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患者・家族ごとに異なる条件に
チームで対応する訪問診療

にじいろクリニック

(神戸市東灘区/摂津本山駅)

最終更新日:2025/11/13

にじいろクリニック 患者・家族ごとに異なる条件に チームで対応する訪問診療 にじいろクリニック 患者・家族ごとに異なる条件に チームで対応する訪問診療
  • 保険診療

高齢化に伴って訪問診療がクローズアップされる機会が増えてきた。とはいえ、利用した経験がない人の場合、訪問診療の実際については、ほとんどわからないのが実情だろう。在宅で必要な診療を受けられるのかと、心配する人も多いはずだ。専用の医療機器などの進化により、現在では訪問診療で対応できる範囲はかなり広がっている。ただし、個々の実情にマッチした訪問診療を提供するためには、患者・家族とのコミュニケーションはもちろん、看護職・介護職とのチームワークも欠かせないと「にじいろクリニック」の片山茂明院長。連携や情報共有を大切にしている片山院長に、訪問診療の基本的な知識や実際の診療の進め方などについて解説してもらった。

(取材日2025年10月8日)

検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!

Qどのような人が訪問診療の対象ですか?
A

年齢などに関わらず、医療機関への通院の難しい方が訪問診療の対象です。具体例を挙げると、当院の場合、脳梗塞で後遺症がある方、圧迫骨折で動けなくなった方、がんの末期でご自宅での療養を希望される方、認知症の方からのご要望が多いですね。人工呼吸器をつけている方や胃ろうのある方、寝たきりで褥瘡(じょくそう)、いわゆる床ずれの処置が必要な方、パーキンソン病の方なども、一般的には訪問診療を利用されるケースが多いと思います。また、特に疾患はないけれど、年齢を重ねて体力的に通院が難しいという方、糖尿病など通常は通院で対応する疾患の場合も、何らかの理由で通院困難な場合は訪問診療をご利用いただけます。

Q対象エリアや費用について教えてください。
A

対象エリアは、厚生労働省により医療機関から基本的に半径16キロ以内とされています。ただし、訪問診療を提供する医療機関の規模や受け持つ患者さんの人数、提供できる診療の種類などによって、一概には決められず、当院の場合は、神戸市灘区、東灘区、芦屋市となっています。東灘区については、山手のほうから六甲アイランド方面まで広範囲に対応しています。費用については、医療行為となるため健康保険が適用されます。金額は負担割合によって異なります。当院では訪問に関わる交通費は頂戴していません。また、公的サポートを受けておられる患者さんの場合は、診療は公費で賄われます。

Qこちらの訪問診療の特徴はどのような点にありますか?
A

当院は、「在宅療養支援診療所」の施設基準を満たしています。24時間365日体制で診療を提供できるのが特徴です。診療要請などは電話で行われることが多いので、クリニックの電話は24時間対応になっています。私の携帯電話の番号も患者さんやご家族また訪問看護ステーションにはお知らせしていますが、電話に出られないこともあるので、当院の電話にかけていただくほうが良いでしょう。電話で状況や容体などを確認し、時間的猶予があれば臨時訪問を計画しますし、急を要すると判断すれば、当院で救急要請や病院の手配を行うこともあります。転倒で骨折がないと判断した場合などは、経過観察を電話口でお願いすることもあります。

検診・治療START!ステップで紹介します

1電話での問い合わせ・相談
にじいろクリニック 電話での問い合わせ・相談

訪問診療について、問い合わせしたい、申し込みたいという場合は、クリニックに電話で連絡をする。病院などの医療機関、訪問看護ステーション・ケアマネジャーなどの介護施設からの連絡に加えて、患者の家族などから直接連絡することも可能だ。電話を通して患者の状態や疾患などについての聞き取りが行われ、訪問診療の必要性などが判断される。訪問診療の対象となる場合は、初回の訪問について日時などの打ち合わせも行う。

2初回の訪問
にじいろクリニック 初回の訪問

患者・家族が希望する場所に医師が訪問して、患者の状態などを確認。その際、主治医の紹介状があれば、疾患やこれまでの治療などについての情報が詳細に伝わるだろう。また、訪問診療においては、自宅などの生活環境についての情報収集が欠かせないため、居住形態や身近に世話をできる人がいるか、住居の中の段差やトイレの位置、手すりの有無といった具体的な設備についての確認もある。

3定期訪問の開始
にじいろクリニック 定期訪問の開始

相談内容、初回訪問の情報をもとに患者に合わせた訪問診療のプランを作成し、患者・家族の同意を得た上で訪問診療が始まる。訪問頻度は1ヵ月あたり2回が基本。同院では、曜日ごとにおおまかな訪問範囲が設定されている。患者の状態などにより違いはあるが、1回あたりの滞在時間は平均15分~30分程度。体温、脈拍、呼吸、血圧などの測定と身体診察はすべての患者に対して行い、必要に応じて血糖値測定や血液検査なども行う。

4問診と診療
にじいろクリニック 問診と診療

医師による身体診察の結果、当初の予定外の点滴や処置などの診療が必要となった場合は、訪問時に対応可能な場合もあれば、時間がかかる場合などは、訪問看護ステーションに対応を依頼するケースもある。場合によっては、他の診療科の医師の往診や病院の手配をすることもあるそうだ。容体が安定している患者の場合は、短時間で必要な診療が済む場合もあるが、日常会話を通して困り事などがないかの確認を行う。

5診察後の情報共有
にじいろクリニック 診察後の情報共有

結果については、本人・家族はもちろん、訪問看護師やケアマネジャーとも共有される。訪問の前に、訪問看護師などから「ここを診ておいてほしい」「ここが気になる」といった連絡が入ることもあり、診療後の看護職・介護職との情報共有は欠かせないそう。自宅療養のためには、医療職と介護職の間での密接な連携が必要と片山院長。継続的にチームで患者を見ることで、看取りの際も慌てず対処できるよう備えているという。

ドクターからのメッセージ

片山 茂明院長

訪問診療については、わからないことがたくさんあると思いますので、まずは一度お電話でご相談ください。私自身、10年間にわたって訪問診療を続けてきましたが、いまだに「こんなケースがあるのか」と思うことも多く、似たケースはあっても、患者さんやご家族によって、症状はもちろん条件やご希望なども異なります。このため、当院の提供する訪問診療が、ご要望にきちんとお応えするのが難しいケースもやはりあると思います。そうした場合には、患者さん、ご家族が何を求めておられるのか、どのような訪問診療を提供すべきなのか、丁寧な対話を通して擦り合わせていくことが必要です。わからないこと、不安なことなど遠慮なくご連絡ください。

片山 茂明院長 にじいろクリニック
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