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鬼塚 良 院長の独自取材記事

おにつかクリニック

(太宰府市/西鉄五条駅)

最終更新日:2023/08/02

鬼塚良院長 おにつかクリニック main

西鉄五条駅から徒歩4分。モダンな外観が目を引く「おにつかクリニック」は、2016年に開業した。ナチュラルな木目と白を基調にした院内は、ゆったりくつろげるカフェのような雰囲気だ。同院を率いる鬼塚良院長は、産業医科大学を卒業後、北九州市立医療センターや福島労災病院などで研鑽を積み、日本消化器病学会認定消化器病専門医、日本消化器内視鏡学会認定消化器内視鏡専門医の資格を持つ消化器内科のスペシャリスト。特に内視鏡検査について専門性を備えており、苦痛の少ない内視鏡検査の提供に努めている。それと同時に、専門の枠にとらわれず、さまざまな疾患に幅広く柔軟に対応してきた。「めざすのは、なんでも診られる昔ながらの町のかかりつけ医です」と穏やかな笑顔で語る鬼塚院長に、診療にかける思いを聞いた。

(取材日2023年7月4日)

なんでも相談できる地域のかかりつけ医をめざして

外観や内装がすてきですね。こだわりを教えてください。

鬼塚良院長 おにつかクリニック1

患者さんが少しでも明るい気持ちでご来院いただけるよう、いい意味で「病院らしくない」クリニックにしたいと思ったんです。白を基調に木目柄を取り入れて、カフェのような親しみやすさとぬくもりを感じるデザインに仕上げました。天井を高くして、待合のスペースをゆったり取っており、くつろいでお待ちいただけます。それから、物理的な通いやすさにも配慮しました。院内はすべてバリアフリー設計で、車いすをご利用の方でも安心して受診いただけます。電車でアクセスしやすい立地ですが、敷地内に15台分の駐車場スペースを用意しているので、車での通院も便利です。エントランスに屋根つきのスペースを設け、雨の日でも濡れずにクリニックへ出入りできるよう工夫しています。

先生のこれまでのご経歴を伺えますか?

大学を卒業後、いくつかの地域の基幹病院に勤務し、消化器内科を専門として実績と経験を積んできました。特に注力したのが、胃と大腸の内視鏡検査です。内視鏡によるポリープ切除も多く手がけています。また、医局の教授が専門としていた肝臓内科についても、難しい症例の治療に携わってきました。ターニングポイントとなったのは、医師になって5、6年目の時。地域の中核病院に赴任したのですが、田舎でほかに消化器内科を診てもらえるところがないから、ものすごい数の患者さんが押し寄せてくるわけです。さらに、自分の専門領域以外の幅広い診療を求められて、対応力が鍛えられましたね。そこでの学びが、開業を考えるきっかけにもなりました。

どういったお考えで開業を決意されたのですか?

鬼塚良院長 おにつかクリニック2

現在は診療科が細分化し、専門的で高度な治療を受けられる反面、専門外の症状は相談しづらいという声が少なくありません。しかし、勤務医として働くうちに、どんな症状でも「専門外だから」と言わず、なんでもまずは相談に応じる姿勢こそが、僕にとって理想の医療だと気づいたのです。やがて、それを自分の力で実践したいと考えるようになりました。ここ五条は僕の実家も近くにあり、小さい頃から慣れ親しんだ町です。たまに実家に帰ってくると、お世話になった方々が高齢になられて「体調が気になるけれど、何科の病院に行ったらいいかわからない」というお悩みを聞くように。それで、恩返しといったらおこがましいけれど、地元に医療で貢献したいという思いで開業しました。医師1人でできることに限界はありますが、昔ながらの町のかかりつけ医のように、なんでも気軽に相談していただけるクリニックをめざしています。

専門性を発揮し、負担の少ない内視鏡検査を実施

どんな患者さんが多くいらっしゃいますか。

鬼塚良院長 おにつかクリニック3

近隣にお住まいで、70代から90代の方が中心です。親子や家族ぐるみで来られる方もいらっしゃいます。患者さん同士が知り合いということも珍しくありません。患者さんの主訴はさまざまですが、腹痛や下痢といった消化器症状はもちろん、高血圧症や糖尿病などの生活習慣病、「なんとなく不調で、とりあえず診てもらいたい」という方まで、幅広く対応しています。発熱されている方については、別に枠を設けて診療を行っており、そちらは若い方も多いですね。どんな症状であれ、基本的に「断らない」のがモットーです。まずはお話を伺って、より専門的な検査や治療が必要な場合は、患者さんのご希望を伺った上で適切な医療機関をご紹介します。

こちらで行う内視鏡検査について教えてください。

当院では、胃と大腸の内視鏡検査を得意としています。昔は不治の病というイメージが強かった胃がんや大腸がんですが、内視鏡検査で早期発見・早期治療につなげることで、治癒が期待できる時代です。例えば、胃がんの場合、小さな病変を早期の段階で発見できれば、開腹手術をしなくても内視鏡だけで治療が完結することも望めますし、大腸がんであれば、その予備軍であるポリープを早期に発見して切除することにつながります。また、ピロリ菌に感染していると胃がんの発症率が高くなるといわれていますが、ピロリ菌の有無を調べるためにも内視鏡検査は有用です。早い段階で発見し、除菌治療を行うことで、胃がんリスクの軽減が図れるのです。ご自身の健康や大切なご家族のために、ある程度の年齢になったら症状に関係なく、定期的に内視鏡検査を受けていただきたいですね。

内視鏡検査に苦手意識がある方も多いのではないでしょうか。

鬼塚良院長 おにつかクリニック4

内視鏡検査は定期的に受けていただくことが望ましいです。とはいえ、つらいとどうしても足が遠のいてしまうもの。検査のハードルをできるだけ低くできるよう、負担を軽減する工夫をしています。胃カメラには口から挿入する方法と鼻から挿入する方法があり、当院では両方に対応可能です。麻酔を使用して、眠ったままで検査を受けることもできます。また、大腸カメラでは、検査の前は何度もトイレに通わなければならないので、人目が気になる方、トイレを共有したくない方のために、トイレつきの個室を3室用意しました。内視鏡検査のつらさは、設備だけでなく医師の技量によっても大きく変わりますが、今までの豊富な経験を生かし、ゆっくり丁寧に操作を進めていくのでご安心ください。

患者一人ひとりと家族のような気持ちで接する

患者さんと接する時にどのようなことを心がけていますか?

鬼塚良院長 おにつかクリニック5

患者さんの話にしっかり耳を傾け、一人ひとりに合わせた診療を心がけています。どういった治療を良しとするか、健康への関心や捉え方は、人それぞれです。相手の価値観を尊重しながら、治療を行っていくことをめざしています。例えば、糖尿病の治療一つをとってみても、カロリー計算をきちんとできる方もいれば、面倒くさくて続かないという方もいらっしゃいます。「あれは駄目、これも駄目」とあまりに厳しくしすぎて、治療をやめたいと思われてしまっては元も子もありませんよね。頑張りすぎずに続けられる方法を一緒に考えていきます。説明する際に心がけているのは、専門用語を使わずにわかりやすい言葉で伝えること。患者さんの性格も考慮して、話し方も変えています。

スタッフの方にはどんなことを伝えていらっしゃいますか?

患者さんに対して、自分の大切な家族のような気持ちで対応することです。当院は高齢の方が多いのですが、小さな子どもに話すような言葉遣いで応対するのは感心しません。かといって、へりくだりすぎるのもいんぎん無礼で相手との距離を置く感じがしますよね。なので、1人の人間として尊重し、「自分の家族だったらどうするか」と考えて接するようにと伝えています。患者さんに気持ち良く来院してもらうためには、仲良くなることが一番じゃないかなと思うんです。そのためには自分から歩み寄ることが大切。こちらが心からの笑顔を見せれば、相手もうれしい気持ちになるじゃないですか。そこを大事にしてほしいということを伝えています。僕自身、いつも患者さんを好きになろう、仲良くなろうという姿勢で診療に臨んでいます。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

鬼塚良院長 おにつかクリニック6

地域に根差したクリニックとして、皆さんの健康に貢献できればと思っています。「こんな症状があるけど、どの科に行けばいいかわからない」という場合も、どうぞお気軽にご相談ください。内視鏡に関していえば、若い現役世代こそ必要な検査です。特にご家族のいらっしゃる方は背負っているものも大きいので、しっかりと検査を受けて、早期発見につなげていただきたいです。きつくて苦しいイメージのある内視鏡検査に対するハードルを低くできるよう、さらに努力を重ねていきたいと考えています。そうすることで気軽に足を運んでいただけたらうれしいですね。

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