルームで私1人が対応し、お話を聞かせていただきます。プライバシーが守られた形で受診ができるように心がけてきました。他にもAGA(男性型脱毛症)や射精障害などの相談を受けますが、いずれも繊細な部分をお話しいただくことになります。できるだけ男性が来やすく話しやすい環境を整えて、気兼ねなく相談できるクリニックをめざしています。
クリニックの特徴を教えてください。

開院して5年目ですが、ありがたいことに、いまだに「きれいなクリニックですね」と言われます。本当にうれしいことです。開院するにあたり、院内は白を基調に統一感を持たせました。開院後は定期的に清掃業者を入れ、清潔感が感じられるクリニックであるように努めています。ただ、おしゃれにしようとは思いませんでした。物は極力少なくし、落ち着いた空間にしたかったんです。皆さん、悩みや不安を抱えてここを訪れます。院内をシンプルなデザインにしたのは、落ち着いてゆっくりと悩みを話していただける環境にすることが大切だと思ったからです。安心して悩みを打ち明けられるクリニックでありたいですね。
患者の背景まで加味しながら治療・アドバイス
男性更年期障害とはどのような病気で、どんな治療を行いますか?

男性更年期障害は、男性ホルモンの低下によりさまざまな症状が現れる複雑な病気です。具体的には筋力低下や疲労感、ほてりや発汗、イライラ感、集中力低下、不眠などが症状として上げられます。これに対し、男性ホルモンの補充療法で対応します。個人によって異なりますが、結果を見ながら2、3週間ごとに注射をします。また中には、生活指導などのアドバイスだけで済む人もいます。男性更年期障害の人には、普段は家に閉じこもりがちな人も多いんです。そんな人には「歩くだけでもいいから何か運動をしてください」とアドバイスします。運動により筋力をアップさせることで、体を男性本来の動きにしていくんです。筋肉がつけば体が楽になり、「これ、やってみようかな」と好奇心も出てくるはずです。
相談が最も多いというEDについて、どのように治療していきますか?
当院で最も相談の多いEDについてですが、初診時は、まずカウンセリングで詳しくお話を聞かせていただきます。患者さんの体の状態をお聞きする他、生活背景もお話しいただきます。また、現在治療中の病気があるかどうか、病気があるなら現在どのような状態なのか、までしっかり話を聞きます。EDは基本的に薬で治療していきますが、大きく分けて3種類の薬を使い分けていきます。標準的な薬、作用の強い薬、長時間作用型の薬です。カウンセリングの内容から適していると思われる薬を私が判断しますが、来院できる頻度にも配慮して選択します。その後、患者さんに合っている薬を絞り込んでいきます。
他にどのような悩みの相談がありますか?

射精障害があります。他では相談しづらい症状ですが、不妊につながる深刻な症状です。原因として多いのが、強い行為でしか射精できない癖によるものです。個人の癖を矯正していく指導になるので、時間がかかります。しっかり話し合いながら、時には奥さまにも協力をいただきながら対応していきます。本来なら、年齢が若いうちから対処するほうが改善につながりやすいです。だから、学生の方でも異常や不安を感じたら相談してほしいですね。また、当院では精液検査を行っています。“妊活”の第一歩として活用いただけるよう、検査機器を導入しました。「ブライダルチェック」ともいいますが、精子濃度や運動性など妊娠力があるかどうかを調べる検査です。子どもが欲しい人や、結婚を機に自身を調べたい、と思う人が来院されています。年代で言うと20〜30代の方が多いですね。検査後、10〜15分で結果が出ます。
メンズヘルスの情報を発信し男性が相談しやすい環境に
先生は40代ですが、自身で気をつけていることはありますか?

毎日を楽しく生きることを心がけています。忙しくて嫌になりそうになることもあるんですが、切り替えは早いほうです。ストレスをため込まないよう、寝て忘れるようにしています。あと、患者さんに対しても友人に対しても、いつでも軽いフットワークで在り続けようとも思っています。診療でも「薬が欲しいんですけど」という急な連絡に対し、できる限り「いいですよ」と対応してきました。また、強がらずに素直であることも心がけていますね。医療や男性医学に関しては自分なりにかなり勉強しているほうだと思いますが、他では無知に近い分野もたくさんあります。自身の有益な知識を増やすよう、いろんな人の話に素直に耳を傾けています。
今後、クリニックをどのようにしていきたいですか?
再三お話ししたとおり、メンズヘルスの分野は認知度がまだ低いし、相談できる窓口も少ないのが現状です。でも開院してから今まで、思っていた以上にニーズがある分野なんだと驚いています。当院は「メンズヘルス」を院名に掲げて5年になりますが、ようやく軌道に乗ってきたかな、というところです。男性から必要とされている分野だということをどんどん情報公開し、他のクリニックの先生たちにも参入していただければいいなと思っています。デリケートな悩みが多い分野ですが、気兼ねなく何でも相談できる環境づくりが男性を救うことにつながると思います。そのきっかけをつくっていけるクリニックにしていきたいです。
見ている人たちにメッセージはありますか?

まず、メンズヘルスという分野を多くの人に知っていただきたいです。男性、特に働き盛りの40〜50代は、多かれ少なかれ身体的・精神的な悩みを抱えている人が多いと感じています。当院は開院して5年になりますが、来院者に話を聞くと、友人や知人などの紹介で来院する人が多いんです。割合でいうと3割くらいはクチコミでの来院だと思います。つまり、悩んでいる男性は多いのに、相談できる場が少ない、ということになるのではないでしょうか。私も、もっといろんな形でメンズヘルスや当院の診療を発信していき、「相談できるクリニックがあるんだ」と知っていただけるように努めていきます。
自由診療費用の目安
自由診療とは診察料/2000円
相談料/2000円
シルデナフィルクエン酸塩錠/
25mg:1錠1300円
50mg:1錠1500円
ジェネリック・25mg:1錠800円
ジェネリック・50mg:1錠1000円
バルデナフィル塩酸塩水和物(20mg)/1錠1800円
タダラフィル/
10mg:1錠1200円
20mg:1錠1500円
5mg:1錠500円
ジェネリック・20mg:1錠1100円
デュタステリド(0.5mg)/30錠1万円
フィナステリド(1mg)/30錠7000円
ブライダルチェック/診察1000円~、検査4000円
男性ホルモン補充療法/1回1000円程度