口腔内の健康を守るために
予防歯科を支える歯科衛生士の取り組み
リーエデンタルクリニック
(高槻市/高槻市駅)
最終更新日:2025/05/22


- 保険診療
これまで「痛みがあるから行く」という認識を持っている人が多かった歯科医院。しかし、近年では「虫歯や歯周病にならないように早期発見・早期治療のために行く」という予防の認識が広がりつつある。高槻市にある「リーエデンタルクリニック」は、院長である大月直子先生が予防歯科の先進国であるスウェーデンで学んだ経験から、開業当初より予防の大切さを提唱。歯科医師はもちろん、歯科衛生士、歯科助手がチーム一丸となり、予防歯科に注力している。今回、大月院長を始め、歯科衛生士の尾瀬典子さん、鷲北純子さん、石原典子(よりこ)さんに、予防歯科の大切さや同院ならではの工夫について、話を聞かせてもらった。
(取材日2024年6月25日/更新日2025年5月15日)
目次
患者自身の気づきと行動を促し、チーム一丸となって口腔内の健康維持に取り組む
- Q貴院のメンテナンスの特徴を教えてください。
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A
▲定期検診では染め出しを行い、視覚化して磨き方を指導する
【鷲北さん】定期検診では毎回普段使っている歯ブラシをご持参いただき染め出しを行っています。きちんと磨いているつもりでも、磨き残しがあったり、上手に汚れが落とせていない部分がわかります。当院ではまず苦手なところを目で見て知ってもらうことを大切にしています。そしてプラークのつき方がいつもと違うなと感じたら、患者さんに何か変化があったのか聞き取りをするように気をつけていいます。例えば「右肩が痛くて右側が磨けなかった」など、状況を生み出している理由は必ずあるので、その理由を一緒に探していくことには気をつけています。ご自身に気づいてもらうことが主体的な行動へと移り、健康維持や予防につながると思います。
- Q患者さんに接する際に歯科衛生士として大切にしていることは?
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A
▲不安や緊張が和らぐよう積極的に声をかけ、患者に寄り添う
【尾瀬さん】些細なことですが、日常の会話やお声がけです。例えば患者さんが緊張しているようですと「緊張しますよね」と患者さんの気持ちに共感したり、小さいお子さんですと来るだけでも怖いという場合もありますので、まずはお母さんと話をしてお母さんが安心している空気をつくったりすることも気をつけています。そうすることで、お子さんも「お母さんが安心しているから大丈夫」というように感じてもらえると思います。また日常生活で気をつけてほしいことややってほしいことをお伝えする際も、1から10まですべてを細かく伝えると抜けていってしまうので、これだけは気をつけてほしいことに絞ってお伝えするようにしています。
- Q自宅で行うセルフケアのポイントを教えてください。
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A
▲歯の健康を守るため継続してケアすることが大切
【鷲北さん】手鏡を持って、自分の口の中に関心を持つことが第一歩ではないでしょうか。クリニックで言われたからやるというのではなく、自分の歯を大切にしたいという気持ちを持てば継続できると思います。
【石原さん】クリニック側の一方通行になってしまい、患者さんの気持ちや行動が変わらないと、ケアはうまく進んでいきません。患者さんご自身がこうしたい、こうなりたいという将来のお口の環境を自分で描いてもらうことも大事だと思います。
【尾瀬さん】セルフケアでは1回で全部やりきろうとしなくていいです。つらかったら分けても大丈夫ですし、「ここが気になる」というところに気をつけて続けてもらえたらと思います。
- Q歯科衛生士さんの取り組みや、今後していきたいことは?
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A
▲院内ではポスター以外にも患者のための取り組みをしている
【尾瀬さん】院内のポスターは歯科衛生士の手作りなんです。「フロスを使おう」「歯ブラシの選び方」「舌の体操」「鼻呼吸の大切さ」など、患者さんにお伝えしたい内容で作っています。ちなみに一番人気だったのは「間違い探し」でした(笑)。自然と目に入る位置にあるので、患者さんも読んでくれています。
【石原さん】歯並びのお悩みで来られるお子さんも多いのですが、矯正まで進まなくてもお口周りの筋肉のトレーニングや、唇を噛んだり指吸いなどの習癖に気をつけることで改善が図れることもたくさんあります。今後は定期検診やイベントを通じて、お子さんが楽しく遊びながら歯並びのために身につけられることを伝えていきたいです。
- Qクリニックにとってスタッフさんはどのような存在ですか?
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A
▲患者に歯科予防の大切さを伝えることに尽力する
【大月院長】私が治療する時間よりも、定期検診をするにあたって歯科衛生士が患者さんと過ごす時間のほうが長いため、患者さんとよりいろんな話をしてくれます。その中で、私が聞き取れなかったこともちゃんと聞いてくれるので、とても頼もしい存在です。患者さんの家族構成や全身的な状態の把握をしていこうと思うと私一人ではできません。患者さんに日常的な話をして、少しでも変化に気づけるような接し方をしてくれていることもありがたいですね。またアポイントを忘れてしまう方への前日のお電話や、処置後のフォローなどこまやかな心遣いもしてくれるので、それらが患者さんの安心感につながっていてくれていたらいいなと思います。