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内藤 誠二 院長の独自取材記事

内藤病院

(渋谷区/初台駅)

最終更新日:2019/08/28

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新宿副都心の隣という立地の初台駅から徒歩約2分。静かな住宅地の中に建つ「内藤病院」は、周辺に夜間対応の医療機関がほとんどなかった時代に診療所として設立。以来、地域に根差し、初台の人々に親しまれてきた病院だ。1940年から「内藤病院」となった同病院を現在引き継ぐのは、初台生まれ、初台育ちの3代目、初代院長の孫にあたる内藤誠ニ院長。「地域の人たちが、いつでも気軽にかかれるかかりつけ医」であることを使命として、外来はあえて特殊な専門性を持たず、すべての医師が内科・外科の垣根を越えて総合的に診るプライマリケアを実践。53床の病床を持ち急性期治療に対応するほか、訪問診療や看護を含めた退院支援、退院調整の充実に院をあげて取り組んでいる。内藤院長に、地域医療への思いや今後の展望を聞いた。
(取材日2018年11月16日)

初台の住民に寄り添う「かかりつけ病院」

まず、病院の特徴から教えてください。

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「地域の方々がいつでも気軽に頼れるかかりつけ医であること」を大事にしている病院です。「かかりつけ」というと、患者さん個人が通いやすいというイメージになるかもしれませんが、もう少し広く地域全体をみていくという意味もあります。暮らしている人も働いている人も合わせて、地域で何か困ったことがあればすぐにかかれる病院。患者さんの体や心に起きた問題を総合的に診て、ゲートキーパーとして地域の方々を病気から守り、健やかな生活を支えることが私たちの役割だと思っています。特にご高齢の方の場合、軽症でも生活に支障が出ることも多く、また症状によっては命に関わる危険性もあります。ですから、当院は急性期病院ではありますが敷居は低く、大病院とは違ってなるべく軽症と思われる方もお引き受けして、治療後は退院後の生活支援まで考え、地域にお戻しするよう務めています。

訪問診療・訪問看護にも力を入れていると聞きました。

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そうですね。範囲としては2駅ぐらい先まで、人数としては45人ほどなので、規模自体はそれほど大きくありません。ただこの数年間でスタッフも今までの「急性期の病院」という感覚から脱却し、老人ホームや訪問診療の先生方、ケアマネジャーとの連携も増し、今は「どうやって生活に戻ってもらうか」という退院支援に、病院全体で取り組んでいるところです。私も毎週訪問診療に出ていますが、強く感じるのは、特別養護老人ホームなどの施設と病院では患者さんの雰囲気が全然違うことです。同じ患者さんでも、病院にいた時と施設でお会いした時では、表情がまったく違います。また、看取りに向かう最期の時間、病院で点滴するのと、施設でちょっとだけでも口から食べてみるのとでは、包まれる雰囲気は全然違ってきます。その両方を診てきて、どこで医療から看取りに転換するがいいか、その価値観は人それぞれですが、医師として考える場面は多くあります。

企業健診や乳がん検診も積極的に受け入れているそうですね。

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地域で医療を必要としているのは決してご高齢の方だけではありません。初台周辺のオフィスで働く若年の患者さんも多いですし、ご高齢の方と若い方では支え方も違いますから、がん検診や区の健康診断、障害のあるお子さんの訪問診療なども行っています。外来に若い方がかかられる時に、どういう医療を提供していく必要があるのか。当院は全部で53床の小規模病院で、装備も限られていますので、そんなに高度な医療ができるわけではありません。だからこそ、生活を支える医療という部分だけはしっかり行い、より専門的な医療が必要な場合は大学病院や専門病院、リハビリや長期療養が必要ならそれが可能な病院という風にできないことは外と連携して、地域の人に適切な医療を提供していくこと、それが当院の役割だと考えています。

医療機関との連携にあたり、大切にしていることは何ですか?

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まずは、ご家族・ご本人の意向を尊重して医療を提供すること、退院時は生活支援まで考えてから紹介元の医院へお戻しすることの2つを大切にしています。当たり前なのことですが、ご紹介いただいた患者さんとその先生との信頼関係がありますので、その関係を尊重して診療にあたっています。そして、急性期治療が終わった後は紹介元の先生にお戻りいただけるようにしています。また、急性期医療を担うにあたり考えるのが、その方の生活に対する価値観です。例えば、若い人が救急病院に運ばれれば、ただちに必要な救命措置を行いますが、ご高齢の方の場合、救命措置が負担となり、その後の生活に支障をきたすこともあります。そのため、その方の意志が大切なのです。医療は人生の最期をどう迎えるかに関わっています。地域包括ケアの基本は、ご本人がどのように生活したいかを尊重することにあります。そこにどう医療が関わるべきなのか、常に考えさせられますね。

最後に、今後の展望についても一言お願いします。

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これからもまだまだご高齢者の患者さんは増えていきますから、まずは何とかスペースをとり、たとえ小規模でもリハビリテーションを提供できるようにしたいですね。ご高齢の方が急な発熱や肺炎などで1週間も入院すると、身体機能が弱り、前の生活に戻れなくなってしまうこともありますので、急性期治療の時からリハビリを行って、ADL(日常生活動作)が下がるのを食い止めたいと思います。また、ご高齢の方を支える医療を行っていくことは今までと変わりありませんが、より徹底して、スタッフみんなで実践していくことも大切にしたいです。地域に密着した当院のような病院は、患者さんが暮らしてきた生活の様子をより詳しく知ることが可能です。退院調整においても、事務的な対応ではなく、地域の方々と看護師やケアマネジャーが患者さんの背景を話し合い、患者さんが「自分の居場所に帰る」ためのお手伝いを、今後とも病院として取り組んでいきたいですね。

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