杉山 晶二 院長の独自取材記事
杉山矯正歯科医院
(渋谷区/表参道駅)
最終更新日:2024/10/11

表参道から1歩住宅街に入ると、にぎやかな街のざわめきがすっと遠ざかる。「杉山矯正歯科医院」があるのは、閑静で落ち着いた雰囲気が漂う住宅街の一角だ。大きなガラス張りの窓からは日の光が降り注ぎ、待合室にはアロマが香る。穏やかな雰囲気に緊張がほどけるのか、「こんなふうになりたい」「ここを矯正したい」と積極的に意思を伝える患者が多いそうだ。杉山晶二院長は患者の要望を聞き取りつつ、一人ひとりのライフスタイルや性格なども踏まえて矯正法を提案。患者が納得して選べるように、複数の選択肢を提示してメリット・デメリットをわかりやすく説明している。論理的でありながら温かみがある話しぶりで、言葉の端々に親身な優しさを感じる杉山院長に、診療の特徴や心がけなどについて話を聞いた。
(取材日2024年1月10日)
患者の要望に応え、目立ちにくい矯正に注力
受診される患者さんの年代や特徴を教えてください。

患者さんの9割が成人で、うち8割が女性です。男性も増えてきましたが、まだ女性のほうが多いですね。紹介の患者さんがほとんどで、東京23区内だけでなく横浜、埼玉、栃木などから受診される方もいます。患者さんが家族や友人など大事な方を紹介してくださると、うれしくなります。年齢層はさまざまですが、50代、60代の方の中には、一般歯科で歯槽膿漏や虫歯の治療をしていて、状態の改善に向けて矯正を勧められて来る方も少なくありません。矯正というと「見た目の美しさをつくるもの」と思われがちでしたが、噛み合わせを整えたり、メンテナンスしやすい歯並びをめざしたりすることによって、長く自分の歯を維持することの重要性がしだいに理解されつつあるのでしょう。見た目のことだけでなく、健康になるためのステップとして、気軽にご相談いただきたいですね。
患者さんからは、どのような要望が多いですか?
新型コロナウイルスの感染拡大で、皆がマスクをしていた時期は、「矯正器具が目立たないうちに矯正をしたい」という方が増えました。パンデミックが収束に向かう中では、マスクを外したときにきれいな歯並びでいたいとおっしゃる方が多かった印象です。現在は、見た目を整えたい方から健康のために歯並びを見直したい方までさまざまですね。総じて、ご自身の中に理想の歯並びがあり、「こうしたい」と積極的に話してくださる方が増えてきました。インターネットを駆使してさまざまな情報を獲得できる時代ですから、「目立たない矯正をしたい」というように矯正方法の希望を出される方も多いですね。「目立ちにくい矯正」には以前から力を入れてきたので、紹介で受診される方の多くが希望されます。
目立ちにくい矯正とは、どのような手法なのでしょう。

当院の矯正は、大きくワイヤー矯正とマウスピース型装置を用いた矯正の2つです。一般的な金属製のワイヤー矯正は、ワイヤーを歯の表側につける方法と裏側(舌側)につける方法があり、裏側につければ他人に矯正装置が見えることはほぼありません。これが目立ちにくい矯正です。ワイヤーにはブラッシングがしにくいなどデメリットがありますが、歯が早く動くことが望め、少し難しい歯並びの矯正にも適しています。一方、マウスピース型装置を用いた矯正は、矯正をしていることが周囲に露見しにくいのがメリット。ですが、抜歯を伴う難易度の高い矯正には向いていません。当院では、初診時にご希望を伺い、検査結果を踏まえて最善の方法を患者さんとご相談します。オールマイティーなワイヤー矯正を主体として、適応や最終形を考慮して最終決定することになりますが、患者さんの納得を得ることが大前提であり、私たちが一方的に矯正法を決めることはありません。
3Dで口腔内を可視化し、現状と未来像を共有
カウンセリングはどのように行われているのですか?

矯正は、患者さんの協力度も結果に大きく影響するため、矯正に入る前にしっかりと信頼関係を構築しておく必要があります。カウンセリングでは、患者さんが抱えている歯の問題を把握するとともに、矯正に対するお考えや主訴をきちんとくみ取るようにしています。成人の患者さんは矯正に前向きな状態で受診されることが多く、とても協力的ですから、「矯正することによってどうなるのか」「患者さんの望んでいる状態を実現できるのか」の2点についてしっかりコンセンサスを取ることを重視していますね。また、データを示して説明することも大切にしています。口腔内をスキャンしたデータを3D化し、矯正装置の着け方や完成形のシミュレーションを患者さんにお見せしながら説明をするのです。3Dで見ていただくことによって具体的なイメージが湧くので、患者さんのモチベーションアップにもつながると思います。
そうした方針は、院内のすべての先生に浸透しているのでしょうか。
もちろんです。当院には私のほかに常勤の歯科医師が2人おり、それぞれが私と協力しながら患者さんを診る体制です。何らかの事情で歯科医師が1人いなくても滞りなく治療ができるように、また、それぞれの歯科医師で診療方針がぶれないように、コミュニケーションは密に取っていますね。カウンセリングで使用するソフトも駆使し、視覚的にも情報を共有しています。どの先生もプロフェッショナリズムが高く、常に上をめざして勉強してくれているので、とても信頼しているんですよ。
難度の高い矯正にも対応していらっしゃると聞きました。

ワイヤー矯正で歯を動かす際、小さなねじのような「ミニスクリュー」を顎の骨に打ち込み、これを支えとしてワイヤーを動かす手法に対応しています。これは「アンカースクリューを用いた矯正」といい、ミニスクリューを固定源にすることで、より効率的かつ計画的に歯を動かすことが期待できます。矯正のバリエーションが広がり、以前は抜歯や外科処置が必要とされていた症例においても、手術せずに矯正を進める方法が追求できるようになりました。他院で抜歯をしないと矯正できないと言われた方や、外科処置をできるだけ回避したい方は、ぜひ一度ご相談ください。
患者が笑顔になる瞬間こそ、診療の最大の喜び
先生は、なぜ矯正の歯科医師になろうと思われたのですか?

子どもの頃から「人に直接関わる仕事がしたい」という気持ちがあり、「医師や歯科医師はいい仕事だなあ」と漠然と感じていたんです。具合が悪くなって病院に行った時、てきぱき働く医師の姿を見て憧れや尊敬の気持ちを抱いたことも理由の一つです。中高生の頃には医療業界をめざしていましたが、本気になったのは大学受験を控えて進路を考えた時ですね。日本歯科大学に入学し、授業で見た矯正前後の写真が非常にドラマチックで、一気に矯正歯科への興味が高まりました。
歯列矯正を検討している人に向けて、アドバイスをお願いします。
矯正の期間は年単位に及びます。長期にわたって歯科医師とコミュニケーションを取り続けていく必要がありますから、担当する歯科医師との相性を重視して歯科医院を選んでいただきたいです。インターネットから得た情報や、実際に矯正されたお友達の話も一つの指標になるとは思いますが、直接話を聞いてみるのが一番良いと思います。初診時に患者さんの訴えにしっかり耳を傾け、矯正のメリット・デメリットをきちんと説明してくれる歯科医師を選ぶようにしてください。途中で診療方針が変わらないよう、できれば最初から最後まで同じ歯科医師に診てもらうのがベストです。
最後に、読者に向けてメッセージをいただけますか?

これまで矯正の歯科医師として多くの患者さんの矯正を手がけてきましたが、矯正が進むに連れて患者さんの雰囲気が明るく変わり、大きく口を開けて笑う笑顔を見れたら何よりうれしい瞬間です。「この歯科医院で矯正して良かった」と喜んでいただくことが、私にとって一番の喜び。これからも、一人ひとりの患者さんを大切に、心を込めて診療していきたいと思います。お悩みの方は、ぜひ気軽にご相談にいらしてください。
自由診療費用の目安
自由診療とは表側矯正/88万~110万円、小児矯正/11万~33万円、 マウスピース型装置を用いた矯正/88万~132万円、舌側矯正/137万5000円〜165万円、アンカースクリューを用いた矯正/4万4000円~11万円
※詳細はクリニックにお問い合わせください。
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。