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宗行 毅 院長の独自取材記事

むねゆき内科クリニック

(桑名市/星川駅)

最終更新日:2023/12/04

宗行毅院長 むねゆき内科クリニック main

桑名市南西部、員弁川の南側に位置する緑豊かなエリアに「むねゆき内科クリニック」はある。同じ一角には皮膚科や整形外科のクリニックもあり、町の医療モールとして地域住民に親しまれている。「医療機関の少ないこの地域に、気軽に受診できるクリニックをつくりたかったんです」と話すのは、宗行毅(つよし)院長。総合病院での豊富な診療経験を生かし、一般内科はもちろん、消化器疾患、乳がんを含む乳腺疾患、甲状腺疾患、外傷までさまざまな診療に対応している。めざすのは地域の健康を丸ごと管理できるクリニック。将来を見据えて地域医療の在り方を模索する宗行院長に、診療へかける想いを聞いた。

(取材日2019年12月19日)

慢性疾患の治療から内視鏡検査まで幅広く対応

開業までの経緯を教えてください。

宗行毅院長 むねゆき内科クリニック1

福井大学医学部を卒業後、三重大学医学部第一外科に入局し、同大学医学部附属病院や桑名市総合医療センター、松阪中央総合病院・伊勢赤十字病院・鈴鹿回生病院など各地の規模の大きい病院で勤務していました。主に携わっていたのは消化器・乳腺・甲状腺疾患の治療や救急医療です。また地方の民間病院では生活習慣病の治療や在宅医療にも従事し、総合的な診療の経験も身につけてきました。勤務医時代に広く研鑽を積むことができたのは良かったのですが、およそ4年ごとに勤め先が変わっていたので、そのたびに患者さんとお別れしなければならなかったのが残念で。一人ひとりの患者さんをずっと診ていきたいという想いが強まって、2017年にこのクリニックを開業しました。

この地を選んだ理由は何だったのですか?

いろいろな地域に住んできましたが、ここは人が穏やかで一番居心地が良く感じていたからです。その上、員弁川から南は医師が少なく、切望されていることは昔から知っていました。住宅や団地は多いのに、かかりつけにできるようなクリニックは少なかったんです。また桑名市総合医療センターに勤務していた関係で、近隣の病院と連携が取りやすいというのもメリットでした。当院では同センターのほか、市立四日市病院や、愛知県の海南病院などとも連携体制を整えています。

診療の特徴を教えてください。

宗行毅院長 むねゆき内科クリニック2

風邪やインフルエンザ、高血圧症、糖尿病などの生活習慣病、胃炎などなんでも幅広く診ていますが、私の専門である消化器や乳腺・甲状腺の疾患に関する検査・治療には特に注力しています。消化器の検査には苦痛の少ない経鼻内視鏡を使っていて、ピロリ菌の検査や除菌治療も可能です。またこの地域には乳がんを含む乳腺を診るクリニックが非常に少ないので、受診する患者さんが増えていますね。乳房のしこりや痛みなども専門的に調べて診断できますから、気になる方はぜひ相談していただきたいと思います。ほかには、禁煙や睡眠時無呼吸症候群の相談・治療、漢方薬による更年期障害の診療、外傷や痔など一般外科の処置も行っています。

患者さんの層はいかがですか?

近隣の団地には団塊の世代の方々や、その子どもの世帯がお住まいですし、古くからある住宅街には高齢の方々もたくさん住んでいらっしゃいます。ですから全世代の患者さんが均等にお越しになっている印象ですね。また大通りに面しているので、近くの市や町へ車で通勤している人が、仕事帰りに立ち寄られることも多いです。

外科の経験を生かし病気の診断をスムーズに

医師を志したきっかけと、ご専門について教えてください。

宗行毅院長 むねゆき内科クリニック3

父が医師で、父の仕事をする姿を見ながら育ったので、同じ道に進んだのは自然な流れでした。専門は外科を選んだのですが、それも麻酔科の父がよく外科手術の話をするのを聞いていた影響が大きいのかもしれません。外科の中でも消化器に興味を持ったのは、自分自身が子どもの頃、おなかを痛めやすく、「なんでおなかが痛くなるんだろう」というのが長年の疑問だったから(笑)。大学院でもその延長で、小腸のがんや遺伝子の変異について研究をしていました。

救急に携わった経験は、診療にどのように生かされていますか?

救急医療に携わった医師は、患者さんの状態を診て手術が必要なケースかどうかの判断がつけやすいのが強みです。現場は一刻を争いますから、症例を重ねると「これはまずい」「緊急に対処しなければ」という容体を嗅ぎ分ける嗅覚のようなものが身につくのだと思います。プライマリケアを担う地域のクリニックでは、病院に送るべきか否かの判断が一番悩むところですから、当時の経験は大いに生きていると感じています。また、がんの診断をつけて病院を紹介する場合には、今後患者さんがどのような流れで治療や手術を受けることになるのか、自分の経験をもとに説明することができます。そうすれば患者さんも事前に心積もりができますから、不安なまま病院へ移らなくて済むんじゃないかと思います。一般的な外科処置も当院でできるので、例えば消毒のためだけに総合病院へ通うというような手間を減らすこともできますよ。

診療の際に心がけていることは何ですか?

宗行毅院長 むねゆき内科クリニック4

当院を頼って来てくださった患者さんは、お子さんも高齢の方も含め全員診るということです。家族、地域を丸ごとここで診られるようにするのが目標です。患者さんは何か困り事があって来院されているのですから、まずはここで何らかの答えをお出しし、その上で治療したり適切な病院へつないだりといった対応をすべきです。もちろん、そのためにはほかの専門の先生の力も必要ですから、クリニック同士の連携も欠かせません。

近隣のクリニックとも、そのような連携を図っているのですか?

そうですね。幸いなことに、この近隣には同じ想いで地域医療に取り組んでおられる先生方がいらっしゃいます。隣の「おもと皮フ科」の先生とは偶然、同じ時期に開業を検討していた縁もあって、一緒にこの地で診療を始めました。そしてその後整形外科のクリニックも加わり、自然と今のような医療モールができ上がったのです。初めから意図していたわけではありませんでしたが、これは地域医療の拡充という点で非常に良かったと思います。今では両先生と定期的に会って情報交換していて、必要に応じて患者さんを紹介し合ったり、検査の画像データなどを共有したりしています。今後も新しいクリニックが入る予定で、将来はこの医療モールの中ですべてが完結できるようになるといいなと考えています。

地域の将来を見据えた診療を提供

クリニックの設備面で工夫されていることはありますか?

宗行毅院長 むねゆき内科クリニック5

待合室の熱帯魚の水槽は、待ち時間に患者さんが退屈しないようにと思って、クリニックを設計する最初の段階から入れてもらいました。何か動きがあったほうが楽しめるでしょう? また、開放感のある明るい雰囲気になるようにも配慮しています。一方、診療室は落ち着いた内装にしていて、プライバシーが気になる女性や感染症予防のために動線を分けて2室を設けました。なるべくお待たせしないよう、また院内で気持ち良く過ごしていただけるように、スタッフを含め接遇にも気を使っています。

今後の展望についてお聞きします。

開業当初から患者さんのニーズに合わせて診療の見直しを図ってきましたが、今後は地域の高齢化にも備えていく必要があると感じています。今診ている患者さんが今後一人暮らしになったら、動けなくなったら、というところまで想定し、その人に合わせてこちらから診療の仕方を変えていかなければならないと思うのです。地域に根差して診療を続けていくからには、患者さんが通院できなくなったら終わり、ではなくその先まで対応できなければなりません。そのため、今から高齢の方にはご家族がどこにいらっしゃるのか、誰か面倒を見てくれる人がいるのかといったことも伺ってカルテに記録するようにしています。ゆくゆくは介護施設などとも協力して、一人でも多くの方が安心して健康に生活できるようにしていきたいですね。

読者へのメッセージをお願いします。

宗行毅院長 むねゆき内科クリニック6

地域の皆さんにとって便利で、気軽に受診できて、安心を提供できるクリニックでありたいと考えています。ご自身やご家族の健康について気になることがあれば、気兼ねなくご来院ください。特にこのエリアには乳腺を診るクリニックが不足しているので、お困りの方はぜひご相談いただきたいですね。私は2次検診や手術の経験もありますから、初診でどこに診せればいいのかわからない人の受け皿になれると思います。女性に限らず、思春期の男子も乳腺の痛みなどの症状で受診するケースが多いです。病気でない場合にも、症状について丁寧に説明しますから、悩まずに遠慮なくお越しください。

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