井上 真意 院長の独自取材記事
真意デンタルクリニック
(熊本市南区/平成駅)
最終更新日:2024/07/31

熊本南警察署近くにある「真意デンタルクリニック」は、飲食店や衣料品店が並ぶくまもと食遊楽園というモールの中にある。井上真意(いのうえ・まい)院長が2020年に開業した同院は、アットホームな待合の先に、水族館をイメージしたという個室の診療室が並び、歯科クリニックが苦手な患者もワクワクするような雰囲気の院内だ。勤務医時代は知識と技術を懸命に学び、歯科医師としての責任感が養われたという井上院長。同院は「大切な人に通ってもらいたくなる歯科クリニック」をコンセプトに掲げている。同院が注力するのは歯周病治療。できるだけ来院される全患者に歯周病の予防や早期治療を呼びかけている。プライベートではミステリー小説が大好きで、2児の母でもある井上院長に、クリニックへの思いを語ってもらった。
(取材日2024年6月12日)
知り合いの歯科医師に憧れて同じ道へ
開業までの経緯について教えてください。

開業することは学生時代から決めていましたね。できれば子どもを産んでから開業したいとも考えていましたね。そもそも私が歯科医師をめざしたきっかけが、母親の友人でもある女性歯科医師に憧れていたからなんです。当時はまだ女性の歯科医師という存在は珍しかったのですが、その人の話を聞き、仕事に対する姿勢や活躍を見て、私もあんなふうになりたいと思いました。広島大学歯学部を卒業後は、恩師である上原亮先生の歯科医院で3年ほど修行しました。上原院長は「とにかく何でもやってみなさい」という先生で、虫歯治療から矯正、インプラント治療など、たくさんの経験をしましたね。熊本に来てからも、勤務医として水前寺にある松永歯科医院で多くを学ばせてもらいました。子育てとの両立に悩みながらも、とにかくがむしゃらに学びスキルを身に着ける努力をしました。その後、ご縁があって、ここ十禅寺にて開業することとなりました。
新型コロナウイルス流行の中でのオープンと伺いました。大変ではなかったですか?
実は当院の内覧会の前日に、初めて熊本で新型コロナウイルスの感染者が確認されたんです。ただ、そういう状況下でオープンしたので、もうそれが普通というか。感染症がはやっているから大変だったという感じはあまりしませんでした。除菌や消毒といった感染症予防については、歯科クリニックでは一般的なことですし。当院ではクラスBという、高レベルの滅菌機を導入しています。むしろ感染拡大が治まり、メンテナンスや治療を再開する人が増えてきたことで「開業するってこういうことなんだ!」と実感したほどです(笑)。ありがたいことに、今でも忙しくさせていただいています。
地域の印象について教えてください。

にぎやかな地域だと思います。国道の向かい側にも大型ショッピングセンターがありますし、当院がある場所は「くまもと食遊楽園」と呼ばれる、商業施設の集まったところで、年齢性別問わず、多くの方が利用されています。駐車場も広いですし、買い物ついでに治療・治療ついでに買い物という方も少なくありません。道を1本入れば住宅街が広がっているので、利便性はかなり高いと思います。
女性の歯科医師のニーズの高さを実感
どのような患者さんが多く来院されますか?

当院は比較的若い患者さんが多い印象です。60代ぐらいまでの方が多いですかね。それから女性の患者さんも多くいらっしゃいます。男性の歯科医師だと緊張したり怖くて話せなかったりという女性患者さんは少なくないんですよ。女性同士だから話しやすい・相談しやすいというのはあると思います。歯科恐怖症の方も、割とリラックスして来ていただけているんじゃないかと思います。診療室もすべて個室なので、安心して治療を受けていただけます。また、治療中に気分が悪くなった場合や、全身的な不安がある方も利用できるよう、当院ではリカバリールームも用意しています。
ここで受けられる治療について教えてください。
虫歯や歯周病治療といった、一般的な治療を行っています。当院に通われている患者さんは、まだ歯が多く残っている方が多いため、検査やメンテナンスを希望される方は多いですね。当院では歯周病治療に注力していますので、ほぼ全ての患者さんに歯周病検査・治療をお勧めしています。歯周病治療の必要ない方は、ほとんどいらっしゃらないと考えているからです。オールマイティーになんでも治療できるようにはしていますが、矯正については非常にテクニカルな分野だと考えていますので、専門の歯科医師をご紹介させていただいています。
診療する上で気をつけていることはありますか?

患者さんのお話をしっかり聞くことですね。まずは患者さんのお話を聞いて、何に困っていてどうしてほしいのかを考えていきます。患者さんが気になっていることをまず改善できないと、せっかく来ていただいた意味がありませんから。患者さんの困り事の原因を究明し、そこを治す努力は怠りません。そのためにはお話を聞いて患者さんの生活背景も知った上で、カウンセリングや検査を実施し、総合的に判断するようにしています。
歯科医師もスタッフも、常にスキルアップを心がける
スタッフさんについて教えてください。

スタッフとは月に1度、ミーティングを行っています。日々の情報交換はもちろんですが、定期的なミーティングで積極的な意見交換やアイデアを聞いているんです。患者さんが気持ち良く治療できるのはもちろんですが、スタッフにも楽しく仕事してほしいと思っています。スタッフが明るいと、それは患者さんにも伝わりますからね。またスタッフにはウェブセミナーを受けてもらい、治療についてのスキルアップを図っています。スキルの高いスタッフが多く在籍していますので、ぜひとも頼りにしてください。
先生がスキルアップのためにしていることはありますか?
以前は県外まで足を運んで勉強会に参加していましたが、今は仕事も子育てもあるので、なかなか県外に行くことが難しい状況です。だからこそ、便利なインターネットを活用しています。動画やオンラインでの勉強会など、探せばたくさんありますからね。情報サイトやSNSも積極的に使っていますよ。若い患者さんの中には「歯石取りの動画を見て、自分にも動画みたいな歯石があったら怖いと思って来ました」という方もいらっしゃいます。昔では考えられなかったことですよね。私も患者さんに教えていただくまでは知らなかったことなので、勉強になりました。インターネットで専門的な情報をすぐに見られるため、隙間時間で情報収集しています。新しい知識や技術を学ぶことはずっと楽しいですね。
最後に、今後の展望について教えてください。

開業して5年目を迎えました。ようやく新しいことや足りないところに目が向けられるようになってきた気がします。今後は治療の幅をもっと広げたいと考えています。そのためにも常に新しい知識や技術を学ぶ毎日です。それから歯科クリニックに通えていない方にも、積極的に来ていただけるクリニックになれたらと。女性の歯科医師というのは当院の強みですし、患者さんに厳しい歯科医師もスタッフもいません。患者さんと一緒に考えて、一緒に頑張っていくスタイルのクリニックです。いずれは治療だけでなく、定期的なメンテナンスなど、何も異変がないときでも来てもらえるようになったらうれしいですね。当院がめざすのは「大切な人に通ってもらいたくなるクリニック」。それが現実になるように、これからも精進していきます。