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山上 賢治 院長の独自取材記事

拝島やまかみクリニック

(昭島市/拝島駅)

最終更新日:2020/08/28

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拝島駅前のビル3階に入る「拝島やまかみクリニック」は2017年3月に開業。同院オリジナルのマークは、太陽をイメージした明るいオレンジの円に、和風で縁起の良い「あわじ結び」を表現した紐のデザインが組み合わされたもの。「紐を両側から引っ張ると強く結ばれることから、人との絆や日本の古き良き伝統を表現しました」と教えてくれたのは、地域のホームドクターをめざす山上賢治院長。医療の専門分化が進む中で「全身を診るスタンス」で、幅広い年代のさまざまな訴えに対応している。開業から3年たち、地域の声やニーズに応えるべく奮闘する同院は着実に地域に根づいてきている。開業してからの地域医療のあり方など、さまざまな話を山上院長に聞いた。
(取材日2020年6月25日)

地域のホームドクターとして頼りにされる存在に

こちらで開業したのはどういうご縁ですか?

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この地域で15年以上にわたって立川市やあきる野市など多摩地区で地域医療に携わってきたので愛着があったこと、そして患者さんと引き続きお付き合いしたかったことからこの場所を選びました。当院のビルは、駅ロータリーの目の前であり、タクシー、バス、自転車、自家用車、徒歩のいずれの手段でも容易にアクセスできます。駅前なので地元の方々から通勤・通学の会社員や学生の方にも利用していただきやすいと思いました。開業してからも近隣の昭島市や福生市に在住の幅広い年齢層の方々が多く来院されています。

開業してから3年たちますが、振り返っていかがですか?

日々の診療に加えて経営や労務といった慣れない業務を手探り状態でこなさなくてはならず、慌ただしく時間が過ぎていきました。経営者という視点で判断しなければならない場面が増えて勤務医時代とは勝手が違いますね。ただ、卒後20年間は大学病院から診療所までさまざまな規模の医療機関で経験を積んできたので自身の開業の際に生かせたのは良かったと思っています。責任もかかってきますが裁量も大きいので、良いと感じたことはすぐに実践できるし柔軟に対応することができるようになったので仕事にやりがいを感じられます。何より長く診ていた患者さんと再会し自分のめざす医療ができていると感じています。現在はコロナウイルス感染症の蔓延という事態に直面していますが、近隣の病院や医師会など関係者や職員とともに協力しながら乗り越えていかなければならないと考えています。

自分のめざす診療とは具体的にどういうものでしょう?

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身体的・精神的な面も含めて全人的かつ継続的に診る医療です。現代の医療は、臓器別に専門化し、さらに深く高度化・細分化が進んでいます。そんな時代だからこそ総合的な医療の重要性や在宅で看取る医療の必要性が増してきていると感じています。私がリウマチ・膠原病を専門に選んだ理由も、原因不明の全身疾患が多く、患者さんの症状と病態の関連性を考えるには良い科であると思ったからです。医療が進歩するほど薬剤や治療の選択肢は増えて複雑になるため、患者さんに十分な説明と同意を得る必要があります。さらに年齢や全身状態に合わせた最適な治療法を提案することが必要だと思います。同じ目線で寄り添うことで信頼関係を築けることがホームドクターとして大切なことと考えています。

最新でありながらスタンダードな診療を心がける

こちらにはどんな患者さんが来ますか?

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幅広く患者さんを診るスタンスなので、小学生から100歳を超えるお年寄りまで来院されます。近隣に住まわれている方はもちろん、前に勤務していたあきる野市や日の出町からも患者さんがわざわざ来てくれています。また一般的な感冒症状の他に、リウマチ科、呼吸器内科を掲げているため、関節痛や咳・たん・呼吸苦などでいらっしゃる方が多いのが特徴です。最近は近隣の病院からの逆紹介も多くなってきています。医師会に加入してからは、休日診療・市民検診・予防注射も行っているため、それをきっかけに当院に通院されるようになった方もいます。最近の傾向として、花粉症に加えてアトピー性咳嗽(がいそう)や咳喘息などアレルギー性の咳の方が増加しています。

訪問診療もされているそうですね。

はい。外来の合間を見て平日の昼に数件ずつ看護師や事務のスタッフと訪問しています。訪問診療は開業当初から前職の患者さんを引き継いで診療することから開始しました。地域の医療連携で欠かせないケアマネジャー、訪問看護師、理学療法士の方々などは顔見知りが多く、スムーズなやり取りができています。行政は高齢化が進む中、在宅医療へとシフトするよう勧めていますが、訪問診療、特に看取りまで行っている診療所はまだまだ少ないと思います。また患者さんは、生活環境・社会的・経済的な問題を抱えていることも多く、介護する側のご家族の立場も考えて対応していく必要があります。多職種と協力しながらチーム医療を行うので、やりがいも感じられ地域医療に貢献していることを実感できます。しかし、1人医師の診療所であるため疲弊せずに長く継続できるように模索しています。

診療にあたって心がけていることをお聞かせください。

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一つは、患者さんのお話をよく聞くことを心がけています。同じ目線で話しやすい雰囲気にすることが内科の診療では重要だと思っています。医療に関係のない話でも、診断や治療に重要な手がかりが隠れていることもあるので時間の許す限り聞いています。もう一つは、特殊な治療法を追いかけるのではなく、新しい治療であってもガイドラインに沿ったスタンダードな診療を行うことを心がけています。都心のように高度な医療機関が密集している地域ではないので、幅広い領域をカバーしながら検査や治療を完結させる必要があります。医療を効率よく提供するために、病院と診療所の役割分担が必要な時代になってきていると感じています。

設備面が充実しているようです。

施設面では、ビル内にエレベーターがありトイレも広くバリアフリー構造になっているため、車いすでも安心して来院することができます。さらに、院内の感染症対策として、ほこり、花粉、ウイルスに対応した医療用の空調機器を導入し安心できる清潔な環境を整えました。医療機器の面では病院でやってきたことが継続できるよう医療機器を選定しました。例えば、白血球数、生化学検査、CRPなどの結果が迅速にわかる院内の検査機器。そして関節リウマチの早期発見に役立つ関節超音波検査を取り入れました。

人生最終段階の医療・ケアを話し合っておく時代

医師をめざしたきっかけについて伺えますか?

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高校時代に私自身が大病を患ったことがきっかけです。高校1年生の時、骨肉腫の手術で足を切断し大腿義足になり、化学療法を受け入退院を繰り返しました。そうした経験から病気で悩んだり不安になったりする方々の力になりたいと考え、医師をめざすようになりました。医師になってから感じたのは大病を患ったことで、患者さんやそのご家族に優しく接することができるようになったと思います。つらい治療に伴う苦痛や恐怖や不安は、体験してみないとわからないことも多いと思います。

休日はどのように過ごしていますか?

休日であっても書類整理や経理の仕事をしたり往診していることが多いです。空いた時間は休養のために家でゆっくりしています。日本庭園や木造建築といった歴史や自然を感じる古風なもので気分が落ち着きます。近隣に旅行することがモチベーションになっています。また運動不足にならないよう、景色を見たり買い物したりと積極的に外出して歩くことを心がけています。

最後に読者へメッセージをお願いします。

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長い歴史の中では人類と感染症の戦いが繰り返されています。そのため社会や医療システムを柔軟に変化させながら、医療を施す側も受ける側も皆で協力して立ち向かっていく必要があります。このような時でこそ個人の多様な生き方や価値観を認め合っていくことが大切であると感じています。多くの高齢者の方々の診療を通じて、人から必要とされることで生きがいを感じ、人に感謝することで人生を豊かにされていることを教えられます。これからも微力ではありますが地道に地域医療に貢献してきたいと考えています。

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