福澤 紫央 理事長の独自取材記事
しおうスキンマリアージュクリニック
(中央区/新富町駅)
最終更新日:2025/01/15

東京メトロ有楽町線の新富町駅から徒歩2分の場所にある「しおうスキンマリアージュクリニック」。「新富湊皮フ形成クリニック」として2017年に開業し、2024年10月に現在のクリニック名に改称した。その特徴は、皮膚科と小児皮膚科、形成外科、美容皮膚科と幅広い診療内容。年齢や性別問わず、患者のさまざまな皮膚の悩みに寄り添ってきた。2021年には医療法人を設立し、他のクリニックへの技術の提供などにも力を入れる。福澤紫央理事長は「患者さんに安心して受診していただくというのが、何よりも大切にしていること。悩みに対して、絶対に『わからない』とは言わないようにしています」と語る。丁寧で親しみやすい人柄が魅力の福澤理事長に、医師をめざしたきっかけや同院の診療方針、相談の多い悩みなどについて話を聞いた。
(取材日2024年12月18日)
子ども時代の経験から、信頼される医師を志す
形成外科・皮膚科の医師を志したのには、どのようなきっかけがあるのでしょうか?

私自身が幼い頃から喘息や重度のアトピー性皮膚炎、アレルギーに悩まされ、遠方のクリニックへ治療に行ったり、小学2年生の時には熱湯をかぶって大やけどを負い、形成外科で治療を受けたりと、とてもつらい思いをしました。そんな時期に、すがる思いでお世話になっていたのが形成外科と皮膚科だったからです。当時の先生方には本当に感謝しています。私がそうであったように、治療の過程で患者さんと一緒に喜べる、そういう魅力が形成外科と皮膚科にはあると思います。
続いて、開業までの歩みもお聞かせください。
福井大学医学部を卒業した後、京都大学形成外科に入局しました。大阪赤十字病院や京都桂病院など関連病院で研鑽を積んでいた頃、法科大学院が発足しました。私は医療過誤をきっかけに家族を亡くした経験があります。その経験からどうしても医療過誤について勉強がしたくなり、東京のロースクールに入学したんです。3年間法律について学び、卒業した後は皮膚科領域を専門的に学ぶため、都内の皮膚科をいくつもかけ持ちをして研鑽を重ねました。独立を考え始めたのは、44歳の時。ある皮膚科の分院の院長を任されたのをきっかけに、自分一人で治療計画を立て、改善に向けて全力で取り組むことに大きなやりがいを感じるようになり、2017年に「新富湊皮フ形成クリニック」を開業しました。
今年の10月にはクリニック名を新しくされましたね。

さらなる進化とサービスの向上をめざして現在の場所へ移転し、クリニック名も「新富湊皮フ形成クリニック」から「しおうスキンマリアージュクリニック」へと改称しました。まず、私の名前である「しおう」を加えることで、より身近に感じられるクリニックにしていきたいという思いを込めました。マリアージュの意味は、保険診療と美容医療の融合によって患者さんのQOLを高めるとともに、皮膚の健康と美容の研究開発を通じて、ますます医療に貢献していきたいと考え、名づけました。現在、他のクリニックに美容医療のトレーニングを提供するなど、当院のノウハウを伝える活動にも取り組んでいます。
患者と真摯に向き合い、オーダーメイドの治療を提案
診療の際、大切にしていることを教えてください。

まずはしっかりと検査、診断を行うことです。診断をもとに治療方針をお話しし、内服薬や外用薬、生活習慣の見直しなど、良くなるために必要なことを細かくお伝えするようにしています。そして、患者さんの理解が得られているか確認する意味で、最後に必ず「他に何かご不明な点や質問はありますか?」と伺うようにしています。どんなに診断が難しい症例でも「何かわからない」と言うことは絶対にしたくありません。また、診察室ではきちんと患者さんと向き合ってお話を聞きます。パソコンに情報を入力するのに集中して、患者さんのほうを一度も見ないなんてことはしたくないと思っています。患者さんに不安を与えず、安心して治療を受けていただく。私が何よりも大切にしていることです。
最近気になる皮膚トラブルはありますか?
季節の変わり目や生活習慣の変化で、乾燥や肌荒れ、ニキビのお悩みが増えています。さらに、紫外線や環境ストレスの変化から、しみやくすみなどの老化のサインを気にされて来院される方も多いです。最近は、女性だけでなく30代から80代くらいまでの男性の患者さんも増えている印象です。肌荒れやニキビに関しては、内服薬や飲み薬に加えて、必要に応じてお風呂の入り方やスキンケアの仕方を見直しながら改善を図っていきます。当院は、保険診療と自由診療が選択できますので、まずはめざす目標をお伺いし、保険適用内を希望するかどうかによって治療方法を決めていきます。仮に自由診療を選んだ場合にも、無理に治療を勧めたりメニューを追加したりということはありませんので、安心してご相談いただければと思います。
普段の体の洗い方や、保湿の方法も重要なのですね。

毎日、ボディーソープをつけたナイロンタオルやスポンジで体を洗っていませんか? 体がきれいになったと感じているかもしれませんが、実は常在菌が洗い流され、肌のバリア機能が崩れる要因になることもあります。肌が弱い方は特に、綿や麻など天然の素材がお勧めです。さらに、体には毎日洗ったほうが良い場所とあまり洗わなくて良い場所があるんです。保湿についても、顔や体を洗ったらできれば1分以内に保湿するのが望ましいとされています。基本的なことではありますが、こうした習慣を少し変えるだけでも意味があります。患者さんには、日頃の生活や食事、入浴時の流れなど細かい部分まで教えていただけると、そこに治療のヒントが隠されているかもしれません。
患者の喜びが自身の喜び、これからも進化を続ける
印象に残っている患者さんとのエピソードはありますか?

雇われ院長だった時代に巻き爪のオペをした90歳の患者さんが、開業して3年くらいたった頃に来院されたことですね。担当していた当時も、オペ直後からご自身で歩いて帰るような元気な方でしたが、「近くに引っ越してきたから来てみたよ」と、相変わらず元気に歩いて来られた姿に感激しました。どこに開業するか詳しく伝えていなかったのに、わざわざ調べて来てくださったこともすごくうれしかったです。私は、患者さんから良い報告をいただくと、思わず「良かったー!」と手をたたいて喜んでしまうのですが、一緒に喜び合える瞬間を大切に、いつでも気合を入れて診療にあたっています。
お休みの日はどのようにお過ごしでしょうか? 先生のご趣味は?
スーパー銭湯など近場の温浴施設によく足を運んでいます。お風呂を楽しむのはもちろん、いろいろなお客さんの体の洗い方や保湿の仕方などを見ることができるので、そこから治療のヒントを得ることもあります。知らないことを学んだり、新しいことにチャレンジしたりするのも好きですね。特に、資格の取得は自分の可能性をさらに広げられる気がしていて、今までに宅地建物取引士と賃貸不動産経営管理士の資格に合格しました。こうした資格やロースクールでの経験も生かして、患者さんといろいろなお話ができたらいいなと考えています。
最後に、読者の皆さんへメッセージをお願いします。

開業から7年がたち、おかげさまで地域の皆さんに支えられながら順調に成長しています。当院で働くスタッフ全員が「患者さんの悩みを解決し、笑顔にしたい」という思いで日々の診療にあたっています。そのためにも、努力と研鑽を欠かさず、常に先進の医療をキャッチアップし、鮮度の高い医療サービスを提供できるよう心がけています。地域のクリニックとして、親しみやすさやお話ししやすい雰囲気づくりも大切にしていますので、皮膚に関するお悩みがありましたら、お気軽にご相談ください。「飲み薬が苦手」「できれば漢方を使いたい」など、なんでも遠慮せずにおっしゃってくださいね。
自由診療費用の目安
自由診療とは美容皮膚科(しみケア)/7000円~1万円