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長田 博史 院長の独自取材記事

ナガタ歯科医院

(渋谷区/渋谷駅)

最終更新日:2021/10/12

長田博史院長 ナガタ歯科医院 main

渋谷の宮益坂を上った先に位置する「ナガタ歯科医院」。自身が生まれ育ったなじみ深い土地で地域医療に貢献する院長の長田博史先生は、自他ともに認める話し好きの先生で、取材中も「ちょっと脱線するけれど」と、時に質問とは違う方向に話が飛ぶこともしばしば。しかし最終的にはきちんと答えにつながっている。思うに長田先生は何かを伝えるために、いろいろな具体例を並べながら相手にわかりやすく話す術を心得ているのだろう。歯科医院だから歯の治療をしてもらうのは当たり前である。けれど、一生この先生に自分の歯を診てもらいたいと思うためには、きっとプラスアルファの何かが必要だ。その何かを長田先生は持っているのではないか。そんなことを感じさせてくれるインタビューだった。

(取材日2012年9月14日)

流行している治療でも、根拠の有無を見極める

先生はこの場所で生まれ育ったそうですね。

長田博史院長 ナガタ歯科医院1

祖父の代から90年以上この場所に居を構え、私自身も50年以上ここで過ごしております。渋谷は古くからのターミナル駅だけあって、当時から駅やその周辺ははやりの店や映画館などが数多くありましたが、小学校の頃から電車通学で駅を利用していた私にとって、渋谷は特別な場所ではなく日常を過ごす場所でした。ところが歯科大学に入り、このような環境での生活が必ずしも普通ではないことを感じるようになります。全国各地から学生が集まる中、自分の常識が周りの常識と一致するとは限らない現実に度々直面したからです。しかし、その経験のおかげで患者さんと相対した時、自分と相手の持つ基準の違いを意識する習慣が身につきました。また、その延長として医療の世界で当たり前とされていることや、流行している治療法に対し、それが本当に優れているものか検証することを心がけるようにもなりました。

医療に対しそのような考えを持つに至ったきっかけは?

大学卒業後2年目に運良く渡米し、当時学びたいと思っていた歯周病の研究で著名な先生の講義を聞く機会に恵まれたのです。そこで印象に残ったのは、臨床においては病理学・組織学・発生学などの基礎的な研究が重要であるということ。それは「根拠に基づいた医療」という概念で、今では当たり前のことですが、当時はまだそういった認識が薄く、歯科医師になりたての私にとってはまさに目からうろこ状態。以来、私の臨床における基本姿勢となりました。

先生のご専門は?

長田博史院長 ナガタ歯科医院2

私の専門分野は、入れ歯やブリッジといった失った歯を補う補綴です。大学を卒業後、大学院の補綴科で学びました。しかしながら、私が入局した当時の補綴科は、常勤・非常勤合わせて70〜80人の医局員が在籍する大所帯で、専門分野の枠にとらわれず自分でこだわりを持って診療をしている先生方が数多くいらっしゃいました。おかげさまで補綴以外の知識や技術も同時にたくさん学ぶことができましたし、中には天才的な器用さを持つ歯科医師もいましたので、見学しているだけで勉強になることも多々ありました。今振り返ると、当時の補綴科の医局に在籍していたおかげで、広く臨床の基礎を身につけることができたと思っています。

自分の体のリスクを知らない不幸を避けるため説明重視

歯科医師になろうと思った理由をお聞かせください。

長田博史院長 ナガタ歯科医院3

小さい頃から自然科学や生命の神秘に興味があり、中でも、なぜ病気になるのだろう、どうしたら病気を治せるのだろう? といった医学に対しての関心を持っていました。また、もともと世のため人のためになる職に就きたいという思いもあったので、医療の道に進んだのは自然な流れだったと思っています。その中で歯科を選んだ理由はその専門性の高さにあります。まず医師になるには大学受験をしなければならないのですが、それまで私は、医科の中に内科や外科があるように、歯科も医科の一分野と思っていたのです。しかし実際はそれぞれが独立した学部として存在しており、いざ受験するにあたり歯科だけが医科から独立していることにスペシャリストとして何か特別なものがあるのではと感じ歯科を選択。まだ15〜6歳の頃の感性ですので今思うと思い込みもあったような気がしますが、結果として歯科を選択して良かったと思っています。

1993年に開業され20年近くがたちますが、現在の患者層や主訴について教えてください。

患者さんは30〜70歳代でこの周辺にお勤めの方、またはお住まいになっている方が中心です。開業してから20年近くたった今、世間一般の患者さんの医療に対する意識は昔とだいぶ変わってきたと感じます。私の場合、治療の前に歯科の基礎的なお話をしてから治療を進めていきたいという考えを持っていますが、その点、私の診療所を訪ねてくださる患者さん方はその説明にきちんと耳を傾けてくださる優しい方がほとんどなので、歯科医師としてのやりがいを感じています。当院を初めて訪れる方では、やはり虫歯や腫れなどが原因の「痛み」を主訴として来院される方が多く、そのほかに痛みはないけれどお口の中の不具合を感じて来られる方も多くおみえになります。また、長年おつき合いをしていただいている方では、定期検診を兼ねてメンテナンスで訪れる患者さんもたくさんいらっしゃいます。

診療で心がけていることはありますか?

長田博史院長 ナガタ歯科医院4

開業にあたり、ぜひ実行したいことが2つありました。1つは、今どのような理由でどのような治療をしているかをしっかりお伝えした上で治療を進めていくこと。もう1つは、患者さんに自分自身の口の中の状態を知っていただくということです。歯科医院を訪れる患者さんは自分のお口の中に関する知識や情報をあまりお持ちでない方がほとんどです。そこでエックス線写真や口腔内写真などを活用してお口の中の構造や現状を簡単に説明しながら、主訴だけでなく、気づいたことがあればそれも含めて時間の許す限り説明をしています。そうすることで患者さん自身に自分のお口に関しての知識や関心を持っていただきたい、また自分の体のリスクを知らないままでいる不幸だけは避けていただきたい、そう考えてます。もちろん、説明後、治療を受ける受けないの選択は患者さんご自身にお任せしています。

信に足る歯科医師として、患者と長いつき合いを

印象に残っている患者さんやエピソードを教えてください。

長田博史院長 ナガタ歯科医院5

たくさんの患者さんの中から特定のケースを挙げることはとても難しいのですが、あえて挙げるとするならば、まだ私が若い頃に長いおつき合いをさせていただいたお年寄りの患者さんが思い出されます。近頃お姿をあまりお見かけしないなと思い、たまたま来院されたご家族の方に近況をお尋ねしたところ、「実は先日、病で亡くなりました」と告げられました。その話を聞いた瞬間、自分の身内が亡くなったかのような感情を抱きましたが、そのご家族は続けて「先生が母の歯をしっかり診てくださったおかげで療養中も心配することなく過ごすことができて本当に助かりました」と言ってくださったのです。まさに歯科医師冥利に尽きる瞬間でした。まだ私も若かったこともあり、患者さんとの関わりをしっかり持てたと初めて実感できた、とても印象に残る出来事でした。

休日はどのように過ごしていますか?

5歳になる双子の娘がおりますので、休日はできる限り子どもたちと時間を過ごしています。おかげさまで久しく聞いていなかった童謡や子ども向けの音楽にも耳を傾けるようになりました。今は自分だけの時間がなかなか取れないのですが、もともとはスキューバダイビングが趣味なんです。将来は子どもたちと一緒にダイビングができたら良いなと思ってますが、今はこうした自分の趣味はちょっとお休みして、娘たちと過ごす時間を大切にしています。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

長田博史院長 ナガタ歯科医院6

私は人と話すことがとても大好きです。それは性格によるところもありますが、なるべく多くの情報を患者さんにお伝えしたいという気持ちの表れでもあると思っています。ただ、「伝える」ことと「伝わる」ことは違いますから、自分の思いがきちんと伝わるように努力や工夫することを心がけています。そして、常々私は「信」という言葉を大切にしています。信念・信義・信用・信頼など、「信」には心のありようや人とのつながりを意味する言葉がたくさんあります。そういったことを日々大切にしつつ、その延長として、自分自身が患者さんにとって「信に足る歯科医師」でありたい。まだまだ未熟ですが、「伝える」「聞く」「信に足る」、この考えを基本として患者さんと長いおつき合いができる歯科医師をめざしています。

自由診療費用の目安

自由診療とは

インプラント治療/30万円~、マウスピース型装置を用いた矯正/30万円~

※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

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