青木 厚 院長の独自取材記事
あおき内科・さいたま糖尿病クリニック【東大宮院】
(さいたま市見沼区/東大宮駅)
最終更新日:2026/08/12
JR宇都宮線・東大宮駅東口から徒歩1分の場所にある「あおき内科 さいたま糖尿病クリニック」。糖尿病内科を中心に、内分泌代謝内科、一般内科にも対応し、健康診断で血糖値やHbA1cの異常を指摘された人や糖尿病が心配な人などが多く訪れている。院長の青木厚先生は、日本糖尿病学会糖尿病専門医として、血糖値だけでなく、インスリン分泌能やインスリン抵抗性、患者の生活背景を踏まえた診療を重視。患者が望む「減薬」やインスリン離脱についても、病態を見極めながら慎重に可能性を探っている。40代の頃に舌がんを治療した経験を生かし、患者の不安に寄り添う青木院長に、糖尿病診療への考え方やクリニックの特徴、今後の展開について聞いた。
(取材日2026年6月29日)
糖尿病診療に力を注ぐ青木院長の歩み
医師を志した理由と開業までの歩みを教えてください。

福井大学医学部を卒業後、長野県や神奈川県の病院で総合内科の診療に携わり、その後、埼玉県内の医療センターで糖尿病を中心とした内分泌代謝領域の診療経験を積みました。糖尿病は患者数が多く、診断されてから長く付き合っていく必要のある病気です。血糖値やHbA1cの数値だけでなく、食事や運動、仕事、家庭環境、そして患者さん自身の考え方も治療に大きく関わってきます。そうした病気に専門的に向き合い、患者さんの生活を支える診療をしたいと考えるようになりました。勤務医として経験を重ねる中で、より身近な場所で継続的に患者さんを診ていきたいという思いが強くなり、2015年に東大宮で開業しました。
糖尿病を専門に診療されているのはなぜでしょうか?
日本人はインスリンを分泌する力が弱い傾向があるとされ、糖尿病に悩む方は少なくありません。糖尿病は、血糖値を下げるためにただ薬を出せばよいという病気ではなく、その人の体質や生活習慣、インスリンを分泌する力、インスリンの効きにくさなどを総合的に見て治療を考える必要があります。だからこそ、専門的に診る意味が大きい領域だと感じています。私は糖尿病専門医として、血糖値やHbA1cの推移だけでなく、インスリン分泌能やインスリン抵抗性にも注目しながら、一人ひとりに合った治療を提案することを大切にしています。糖尿病の治療は長期戦だからこそ、患者さんが納得して続けられる治療であることも重要です。
ご自身も大きな病気を経験されたことがあるそうですね。

40代の頃、舌がんを経験しました。舌の裏側に口内炎のようなものができ、受診したところ、がんであることがわかりました。現在は治療を終えていますが、自分が患者の立場になった経験は、今の診療にも大きく影響していると思います。病気が見つかった時の不安や治療を受けるまでの戸惑い、医師の説明を待つ時間の心細さなどは、実際に経験してみなければわからない部分もあります。医師として何ができるかを簡単に語ることはできませんが、患者さんと接する上で、自分自身の病気の経験は大きいと感じています。診察では数値や検査結果を見るだけでなく、その方が抱えている不安にも目を向け、できるだけ安心して帰っていただけるよう心がけています。
通いやすい場所で専門的な診療を行うクリニック
糖尿病の治療が必要な患者さんに行き届くようにするために、先生が行っている取り組みはありますか?

東大宮で開業して以降、糖尿病を中心に多くの患者さんを診てきました。糖尿病は継続的な通院と生活管理が大切な病気ですから、患者さんにとって通いやすく、相談しやすい場所に医療機関があることはとても重要です。広いエリアで患者さん一人ひとりに適切なサポートを行っていきたいと考え、診療拠点を広げています。東大宮院とはまた異なる患者層の方々へ対応したいという想いから、2023年には浦和にも診療拠点を置き、さらに、2026年9月には池袋に分院を開業予定です。糖尿病に不安を抱える方や糖尿病治療中の方、薬やインスリンについて相談したい方が、必要な時に専門的な診療へつながれる体制を整えていくことが目標です。
御院ではどのような診療を行っているのですか?
糖尿病を専門とするクリニックとして、HbA1cなどの検査結果を短時間で確認できる体制を整えています。検査結果をその日の診察で共有できれば、患者さん自身も現在の状態を理解しやすく、食事や運動、薬の調整について具体的に話し合うことができます。数値の変化を患者さんと一緒に確認しながら、必要な治療をその都度考えています。そうした継続的な診療を支えるため、立地と検査体制の両面を重視しています。
来院される患者さんの傾向を教えてください。

東大宮院では、来院される方の約9割が糖尿病の患者さんです。受診のきっかけとして多いのは、健康診断で血糖値やHbA1cの異常を指摘された方や糖尿病ではないかと心配になって来院される方です。中には、ご家族に糖尿病の方がいて、自分も同じ病気ではないかと不安になり相談に来られる方もいます。実際には糖尿病ではないケースもありますが、心配な段階で受診し、現在の状態を確認することは大切です。糖尿病は自覚症状が乏しいまま進むこともあるため、健診で異常を指摘された時点で放置せず、早めに相談することで、必要な対策を考えやすくなります。不安がある方には、まず気軽に来ていただきたいですね。
生活習慣を見直し、減薬やインスリン離脱をめざす
診療する上で大切にしている方針を教えてください。

患者さんの話をよく聞くことです。糖尿病は血糖値やHbA1cなどの数値だけを見て終わる病気ではありません。食事や運動、仕事の忙しさ、家族構成、生活リズム、ストレスなど、日々の生活と深く関わっています。同じ数値であっても、背景が違えば必要な治療や続けやすい方法は変わります。また、不安を抱えて来院される方も多く、糖尿病そのものの相談だけでなく、生活上の悩みやご家族のことを話される方もいます。そうした話の中に、治療を続ける上で大切なヒントがあることも少なくありません。まずは患者さんが何に困っているのかを知り、無理なく続けられる方法を一緒に考えます。長く向き合う病気だからこそ、患者さんが納得し、安心して続けられる診療を心がけています。
糖尿病というと「1型」「2型」に分けられますが、治療法は異なるのでしょうか?
糖尿病を1型、2型という分類だけで捉えるのではなく、インスリン分泌能があるか、インスリン抵抗性が強いかという視点で病態を見ることが重要だと考えています。例えば、インスリン分泌能が残っていて、インスリン抵抗性が強い方であれば、食事や運動など生活習慣を見直すことで、血糖コントロールの改善が見込め、薬を減らすことも期待できます。一方で、インスリン分泌能が乏しい方に対して、無理に薬をやめることはできません。減薬やインスリン離脱は、患者さんが望むことも多いテーマです。自分が患者だったとしても、薬は少ないほうがいいと考えるのは自然なことだと思います。ただし、誰にでも同じようにできるわけではなく、病態を見極めた上で慎重に判断する必要があります。生活習慣の改善を徹底しながら、可能な方には負担を減らす治療をめざしています。
これから受診する方へメッセージをお願いします。

健康診断で血糖値やHbA1cの異常を指摘された方、糖尿病が心配な方、すでに治療を受けているものの薬やインスリンについて悩んでいる方は、早めに相談してほしいですね。糖尿病は自覚症状がないまま進行することもあり、放置すると合併症のリスクがあります。一方で、早い段階から適切に向き合えば、生活習慣の改善や治療によって状態の改善がめざせる可能性もあります。薬を減らしたい、インスリンを続ける必要があるのか知りたい、今の治療が自分に合っているのか確認したいといった相談でも構いません。実際に糖尿病ではない場合でも、不安を抱えたまま過ごすより、検査を受けて状態を知ることが大切です。困っている方や心配な方は、どうぞ気軽に受診してください。患者さん一人ひとりの状態を見ながら、より良い方法を一緒に考えていきたいと思います。

