栃木歌子院長の独自取材記事

お茶の水矯正歯科

(千代田区／御茶ノ水駅)

最終更新日：2022/02/17

JR各線の御茶ノ水駅から明大通りを下ること徒歩3分、新御茶ノ水駅や神保町駅、小川町駅、淡路町駅などの地下鉄駅からのアクセスも便利な場所にあるのが「お茶の水矯正歯科」だ。学生や近隣のオフィスに勤める人々が行き交うにぎわいのただ中にありながら、院内に一歩足を踏み入れれば、アロマの香り漂うやすらぎの空間が広がる。笑顔で迎えてくれたのは院長の栃木歌子先生。自身も矯正を受けた経験から、「歯並びを治したいという前向きな気持ちを応援し、一歩を踏み出すサポーターとなりたい」と抱負を語る。太陽のような快活さと、一人ひとりに丁寧に向き合う誠実さを併せ持つ栃木院長に、クリニックの特徴や診療方針について話を聞いた。

（取材日2021年3月18日）

大人から子どもまで、幅広いニーズに応える矯正歯科
3Dシミュレーションで歯の動きを具体的にイメージ
見た目の良さ、審美性の追究にとどまらない歯列矯正を

大人から子どもまで、幅広いニーズに応える矯正歯科

こちらは矯正歯科専門のクリニックなのですね。

はい。当院はお子さまの矯正から大人の方の矯正まで、幅広く対応する矯正歯科専門クリニックです。私は2006年に日本大学松戸歯学部を卒業後、同大学の歯科矯正学講座と顎顔面矯正学講座で、通算11年間臨床と研究にあたりました。そこでは唇顎口蓋裂や先天異常のある患者さんの難しい症例に数多く携わり、多くの経験を積むことができました。こうした経験を生かし、さらに経験豊富な複数の歯科医師にも加わってもらいながら、皆さんの歯並びの悩みに広くお応えしています。

どのようなご相談が多いのでしょうか。

学校の多いエリアですから、就職活動を控えた学生さんからのご相談を多くお受けしてきたほか、接客業や営業職についていらっしゃる方、結婚を控えた方から近くの塾に通うお子さんまでさまざまな相談をお受けしています。2020年に限っては新型コロナウイルス感染拡大により近隣大学のキャンパスが閉鎖になったことを受けて、学生の受診は減少傾向にありますが、対して、リモートワークで時間に余裕ができたから歯列矯正を検討し始めたという方や、マスク生活が続くこの機会に済ませてしまいたいという方など、お勤めの方のご相談が増えた印象です。

こちらのクリニックの矯正の特徴を教えていただけますか？

ワイヤー矯正からマウスピース型装置を使った矯正まで、さまざまな装置をご用意しており、それぞれのメリット、デメリットを考慮しながら患者さんご自身にお選びいただけるというのが最大の特徴です。特に接客業の方などから、「矯正はしたいけれど装置が目立つのは嫌」というご要望も多いのですが、目立ちにくい装置で通常どおりの日常生活を送りながら矯正を進めることもできます。また、結婚式や就活の面接、業務上重要なプレゼンなど、決まった日時までに完了したいというご要望も多いため、お一人お一人の事情を踏まえた矯正プランを組み立てていきます。

マウスピース型装置による矯正について教えてください。

マウスピース型装置による矯正は、3ヵ月に1回と少ない通院回数で矯正を進めることができ、装置が目立たず取り外しも可能と、患者さんの負担が比較的少ない矯正です。以前は「マウスピース型装置ではきちんと矯正できるのか不安」という声もありましたが、近年、マウスピース型装置を用いたプランを希望される方がグッと増えてきました。状態によってほかの方法と組み合わせて進めていくことも可能です。

3Dシミュレーションで歯の動きを具体的にイメージ

矯正の流れを教えてください。

まずは初診相談を行い、患者さんのお悩みを伺います。歯並びを治したいということだけでなく、歯ぎしりで顎が疲れる、歯肉が減ってきたなど、ご相談の内容はさまざまです。そして矯正を開始する前に、精密検査をします。検査では歯型の採取やエックス線写真の撮影をして、お口の中全体を詳しく調べていきます。歯1本だけを治療するのと異なり、矯正によっては歯を全体的に動かすこともあるため、精密検査は大切なプロセスです。その後は検査結果を見ながら患者さんと相談し、装置や診療方針を決め、矯正を開始します。期間の目安はだいたい1年から2年ぐらいです。学生さんなら卒業までの期間が限られていますし、ビジネス会社勤めの場合は転勤の可能性もあります。長く時間をかけるのが必ずしも良いとは言えないので、なるべく短い期間で終わるように心がけています。

矯正では患者さん自身のモチベーションも重要ですね。

どんなに良い装置でも、それを生かせるかは患者さん次第。正しい方法で続けないことには、意味がなくなってしまいます。そのため、めざすゴールや歯が動いていく様子をわかりやすい視覚データでお見せして、矯正を具体的にイメージしていただくことで、頑張れる環境をつくるお手伝いしています。マウスピース型装置を使う矯正では、3Dデジタルスキャナーや歯科用CTを使って歯並びを3次元で解析することができます。噛み合わせの状態を視覚化したデータで確認したり、経年で画像を比較したりすることも。また、矯正を開始する前に、矯正完了後のイメージをお見せすることも可能です。皆さんが矯正を受けたくてもなかなか踏み出せないのは、具体的なイメージが想像できないからだと思うので、「どうなるか」をわかりやすくお見せすることで、一歩を踏み出すきっかけにづくりにつなげていきたいと考えているんです。

女性歯科医師として気をつけていらっしゃることなどありますか？

当院を受診されるのは7対3くらいの割合で女性が多くなっていますが、男性が歯並びを根本的に正す矯正を求められるのに対し、女性はより審美性を求める傾向にあるように思います。歯並びに限らず横顔の鼻先と顎を結ぶ「Eライン」を整えたいといったご相談も多くなっています。矯正歯科的には歯並びをより健全な状態に近づけるのがベストだとされていますが、それが患者さんの求める「きれい」と等しいとは限りません。例えば、矯正を進めることで法令線が深くなってしまうようなこともあるので、そうしたケースが危惧される場合は、審美上のメリットとデメリットをご説明しながら、どの程度まで矯正を行うのかを患者さんに決めていただくこともあります。

見た目の良さ、審美性の追究にとどまらない歯列矯正を

ところで、院長が矯正歯科医師を志されたきっかけは何だったのでしょう。

父が産婦人科の医師なので、進路は自然と医業に向かいました。産婦人科医はおめでたい瞬間に立ち会うことの多い職業でしたから、私も無意識のうちに、患者さんがハッピーになるために前向きに診療に取り組む矯正歯科を専門に選んだのかもしれません。また、私自身も学生時代に矯正を受けていますので、それも理由として大きいですね。自分が経験しているからこそ患者さんの立場になって具体的なアドバイスや助言ができるのではないかと思っています。

矯正を受けることの意義やメリットについてはどのようにお考えですか？

見た目はもちろん、メンタル面に及ぼす影響は大きいのではないでしょうか。また、20代から30代といった早い段階から歯並びを整えておくことは虫歯や歯周病の予防にも有用で、将来的な歯と歯茎や骨、全身の健康に大いにプラスになると考えます。矯正は自費診療扱いなので、それなりの経済的負担が生じますが、それでも長い目で見るとトータルでの費用対効果は高いと考えています。

今後の展望を教えてください。

歯並びに悩みながら、なかなか踏み出せないという方は多いもの。そうした方により気軽に一歩を踏み出していただけるよう、これからオンライン診療を拡大していきたいと考えています。リモートワークの時代は孤独でつらいことも多いかもしれませんが、ネット社会のメリットを生かして、「自分を変えたい」という前向きな気持ちにつなげる取り組みをしていきたいですね。矯正は未来の自分について前向きに考え、取り組める方法の一つです。オンラインでの相談を未来の自分をより良くする一歩を踏み出すきっかけにしていただければと思います。

読者に向けて一言メッセージをお願いします。

歯列矯正は単に歯並びを良くするためだけのものではなく、コンプレックスを克服し、輝く笑顔を手に入れることで、人生を好転させる一つのきっかけになり得るものだと考えています。しかし矯正の目的はそれだけにとどまりません。見えないところで進行する歯のトラブルのリスクを軽減するという役割もあります。歯列矯正は歯の寿命を延ばすための保険であり、先行投資でもあるといえるのではないでしょうか。当院では皆さんのライフスタイルに合わせた矯正をご提案しています。ぜひお気軽にご相談ください。