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藤原 けい 院長の独自取材記事

けいクリニック

(大阪市阿倍野区/天王寺駅)

最終更新日:2025/05/13

藤原けい院長 けいクリニック main

各線天王寺駅・近鉄南大阪線・大阪阿部野橋駅に直結する超高層ビル、その22階にある皮膚科が「けいクリニック」。デザイン性の高い広い待合室には、やわらかな青を基調とした配色が施され、大きなソファーが安らぎを感じさせる。藤原けい院長は内科でキャリアを積んだ後、改めて皮膚科で研修を受け、その後15年以上にわたり開業医として幅広い臨床経験を積んできた。「患者の症状だけでなく、気持ちにも寄り添いながら診察したい」と話す院長の穏やかで誠実な姿に惹かれ、年代を問わず、さまざまな皮膚疾患に悩む患者が相談に訪れている。同じフロアにある他の診療科や、近隣の総合病院とのネットワークも同クリニックの特徴だ。取材では、診療内容や医師として大事にしている姿勢について詳しく聞いた。

(取材日2017年9月7日)

心安らぐクリニックで、さまざまな皮膚疾患を診療

待合室は広々として、深みのある青色が洗練された落ち着きを醸し出しています。

藤原けい院長 けいクリニック1

以前は天王寺駅の上にあるビル内で診療していましたが、患者さんが増えてやや手狭になっていたこともあり、このビルの開業と同時に移転してきました。クリニック内は、親しい友人から、建築家の方をご紹介いただいて、デザインをお願いしました。その方が私の母校の先輩でいらっしゃったというご縁もあって、快く引き受けていただきました。もともと「クリニックは心落ち着く場所であってほしい」という思いがあったのですが、曲線を取り入れたやわらかなデザイン、深みのある青色の壁紙やソファーなど、ふっと安らげてかつすてきな空間にしていただきましたので、たいへん気に入っています。またスタッフと患者さんの動線が分かれたので、とても使いやすくなりました。

どのような患者さんが受診されていますか?

小さいお子さまからご高齢の方まで、幅広い年代の方が受診してくださいます。以前は年配の方が多かったのですが、移転後は場所柄もあるのか、20代から40~50代の方も増えていて、女性がやや多いですね。午前中はご近所にお住まいの年配の方、そして夕方は通勤途中の方やこの近辺で働いている方が中心になります。また、この阿倍野区はマンションが次々と建設され、転居して来られる若いファミリーも増えていますので、小さなお子さまもよく受診されていますね。

診療内容について教えてください。

藤原けい院長 けいクリニック2

一般的な皮膚疾患全般を診ています。アトピー性皮膚炎の患者さんは季節ごとに悪化する要因がありますので、こまやかな対応をさせていただきます。また夏場でしたらあせも(汗疹)、水虫(足白癬)、虫刺され、汗による皮膚疾患の悪化、ウイルス性のイボ(尋常性疣贅)などで来られる方が多くなりますし、お子さまではとびひ(伝染性膿痂疹)のご相談も増えますね。冬になると今度は乾燥に伴って皮膚のトラブルが生じます。それから若い方ではニキビのご相談も多いと感じています。もし重症であったり特別な治療が必要な状態であれば、近隣には専門性の高い治療ができる総合病院が多数ありますので、そちらに適宜ご紹介しています。

「患者の症状と気持ちに寄り添う」ことを心がけて

ニキビの治療を例に、診療の流れを教えてください。

藤原けい院長 けいクリニック3

基本的には、初診時にお話をお聞きしながら症状を確認し、患者さんの年齢や肌質に適した外用剤を処方します。場合によっては漢方製剤などを併用することもあります。同時に重要なのが、スキンケアや生活習慣に関する指導です。詳しく勉強している看護師がカウンセリング室などで、洗顔法やスキンケア、メイクの方法などをご説明します。時には、使用に適した化粧品やスキンケア製品など、女性であれば気になるものの診察では聞きにくいようなことも、看護師には相談してくださっているようです。看護師によるカウンセリングは、乾燥肌や敏感肌、手の湿疹などで受診される患者さんにも喜んでいただいています。患者さんには定期的に来ていただいて、経過を見ながら、なるべくきれいに治るように治療していきます。

生活習慣と肌のトラブルはどのように関係していますか?

恩師である石井正光名誉教授は、肌の健康には食事が非常に大事であると常々おっしゃっていて、時には厳しい食事指導もなさっていました。これはアトピー性皮膚炎やアレルギー性疾患の患者さんだけの問題ではありません。大学生や社会人の若い患者さんを診ていますと、一人暮らしで食事の内容が偏ったり、それ以前に3食きちんと食べていなかったりして、大変そうだなと感じています。基本的な食生活は、健やかな皮膚を保つ上で欠かせない要素のひとつですね。

先生が診察の中で大事にしていることを教えてください。

藤原けい院長 けいクリニック4

患者さんの話をよく聞くこと、同時に、医師の目で皮膚の状態をよく見ることを大事にしています。石井正光名誉教授は、患者さんを見る、つまり「訴えをよく聞く、症状をよく見る」ということを非常に大事にされていました。「患者さんの症状を見せていただき、話してくださることの中に治療につながる手がかりがある。患者さんをよく見ることは、われわれにとって勉強させていただくことだ」と。患者さんの症状だけでなく、気持ちにも寄り添いながら診察される素晴らしい先生でした。特にアトピー性皮膚炎や慢性的な皮膚疾患は、患者さんの日常生活への影響が非常に大きいですし、逆に心の持ちようが症状に反映されることもあります。その先生にはとても及びませんが、先生が大事にされていた姿勢は、私のような開業医であっても心がけることができると思いながら、日々診療しています。

他院とも柔軟に連携、患者の役に立てるクリニックへ

最近、印象に残ったできごとがありましたら教えてください。

藤原けい院長 けいクリニック5

病院との連携の話になりますが、お顔の皮膚炎が重症化してしまいお困りだった患者さんを、大阪市立大学医学部附属病院の皮膚科にご紹介しました。紹介先の先生が原因究明のために熱意をもって検査にあたってくださったことがありがたく、その後患者さんの笑顔も見られてとてもうれしかったです。

では、この場所ならではの連携はありますか?

複数の診療科のクリニックが集まったフロアですので、各科の先生方に気軽にご相談したり、患者さんをご紹介できることはとてもありがたいですね。皮膚症状で当クリニックに来られても背景に内科疾患がある場合がありますし、アレルギー性の皮膚疾患の患者さんについては、耳鼻咽喉科や呼吸器内科、アレルギー科との連携がやはり多くなります。帯状疱疹(ほうしん)がお顔に出ると目への影響が気になりますが、眼科の先生にもすぐご連絡できますし、小児科クリニックとは患者さんを相互にご紹介する機会も多くなっています。患者さんも、待ち時間を上手に利用しながら複数の科を受診されているようです。

先生が皮膚科の医師になられた経緯をお聞かせください。

医師であった父を見ていましたので、物心ついた頃から医師に憧れ、中学生の頃には医師になると決めていました。医師が人のお役に立てる仕事、喜んでもらえる仕事であることを、父の姿を通して感じていたのだと思います。大学卒業時点では内科と皮膚科に関心があってたいへん迷ったのですが、消化器内科で研修をさせていただき、大学院も修了しました。しかし皮膚疾患への関心も持ち続けていて、大学卒業後10年ほどたってから皮膚科の医局に入局させていただきました。おかげで皮膚科の医師として今に至っています。

今後の展望をお聞かせください。

藤原けい院長 けいクリニック6

皮膚科に移ってからは、子育てしながら研修期間を過ごしました。当時は無我夢中でした。医局の先生方に随分と助けていただきました。いずれは何かの形で、後輩の先生方の手助け、恩返しができればと思っています。それから、最近では皮膚科領域でも今までとは異なる新しい治療薬が開発されています。これからも勉強会などに積極的に参加して、新しい治療法も取り入れていきたいですね。同時に、日々の診療ではこれからも「患者さんのお話をよく聞く、症状をよく見る」ことを大事にしていきますので、ちょっとした皮膚のトラブルでも些細なことだと思わずに、気軽に受診していただきたいと思います。

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