伊地知 豊 院長の独自取材記事
いじち歯科
(堺市堺区/堺駅)
最終更新日:2026/08/13
大阪府堺市にある「いじち歯科」は、地元出身の伊地知豊(いじち・ゆたか)院長が2016年10月に開業し、乳幼児から高齢者まで幅広い年齢層の患者に歯科治療を提供している。開業以来、ユニットの増設や新たに矯正歯科を始めるなど、多角的に成長を遂げてきた同院。患者に満足してもらいたいとの思いから、情報収集や勉強に尽力し日々新しいことを取り入れながら発展を続けている。開業から10年を迎え、伊地知院長は診療に対する思いを新たにしたという。親しみやすい笑顔から、周囲を和ませる優しい人柄が伝わる伊地知院長に、開業からこれまでの軌跡や診療で大切にしていること、今後の展望などについて話を聞いた。
(取材日2026年7月7日)
開業から10年。老若男女を問わず頼れる歯科医院
開業から間もなく10年ですね。

2016年10月の開業から、その時々の患者さんに向き合いながら一生懸命診療してきました。気がつけば、もう10年になりますね。開業当初から将来的な増設を考えていましたが、3年目に隣のテナントが空いたことをきっかけに思い切って増設し、3台だったユニットは倍の6台となりました。その頃から、全国の歯科医師が集まる矯正歯科のスタディーグループに参加するようにもなり、患者さんの年齢に合わせた適切なアドバイスができる歯科医院をめざして、矯正歯科にも力を入れ始めました。現在は鼻から下全体を歯科の領域だと考え、包括的な診療をめざしています。
内装など、院内の環境面でこだわっていることはありますか?
歯科医院には、どうしても「怖いところ」というイメージがあると思っています。そのため、開業当初から、できるだけ優しい雰囲気にしようと決めていました。院内で「少し暗いな」と感じていたところは、増設の際に明るくなるよう手を加えました。また、院内のPOPも手書きにこだわっています。今はAIでなんでも作れる時代ですが、手書きならではの温かみを大切にしたいと思っているんです。スタッフにも協力してもらいながら、院内のあちこちから人のぬくもりが感じられるよう工夫をしています。
現在はどのような患者さんが多く通われていますか?

当院には、1歳半検診を受けたあたりの小さなお子さんから80代の方まで、幅広い年齢層の患者さんが来院されます。開業当初から通ってくれている方も多く、お子さんが成長していく姿もたくさん見てきました。その成長を見守りながら定期的にお口の中の状態を診させてもらえることはとてもありがたいですし、たくさんの歯科医院がある中で長年にわたって当院を選んで来てもらえていることは、何よりうれしいことですね。堺には昔から住まわれている方もいれば、新しく移り住んでこられた方、海外にルーツを持つ方など、さまざまな方が暮らしています。当院にも老若男女を問わず幅広い患者さんがお越しになりますが、これからも地域の皆さんにとって気軽に相談できる歯科医院であり続けたいと思っています。
デジタル化でめざす顎位を考えた機能的で包括的な診療
10年の節目を前に、診療に対する思いを新たにされたと伺いました。

当院は専門分野に特化する体制ではありません。それは一般歯科だけでなくインプラント治療や矯正歯科など、いろいろな分野について満遍なく対応できる歯科医師をめざしているからです。一方で、それぞれの分野には高い専門性を持つ先生方がおられるため、「めざす方向は本当にあっているのだろうか」と考えた時期もありました。しかし、ここ数年で歯科業界はデジタル化が急速に進み、各分野を横断して診療を行うゼネラリストの価値がこれまで以上に高まっていると感じています。例えば、所属する矯正歯科のスタディーグループでは、補綴や歯列矯正など診療分野の垣根を越え、顎位にこだわった診療を提唱しています。そこへデジタル技術やAIを活用することで、精度の高い診断や治療計画が可能になってきました。理想とする診療が、実現しやすい時代になってきたと感じています。そのことが、改めて学び続ける意欲や診療へのモチベーションにつながっています。
先生の診療方針を教えてください。
矯正歯科だけでなく、一般歯科でも顎関節や顎位にこだわった診療を行うことを大切にしています。たとえ歯列矯正を行わないとしても、矯正について十分に理解した上で一般歯科診療をすべきだと考えているのですが、この点は、これまで歯科の分野ではおざなりになってきた部分でもあると思うんです。一般歯科でも顎位にこだわることでトラブルが起こりにくい噛み合わせをめざせますし、顎位は包括的に診ていく上で、とても重要な要素だと考えています。より良い歯科医療をめざすのであれば、機能面も兼ね備えた診療は欠かせないでしょうから。
包括的な歯科診療をかなえるために工夫していることはありますか?

患者さんのお口を包括的に診ていくためには、デジタル技術の活用が欠かせないと考えています。特に今後は、蓄積されたデータをAIが分析する時代になっていくので、それに対応できる環境づくりも重要です。そのための下地作りとして、当院ではCTを先進のものに入れ替え、口腔内スキャナーも新しいものを導入しました。デジタルとAIはこれからの歯科業界を決めていく重要な要素だと感じているので、今後も先進の機器などは必要に応じて積極的に導入していこうと考えています。一方で、どれだけ技術が進歩しても、その結果を評価し、患者さんにとって本当に適切かを判断するのは私たち医療者です。だからこそ、新しい技術を取り入れながらも、日々の勉強や情報収集を続け、自分自身の知識や診断力も磨いていきたいと考えています。
一手先を読む想像力を大切に、患者主体の診療を
診療で大切にしていることを教えてください。

画一的な診療ではなく、人を見ることを大切にしています。例えば、抜いたほうがいい歯があったとき。歯科治療が怖いと感じている患者さんに伝える場合、「抜くしかありません」と「抜いたほうがいいと思います」では、同じことを話しても受け取り方が変わりますよね。たとえ抜いたほうが良かったとしても、抜かない選択肢もできる限り提示します。「これしかない」と思っても、それ以外の道を提示する努力を常にするようにしています。また、僕が提示した以外の選択肢を求めるのであれば、セカンドオピニオンは立派な権利ですから、他の先生への相談をお勧めすることもありますね。意識しているのは、必ず患者さんの逃げ道をつくること。もちろん医療従事者として譲れない部分もありますが、患者さんの体のことを決めるのは患者さんご自身です。できるだけ多くの選択肢を提示して、ご本人が納得できる治療を選んでいただくことが大切だと考えています。
患者さんと接する際に心がけていることはありますか?
患者さんとお話しするときは、一手だけ先を読むことを心がけています。自分がその行動を取ったり、その言葉を発したりすることで、患者さんがどういう感情を持つのかを想像する力を持っておくことが大切ということも常に考えています。この考えはスタッフにも伝えていますが、みんな実践してくれていると感じますね。例えば、受付でも事務的な話だけをするのではなく、積極的に日常会話をしてくれているのですが、受付から患者さんの笑い声が聞こえてくると、僕も非常に安心します。人と人とのコミュニケーションは鏡ですから、こちらが笑えば患者さんも笑ってくれるはず。当院のスタッフ同士の仲の良さは歯科医院の雰囲気に良い影響を与えてくれていると思います。
今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

当院の患者さんの多くは保険診療で通院されています。その中で必要に応じて矯正歯科やインプラント治療も取り入れながら、最終的には噛み合わせや機能まで含めて、お口全体を健康な状態へ導くことが目標です。診療方針に悩んだこともありましたが、これまで積み重ねてきた経験や学びを通じて、自分がめざす歯科医療の形が少しずつ見えてきました。歯科医療は人と人との関わりですから、すべての方に合う歯科医院になることは難しいかもしれません。だからこそ、さまざまな歯科医院の中から自分に合ったところを見つけて、より良い治療を受けていただくのが理想的だと思います。その選択肢の一つとして、当院に興味を持っていただければうれしいですね。
自由診療費用の目安
自由診療とはマウスピース型装置を用いた矯正(成人)・ワイヤー矯正/79万7500~86万3500円、小児矯正/8万8000円~、インプラント治療/1本あたり 44万円~

