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小形 章 院長の独自取材記事

おがた耳鼻咽喉科

(横浜市港南区/港南台駅)

最終更新日:2024/04/09

小形章院長 おがた耳鼻咽喉科 main

JR根岸線の港南台駅より車で5分の港南台医療モール内にある「おがた耳鼻咽喉科」小形章院長は、大学病院や基幹病院で多様な症例に携わってきた耳鼻咽喉科のエキスパート。「心の通じる良質な医療で、今まで自分を育ててくれた患者さんに恩返しをしたい」と2017年に開業した。以来、豊富な診療経験や専門性を生かした診療と、小形院長とスタッフの患者第一の温かい対応で地域に受け入れられ、乳幼児から高齢者まで連日多くの患者が来院する。耳鼻咽喉科の症状から全身を診ることを重視する小形院長。今後は認知症のリスクとも言われる高齢者の難聴診療にも力を入れたいと意欲的だ。そんな小形院長に、開業の想いから今後の展望までをじっくり聞いた。

(取材日2023年12月13日)

身近な場所で心をこめて、耳鼻咽喉科診療を提供

まず、こちらのクリニックの特徴を教えてください。

小形章院長 おがた耳鼻咽喉科1

耳鼻咽喉科のかかりつけ医として、患者さんの悩みや不安を少しでも早く解決するお手伝いができたらいいなと考え、小さいお子さんから高齢の方まで幅広い診療を行っています。なんでも診る地域の開業医こそ、適切な治療につなげる診断力が必要と考え、診断や治療を支える新しい設備を導入しています。例えば、副鼻腔炎の診断にはエックス線を用いた画像診断で、副鼻腔炎による症状なのかアレルギー性鼻炎によるものなのかを診断して、効率的な治療をめざします。鼻血やアレルギー性鼻炎の改善を図る、電気メスを使った治療にも対応します。喉の違和感や声枯れが続くような時は、ファイバースコープで声帯ポリープや腫瘍の有無を調べ、必要に応じて手術や専門的な治療を受けられる病院を紹介します。

先生は耳の病気に詳しいと聞きました。

勤務医時代はがん治療と耳の病気を専門としてきました。ですから、例えば慢性中耳炎に対しては、鼓膜形成術の他に、低侵襲・短時間で対応する鼓膜穿孔閉鎖術も積極的に行っています。鼓膜の穴が比較的小さい人には、鼓膜穿孔閉鎖術を勧めることが多いですね。また、突発性難聴や急性低音障害型感音難聴、耳管閉塞症といった耳の病気の治療にも力を入れています。耳と関連の深いめまいについても、赤外線CCDカメラを用いる精密な眼振検査や、めまいの結果を数値化する重心動揺計を使った検査を導入して、症状の進行や改善状況を見極めて、患者さんにも明確に理解していただけるように診療しています。

こちらで開業された経緯を教えてください。

小形章院長 おがた耳鼻咽喉科2

長く大学病院や基幹病院に勤務してきた中で、前職の済生会横浜市南部病院には10年近く勤務していたので、開業するなら近いところがいいなという思いがありました。というのも、喉頭がんなどで喉頭を摘出して声が出なくなってしまった患者さんたちは、がんが治っても一般のクリニックにはなかなか足が向かないものです。それまでの治療の経緯も含めて、患者さんのことをよく知る自分が主治医としてその方の人生に関わっていきたいという思いもあり、南部病院にほど近いこの場所で開業しました。何十年も前に診た患者さんから連絡があれば、ありがたく思うと同時に責任の重さを感じつつ対応したいと思いますね。

かかりつけ医として耳鼻咽喉科の症状から全身を診る

診療する上でどのようなことを大切にされていますか。

小形章院長 おがた耳鼻咽喉科3

医学部受験の面接で「君はどんな医者になりたい?」と聞かれて「町医者になりたいです」と即答しました。その思いは変わらず、なんでも診ることのできる町医者でありたいと思っています。耳鼻咽喉科では乳児から高齢者まで患者さんも幅広く、治療法も薬から手術まであり、病気も中耳炎からがんまで、とにかくなんでもある科ですからね。そして、医療を通じて患者さんとより良いコミュニケーションを取るためには、せっかく来てくださった目の前の患者さんに喜んでいただける医療を提供しなければなりません。一方で、耳鼻咽喉科で本当に専門に特化した医師でないとできない治療は、1割程度と言われています。ですから私は残りの9割を自分で診られるようになろうと、無我夢中で幅広く学んできました。それが今、日々の診療に役立っていると感じています。

幅広く診る感覚を大切にされているのですね。

そうです。耳鼻咽喉科の症状だけでなく、全身を診る感覚で患者さんに接しています。例えば、めまいそのものは怖い病気ではないのですが、そこに隠れている脳や心臓の病気を見落とさないことが、めまい診療のポイントになります。耳鼻咽喉科は、脳神経外科や呼吸器内科から眼科や歯科まで近接する診療科が多い分野です。患者さんにとって身近な町医者ならではの視点から、他の診療科との連携を大切にしていきたいと思っています。患者さんが思われている以上に耳鼻咽喉科にはオールマイティーな面があることをお伝えしていきたいですね。

子どもの患者さんと接する際はどのような配慮をされていますか。

小形章院長 おがた耳鼻咽喉科4

話してわかる年齢であれば、たとえお子さんであっても、まずは納得してもらえる説明を心がけています。「先生は絶対にうそはつかないよ。痛くならないように先生も頑張る。だから、きみも怖いのは勇気を出して頑張ってもらえるかな?」と言うと、大抵のお子さんは頑張ってくれます。勇気を出してくれたお子さんには「えらかったね」と褒めます。お子さんは成功体験を重ねることで顔つきが違ってきます。子どもは賢いですから、治療が自分のために行われると納得すれば我慢もできるんです。お子さんに限らず、あくまでも治すのは患者さん本人なので、どのような患者さんともしっかり向き合っていこうと思っています。

子どもの風邪で、どのような場合に耳鼻咽喉科を受診したほうが良いでしょう。

風邪の症状が耳・鼻・喉の症状として表れている場合は、その部位の専門である耳鼻咽喉科に相談してほしいですね。特に小さなお子さんの場合は口呼吸がまだうまくできないので、鼻が詰まると大人よりはるかに苦しい思いをしてしまいます。そんな時はためらわずに耳鼻咽喉科を受診してください。小児科に行ったほうがいいのは、6ヵ月未満の乳児と、熱が高く肺炎になりそうな場合です。また鼻詰まりを放置すると中耳炎を合併することもあります。「熱もないのに鼻詰まりくらいで病院に行くなんて」と思われるかもしれませんが、言葉で訴えることもできず、苦しい思いをしているお子さんのためにも、早めの受診をお勧めしたいですね。

難聴や補聴器導入のサポートで、高齢者の悩みに対応

お忙しい毎日だと思いますが、先生のリフレッシュ法を教えてください。

小形章院長 おがた耳鼻咽喉科5

私は音楽が大好きです。特にクラシックやジャズが好きなのですが、最近は忙しくてほとんどコンサートに行けないのが悩みですね。少し時間が取れれば、家でのんびりと好きなお酒を飲みながら音楽を聴いていたいですね。それが今の私にとって最高の贅沢であり、何よりの気分転換です。

今後の展望について聞かせてください。

今、行っている診療の一つ一つをさらに充実させていくことに加え、志を同じくする信頼できる仲間と、良質な医療を利便性高くより多くの方に提供できるようにしたいと思っています。この先もずっと新しい医療を、患者さんにとって身近な場所で、心をこめて提供したいですね。力を入れていきたいのは、高齢の方の難聴の診療です。加齢によって、白内障と同様に多くの方が難聴になります。難聴を放置すると、日常的なコミュニケーションや危険を察知する能力に支障が出て生活の質が低下することに加え、認知症のリスクを高める可能性もあります。そこで聞こえを助けるのが補聴器ですが、補聴器は適切な指導を受けずに使い始めると、うまく使いこなせず、挫折される方がとても多いのです。補聴器導入のサポートを含め、聞こえの悩みにお応えしていきたいと思っています。

最後に読者にメッセージをお願いします。

小形章院長 おがた耳鼻咽喉科6

開業医として思うことは「高度な医療ではなく、良質な医療を提供していきたい」ということです。耳鼻咽喉科として良質であることはもちろんですが、同時に地域の皆さんに安心して通っていただけるような、良質な医療を提供できる町医者でありたいと思っています。長い診療経験の中で、私は患者さんに育てていただいたと思っています。今まで自分が医師として患者さんから学ばせていただいたことを、これからは感謝の想いで恩返しさせていただく番だと思っています。「病気ではなく、人を診る」の原点を忘れず、私が今まで培ってきたすべてのものを提供する気持ちでいますので、耳・鼻・喉のことはもちろん、めまいやふらつきなど気になる不調があれば、どうぞお気軽にご相談ください。

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