石橋 貴樹 院長の独自取材記事
石橋歯科クリニック
(鹿児島市/鹿児島中央駅)
最終更新日:2021/11/29

西陵一丁目バス停から徒歩1分。向かいにスーパーやコンビニが並ぶバス通りにある「石橋歯科クリニック」は、5台分の駐車場を完備し、幅広い世代の患者が通う。小樽出身の石橋貴樹院長は、京都の大規模歯科医院での勤務医時代、歯周病から矯正歯科、審美歯科まで幅広い診療を経験。若くしてグループの分院長を任された後、母校・鹿児島大学のある市内で開院した。口腔内の環境や患者の体調から、全身の健康についてもアドバイスしてくれ、地域住民の健康を支えていきたいという石橋院長に、開業までの経緯や診療ポリシー、歯科医療にかける思いなどについて詳しく聞いた。
(取材日2021年9月25日)
歯と顎の状態を視野に入れ、健康寿命の延伸をめざす
患者さんは近隣にお住まいの方が多いのですか?

そうですね。小さいお子さんからご高齢の方まで幅広く、2世代、3世代で通われるご家族も少なくありません。ここ西陵は40〜50年ほど前の新興住宅地ですが、古い家が新しく建て直されたり、今も少しずつ開発が続いていますので、若いファミリーも増えていますね。予防歯科に対する意識も高くて、虫歯でも比較的軽い状態で来院される方が多いですよ。その一方で、ホームページ等で噛み合わせや顎関節症の治療に力を入れていること知り、バスや車で遠くからおみえになる方も増えています。
噛み合わせや顎関節症の治療に力を入れておられるのですね。
はい。一般歯科から、口腔外科、矯正歯科、小児歯科まで幅広くカバーしていますが、歯だけでなく全身の健康を守るため、噛み合わせや顎関節症の診療に特に力を入れています。患者さんには、生活習慣問診票に食生活や運動習慣、起床・就寝時間や、心身の不調を記入してもらい、生活に関するアドバイスを行っています。というのも歯並びや噛み合わせ、生活習慣により相互に影響しているからです。歯周病や合わない入れ歯、歯ぎしり、噛み癖、頬づえ、うつぶせ・横向き寝、ストレスなど、さまざまな理由で体のバランスは崩れてしまいます。頭部、中でも下顎は全身のバランスを取る役割を担っています。顎の位置がずれると頭の重心がずれて、首や背骨、骨盤のバランスも崩し、脳の血流量が低下し不定愁訴の原因となることもあるんですよ。健康寿命の延伸につながるよう、顎を正しい位置に戻し、きちんと噛めるようにするための治療を進めていきたいですね。
勉強会やセミナーなどに積極的に参加してきたそうですね。

勤務医時代にさまざまな症例を診てきたことは大きな自信になりました。その経験を大切にしながら、一つ一つを極めるために勉強会などに積極的に参加するようになりました。当時鹿児島での開催はなかったので福岡や遠方まで出かけるなど、休日はそうした活動に充てていました。また母校の大学の先輩が開院の際、同志が作った勉強会に誘ってくださり、それがもう30年続いています。新型コロナウイルス感染症が流行する前は、月に1度金曜夜に8人で勉強会を開いていましたが、しばらくの間は活動できていませんでした。しかしそれもここ数ヵ月は1~2ヵ月に1度日曜日に朝から夕方まで活動しています。同業者向け、一般向けの勉強会や講演会を企画することで人脈もどんどん広がりました。開業医として、そうした仲間がいることはとても刺激になりますし、心強いことだと思っています。
大規模歯科医院で多くの経験を積み、院長職も経験
あらためて開院までの経緯について教えていただけますか?

1991年に鹿児島大学歯学部を卒業後、京都の大きな歯科医院に勤務しました。私は小樽の出身で、特に京都に地縁があったわけではありません。大学6年の夏に新卒説明会が各地であるのですが、地域にこだわりはなかったので関東、関西含め8つくらい回りました。決め手は、他のところと比べると一番きつそうだけれど、一番勉強になりそうだというところでした(笑)。本来、自分は怠け者でして、だからこそ大変なほうを選ぼうと思ったのです。当時は夜の10時、12時まで勉強するのが当たり前。日曜も勉強。そんな環境の中に5年間身を置き、精進してきました。
かなりハードな生活をされていたのですね。
京都に本院と分院があり、そのほか大阪、東京、和歌山、滋賀などの分院を入れて、8院の規模の医療法人でした。本院の勤務になって3年目の終わり頃に院長を引き継ぎました。はじめは13台の診療ユニットでしたが、14台に増設して、非常勤含めて12人の歯科医師が、毎日数多くの患者さんに向き合い、診療を行っていました。診療のほかにも外部の先生を講師に招き、日曜に講義をしてもらったこともありましたね。歯周病から矯正歯科、審美歯科まで幅広く診療を行っていましたので、実にさまざまな経験をさせてもらいました。
その後、鹿児島に開院されたのですね。

妻の故郷であり、私も大学時代を過ごした鹿児島市内で開院しようと考えました。大学の硬式テニス部時代の友人に相談したところ、「地域のことを知ってからのほうがいい」と助言を受け、天文館の歯科医院に1年勤務しました。その間、開業の候補地を探すべく、休日には市内を車で回りました。西陵には妻の実家があるのですが、ちょうどその頃、義父の友人が引越しをするので、後にどうかと話があったのです。大通りに面していて交通アクセスも良いので決断しました。実は娘も歯科医師で、九州大学病院で研修し、そこで勤務医をしていたのですが、この夏から当院で一緒に診療しています。まだ若いので、またどこか修行に行くかもしれませんが、ここで厳しく鍛えてあげようと思っていて、娘もそのつもりのようです。
口の中のことを気軽に相談できるクリニックに
先生が歯科医師をめざしたきっかけは何ですか?

子どもの頃から医師、薬剤師など医療系に関心がありましたが、現役で志望した大学に行けなかったんです。浪人が決まってから2週間は落ち込んで、勉強が手につかない感じでしたので、しばらくご無沙汰だった歯の治療に出かけ、悪い所をきれいに治療してもらった時、歯科医師という仕事に魅力を感じたのです。国立大に狙いを定め、鹿児島の他、新潟、徳島などあった候補から、どうせなら遠くへ行こうと決めました。もう一つ、その2週間で戦車や兵隊でジオラマを作ったんですが、これが良い仕上がりで、ちょっとした達成感がありましたね。実は小学生の頃は肥満児で、大学卒業時にも88kgあったのですが指だけは細く、器用さもあり、細かい仕事がやりやすいかもと思いました。父も小さな盆栽を作るなど器用でしたから、似たのかもしれませんね。人とコミュニケーションを取るのも好きで、対面でできる仕事でもありますから、天職だと思っています。
健康のために何か実践されていることはありますか?
以前の健康診断ではメタボぎりぎりのラインでしたので、要指導にならないようにと、ここ1、2年は朝5時に起きてウォーキングをしています。6kmを約1時間ですから、早歩きですよ。最近は娘も一緒に行くようになりましたが、彼女はついてくるのがやっとで、会話している余裕がないくらい。話すのは信号待ちの時くらいですね。いつも同じコースだと飽きますので4、5パターンをアレンジしながら歩いています。だいたい7000歩くらいになりますが、今はウォーキング専用のアプリがあるので、それを使って歩くとモチベーションも上がるんですよ。コロナ禍で、外でのお酒の機会も減ったことと合わせて、健康診断の結果は良好でした。
最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

体は食べた物でできています。つまり口は命の入り口なんです。口腔の健康を守る大切さを、もっと皆さんに知っていただきたいですね。母校の学生の見学実習も受け入れていますが、今後はさらに後進に自分の信条とする診療を伝えることもしていきたいので、新型コロナウイルスの収束後は研修会もを再開したいと思っています。今は顎が細くて狭いお子さんが多く、歯並びに影響しています。歯並びが悪いと顎がずれやすく、姿勢に影響をおよぼす場合もあります。このように口腔や顎の状態と体の健康は深く関わっていて、全部つながっています。人体のバランスを取ることの大切さを理解してもらえたらうれしいですし、そうした観点で行う診療を大切にして、地域の皆さんのお力になりたいですね。さまざまな診療に対応できますので、気軽にご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とは虫歯治療(詰め物)/3万円〜5万円(素材により異なります)、顎運動解析装置検査(1回)/5000円、入れ歯(ノンクラスプデンチャー)/8万円〜15万円(欠損状態により異なります)、部分矯正/3万円〜20万円
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。