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楢林 成之 院長の独自取材記事

ならばやしこどものアレルギークリニック

(神戸市東灘区/摂津本山駅)

最終更新日:2019/08/28

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摂津本山駅から徒歩6分ほどの場所にある「ならばやしこどものアレルギークリニック」。行きつけのフレンチレストランの跡地に開業したクリニックは、外観も内装もしゃれた印象だ。オレンジはアレルギー科、ブルーは一般の小児科と、科目で診療室への入り口が色分けされている。江戸時代から続く医師の家系に生まれたという院長の楢林成之(ならばやし・しげゆき)先生。「最終的に医師になるのは宿命だったと思うのです」と楢林院長。同院では日本アレルギー学会のアレルギー専門医として、アレルギー疾患の治療や予防接種にも力を入れる。優しく穏やかな楢林院長に、クリニックのテーマカラーを選んだ経緯や診療の際の心がけ、今後の展望など幅広く聞いた。
(取材日2019年2月8日)

歴史ある医師の家系に生まれたという宿命を意識する

オレンジ・白・ブルーを基調としたすてきなクリニックですね。

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テーマカラーを考えるにあたり、最初に思い浮かんだのはフランスの三色旗でした。そこで三色旗について調べてみると、オランダが起源という説もありまして。古いオランダ国旗は今のものとは異なり、オレンジと白とブルーで構成されていたんです。実は楢林家は代々医師の家系で、初代楢林鎮山はオランダ語の通訳もしていました。「これだ!」と思いましたね。また5代目の楢林宗建は、日本での種痘(天然痘の予防接種)の普及に貢献した人物です。予防接種といえば“針”ですので、マスコットキャラクターは“ハリネズミ”にしたんです。クリニック名の略語“NAC”は、英語表記の頭文字からとっています。僕は昔から特撮番組が好きで、MATやZATみたいなアルファベット3文字の通称をつけたかったんです。

先生は外国語大学を経て医学部に入られたと伺いました。

そのことについてはよく聞かれますね。外国語大学の3回生の時に、医学部に入り直すことを決意しました。当時はいろいろな思いがありましたが、今となっては最終的に医師になる宿命だったのではないかと思うのです。実は、うちが先祖代々医師の家系であることも、医学部に入る頃はおぼろげにしか知りませんでした。楢林家の先祖について詳しく知ったのは、医師として働き始めてからなんです。医師になった後も、万事が順調だったわけではありません。僕は自分の人生を、“紆余曲折の1本道”と言い表していまして。いろいろあったとはいえ、現在地にたどり着くことは決まっていたのかもしれないと感じるからです。ですから、医学部に入り直した経緯も、今ではもう、よく覚えていないんです。

なぜ小児科を選ばれたのですか?

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それも宿命でしょうか。僕の先祖は予防接種の普及にたいへん貢献した人で、それに最もなじみがあるのは小児科ですよね。といっても、研修医の頃は内科にも関心がありました。それでも、救急外来で同期が子どもを診察しているのを目にしたりすると、わけもなく悔しくなったりしたものです。ローテーション研修で小児科を回った時に、「子どものために働きたい」という自分の思いに気づきました。アレルギーを専門とするようになったのは、赴任先の病院でアレルギー外来を担当したことがきっかけですね。アレルギー疾患は、特定の臓器だけを診るわけではないため、さまざまなアレルギーによるお悩みを抱えている患者さんの声に耳を傾けることが求められます。そのため、「多くの人から気軽に相談され、皆さまのお役に立てる治療を提供したい」と思っていた僕には合っていたのかもしれませんね。

アレルギー疾患の総合的・継続的な診療に努める

どんな患者さんがいらっしゃっていますか?

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乳幼児の場合、アトピー性皮膚炎のお子さんが多いです。病気に気づいておらず、「肌がガサガサしてて、いろいろな病院に行ってみたけど、よくならないんです」と言われる親御さんもたくさんおられます。また、「他院で食物アレルギーと診断されたけど、どうしたらいいかわからない」という方もいらっしゃいます。高校生や大学生など、一般的な小児科より年齢の高い子の割合が多いことも当院の特徴です。当院では、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、気管支喘息、アレルギー性鼻炎を主に診ていますが、それらが重なっているケースも多々あります。ところが、成長に伴い内科などに通うようになると、総合的な診療が難しくなったりもします。ですから、当院では中学卒業後も継続して診るようにしているんです。

アレルギー治療の流れを教えてください。

まずはお肌の状態を診させていただくようにしています。最近、皮膚からアレルゲンが入るということがわかってきたからです。アレルギーの場合、肌をきれいに保つことが重要です。また、時間をかけて話をお聞きするようにも努めています。もし食物アレルギーの疑いがあれば、血液検査も必要になりますが、できるだけ初診時には行わないようにしています。初めての子に痛い思いをさせたくないからです。代わりにプリックテストという皮膚の検査を行います。血液検査だと結果が出るまで1週間ほどかかりますが、プリックテストなら痛みが少ない上に15分ほどで判定できるんです。病気の説明にも時間がかかりますので、今日は肌の話、次回は食物アレルギーの話など少しずつお伝えするよう工夫しています。

診療の際にはどんなことを心がけていますか?

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診察室に入ってこられたら、親御さんにもお子さんにもあいさつするよう心がけています。乳児であっても赤ちゃん扱いせず、「こんにちは」と声をかけるんです。話せる年齢に達していたら、ある程度自分で症状を話してくれますし、親御さんもフォローしてくださいます。子どもたちが症状を伝えやすいよう、いろいろな表情が描かれた“フェイススケール”も用いています。絵を指さしてもらって判断するんです。他に、痛みの程度を示した“ビジュアルアナログスケール”を使うこともあります。スケールを見せて、「元気なときは0ですごく痛いときが10としたら、今の痛みはどれくらい?」と聞くんです。子ども自身に答えてもらうことで、親御さんも気づいてなかったお子さんの悩みが明らかになることもあります。

子どもにも一人の人間として対等に接するよう心がける

予防接種にも力を入れておられるようですね。

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楢林宗建の子孫として、また、小児科の医師としての20年ほどの経験を通して、予防接種の有用性も実感しています。医師になりたての頃は、はしかをよく診ていましたが、今では診る機会が少なくなりました。また最近では水ぼうそうもずいぶん減ってきましたし、子どもがかかる感染症の中でも特に重篤な、細菌性髄膜炎という感染症もめったに診なくなりました。予防接種に対する不安を抱いている親御さんには、できるだけ丁寧にご説明するよう努めています。当院には、予防接種について専門的なアドバイスが可能な看護師も在籍しています。予防接種のスケジューリングなどを安心して任せられるので、とても助かっています。

今後の展望についてお聞かせください。

当院のことをより多くの方に知っていただければ幸いです。「こどものアレルギークリニック」と掲げると、一般の小児疾患で利用してくださる方が減るのではという不安がありました。小児科のクリニックがたくさんあるこの地で開業したのは、「アレルギーに特化した診療をしたい」という思いが強く、アレルギー疾患にお悩みで、どこに相談したらいいかわからずお困りの方にとってわかりやすい道しるべとなるようにしたかったからです。また、食物アレルギーの診断に欠かせない、食物経口負荷試験などを行っているクリニックは少ないのが現状。近隣の方はもちろん、遠方にお住まいの方でも気軽にいらしていただきたいです。

最後に読者に向けたメッセージをお願いします。

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当院のホームページでは、専門用語などは極力使わず、大人が自然に読めるような内容にしています。また、「患者さん」という言葉も使っていません。「子ども一人ひとりを対等の人間として扱いたい」という思いがあるからです。診療の際は、親御さんに対し、仕事を持っている同じ社会人として、敬意を表して基本的には「〇〇さん」とお名前で呼ばせてもらっているんです。お子さんに対しても、子ども扱いしたりせず、いつでも一人の人間として接するよう心がけていますから、安心してお越しいただければと思います。

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