患者の心身の負担軽減はもちろん
金銭面まで考慮する内視鏡検査
はまうづクリニック
(名古屋市東区/茶屋ヶ坂駅)
最終更新日:2025/05/12
- 保険診療
胃や大腸の病気を早期に見つけ、適切な治療へと導くのに有用な内視鏡検査。特に胃がんや大腸がんは年齢とともに罹患率が高まるため、早期発見が命を救う鍵となる。しかし、「痛い」「つらい」というネガティブなイメージから、検査をためらう人が多いという現状がある。こうした課題に対し、痛みや不安を軽減するだけでなく、金銭面まで考慮した内視鏡検査を行っているのが「はまうづクリニック」の濱宇津吉隆院長。豊富な知見と技術を有する内視鏡検査のエキスパートである。「苦痛が少ないのは当たり前、それでいて病変の検出率が高いクリニックをめざす」と語る院長のもとには多くの患者が訪れる。濱宇津院長に同院の内視鏡検査の特徴や検査を受けるタイミングなど話を聞いた。
(取材日2024年12月9日)
目次
病気を早期発見するために、「楽しい内視鏡検査」をめざすことで受診のハードルを下げる
- Q内視鏡検査を受けるべきタイミングについて教えてください。
-
A
▲苦痛が少なく、病変の検出率が高いクリニックをめざす濱宇津院長
胃については、まずピロリ菌がいるか、いないかを確認することが大切です。胃がんのリスクはピロリ菌の有無が大きく関わるため、ピロリ菌がいる方や過去に除菌した方は、年に1回の内視鏡検査をお勧めしています。ピロリ菌がいない方は、基本的に3年に1回程度でいいと思います。大腸のほうは、慢性的な持病がある方は、年に1回の検査が推奨されますが、それ以外の方は胃と同じく3年に1回程度でいいと思います。根拠としては、5年で2回の大腸内視鏡検査をすると、大腸がんの死亡リスクの低下につながるという米国の研究報告があります。このようなデータを加味すると毎年検査する必要はないといえるでしょう。
- Q胃の内視鏡検査ではどのような病気がわかるのでしょうか?
-
A
▲「楽しい内視鏡検査」をめざしている
胃がんや悪性リンパ腫、粘膜よりも深い消化管壁内にできる粘膜下腫瘍、胃潰瘍、十二指腸潰瘍など、さまざまな病気が見つかります。以前、喉はあまり注視されていませんでしたが、現在は咽頭がんや声帯がんも確認するのが一般的です。例えば声帯がんが進行すると、手術をしても声が出なくなってしまいますが、内視鏡によって早期発見できれば声帯の温存が期待できます。食道は食道がんや逆流性食道炎など。最近多いのが好酸球性食道炎という病気ですね。アレルギー性でひどくなると物が詰まって嘔吐することも。まだあまり知られていない病気で、原因がわからず悩んでいる方もいますが、適切に診断し治療することで生活の質の向上が望めます。
- Q大腸内視鏡検査ではどのような病気がわかるのでしょうか?
-
A
▲安心して暮らしてもらえるようにすることも内視鏡検査の目的
大腸がんや大腸ポリープ、炎症性腸疾患などですね。大腸がんの原因となる大腸ポリープはよく見られるもので、がん化する可能性のあるポリープは内視鏡検査の際に切除します。また、下痢や腹痛で来院される方が多いのですが、実は検査しても異常のないことがほとんどです。「重い病気が潜んでいるのでは……」と気になると、どんどん不安が増幅していくのが人間というもの。10段階で2程度の軽い腹痛でも、気になると6に感じてしまう方が本当に多いです。異常の発見はもちろん、異常がないことを証明することによって、安心して暮らしてもらえるようにすることも内視鏡検査の目的。気になることがあれば、まずは検査を受けましょう。
- Qこちらで行っている内視鏡検査の特徴について教えてください。
-
A
▲安心して検査を受けられる環境を整えている
「苦痛が少ない」は大前提として、もう一歩踏み込んで「楽しい内視鏡検査」をスローガンに掲げています。苦しいとモニターを見たり、説明を聞いたりする余裕もなくなります。さらに緊張していると、ちょっとしたことにも過敏になるなどメンタルが大いに関係するので、リラックスできる環境づくりに注力しています。検査は患者さんと一緒にモニターを見ながら進めますが、僕は最初から最後までずっと解説しますし、スタッフもお声がけします。「面白かった」「これなら毎日でも受けられる」と言っていただけたら、医師冥利に尽きますね。静脈内鎮静法による寝ている間の検査も可能です。ご希望に沿えるように、多くの選択肢を用意しています。
- Qポリープが見つかった場合の対応について教えてください。
-
A
▲さまざまな工夫により患者の負担を極力減らす
異常がなければ検査後の制限はありません。一方で、ポリープを取った方は出血のリスクがあります。出血すると、再検査や入院など大きな負担がかかるので、食事や運動制限が必要です。食べすぎに注意して、カフェインなどの刺激物はできるだけ控え、お酒は飲まないようにしましょう。力仕事の方も休む必要はありませんが、あえて運動するのはお勧めしません。また、ポリープには「取るべきもの」と「取らなくていいもの」があります。取れば取るほど、金銭的負担も出血リスクも高くなることもあり、当院では取るべきポリープを取り、取らなくていいポリープは取らないことで、患者さんの負担を極力減らします。

