山中 龍太郎 院長の独自取材記事
りゅうたろう歯科クリニック
(宮崎市/佐土原駅)
最終更新日:2022/01/07

JR日豊本線佐土原駅から車で3分、県道10号沿いに2016年に開業した「りゅうたろう歯科クリニック」は予防歯科に力を入れている医院である。西都市、新富町からも通いやすく、子どもから高齢者まで幅広い年齢層の患者が訪れている。同院のロゴマークは、山中龍太郎院長の趣味であるサーフィンからイメージしたもの。やわらかい印象で入りやすいクリニックにしたいという思いから、院内でアロマオイルをたくなど工夫を凝らしている。学び続けることを信条としている山中院長は熱意を持って歯科治療に向き合い、来院する患者だけでなく、マイナスゼロ歳児からの予防歯科として妊婦への情報提供も行っている。そんな山中院長に、歯科診療のことから出身地の千葉県から宮崎県に来たきっかけ、休日の過ごし方などさまざまな話を聞いた。
(取材日2021年12月1日)
地域に歯科治療が根づくよう熱意を持って診療にあたる
出身は千葉県とお伺いしましたが、なぜこの土地に開業されたのですか?

高校生の時から趣味でサーフィンをやっていて日向市の金ヶ浜で開催されているサーフィンの大会に出場するため、学生時代から宮崎県にはよく来ていたんです。大学を卒業し、歯科医師になって関東から宮崎に移り住み、大学の先輩のつながりで宮崎北歯科医院で働き始めました。その時、訪問診療でこの辺りの地域を訪れたのですが、僕が患者さんに提供したい診療スタイルに賛同し喜んでいただける方がまだまだいらっしゃると感じました。さらに開業することでこの地域に貢献できそうだと思い、ここを開業地に選びました。もともと僕が歯科医師を選択したのは、場所に縛られずに働ける職業だと思ったからなんです。趣味のサーフィンができる環境と妻との出会いもあり、出身の千葉から離れた宮崎でこうして開業することができました。
開業前と開業後でこの地域の印象はどうですか?
歯の健康に対する皆さんの意識が変わってきたかなと感じています。当院ではこれから先、何歳まで自分の歯を保ちたいかを患者さん自身に考えてもらい、患者さんの希望に寄り添いながら二人三脚で予防に取り組んでいます。最初はそのような歯科診療のスタイルになじみのない方もいらっしゃったと思いますが、当院の診療スタイルがクチコミなどでだんだんと周知されるようになり、来院する患者さんが増えてきました。今まであまり自分の歯の健康に関心がなかった方も「これからトラブルが起きそうなところを知りたい」と予防に興味を持ってくれるようになりましたね。
山中院長の得意な分野は何でしょうか?

当院では一般歯科診療全般を行っていますが、僕が得意としているのはかぶせ物の治療です。かぶせ物は歯周病の管理をしっかりとしなければなりませんので、歯周病のコントロールと適切な噛み合わせづくりの全顎的な視点が必要です。歯周病や虫歯はさまざまな研究でわかることが増えていますが、噛み合わせに関しては個人差がありますので患者さんと二人三脚で治療にあたらなければなりません。また歯をなくすことを極力防ぐため、周りの歯にほとんど負担をかけずに失った歯の機能を補うことをめざすインプラント治療にも力を入れており、新しい技術も積極的に学んでいます。年齢を重ねても若い時と同じように食事を楽しんでいる人がいる一方で、歯を失って物が噛めずに困っている人もおり、物がしっかり噛める幸せは大切だと感じます。
歯科医師をめざしたきっかけを教えてください。
父が歯科医師というのもありますが、歯科の勉強がすごく楽しいと感じたからです。どんな仕事も同様だと思いますが、やりがいは学びの中から生まれると思っています。当院では新しく入ったスタッフにプライベートを大事にすることを伝え、その上でできるだけ勉強の手助けをしています。新しい知識を得るとやりがいが生まれ、その知識を患者さんに還元することで患者さんに感謝される。このようにやりがいがあり患者さんにもありがとうと言われる職業はいいですよね。
予防歯科に注力。情報発信にも取り組む
診療の進め方について伺います。

痛いところはまず治療をし、その後、治療だけを希望されるのか、今後も予防やメンテナンスを通して歯の健康を一緒に考えていく当院のコンセプトに賛同してくださるかどうかを確認します。そして、予防を希望される患者さんには方針をしっかり伝えるために話を聞きに来るためだけの日をつくってもらっています。口の中を客観的に見る機会はあまりないと思いますので、定期検診では検査のほか、毎回お口の中の写真を撮って画面に映し、「昔はこうだったけれど今はこうなっていますね」と、経緯も含め口腔内の状態を説明していきます。また、血糖値や血圧、姿勢が悪くなったなど、歯科以外の変化にも目を配るようにしています。早く変化に気づくことで早期発見できる病気もあるので、地域医療における歯科医院の役割として、これからもそういった視点は大事にしていきたいと考えています。
「マイナスゼロ歳からの予防歯科」にも取り組んでいらっしゃるそうですが?
宮崎市の妊婦健診などで、迷惑でない範囲で当院のスタッフと一緒にたくさんの情報をプレゼントし、自宅へお持ち帰りいただけるようにしています。 妊娠中はわが子の健康や教育について考える機会があり、女性の学習意欲が高くなっていると僕は思っています。なので、この時期にお口の健康に関する知識を強要ではなく、あくまで選択肢としてお伝えしています。知っている方もいるかもしれませんが、祖父が糖尿病の場合、その子どもも糖尿病になる可能性が高くなることがわかっています。小さい頃から血糖値が上がりやすい生活習慣がついてしまうのですね。 このように「知ること」が生活習慣病の予防につながることもありますので、まずは知識を持ってもらうことが大切です。
このほか、診療の際に工夫している点などありますか?

できるだけ自分の歯を保てるよう、患者さんに選択肢を広く考えてもらいたいという思いから、当院のホームページでは自由診療の金額もわかりやすく提示しています。金額も含めて多角的に考えて判断してもらいたいですね。ただし、治療には利点と欠点がありますので、僕たち治療する側は特徴やリスクもしっかりと提示するべきだと思っています。そのためにもやはり勉強は必要ですね。また、たとえ保険診療で治療した部分でも、自由診療のレベルで意識するようにしてほしいです。そのくらいご自身の体のことに高い関心を持ってほしいと考えています。
土曜は夕方まで診療しているのですね。
平日だと通いにくい方もいると思いますので、土曜も診療しています。個人的に土曜の患者さんのほうがどちらかというと歯に詳しい方が多い気がしますね。メンテナンスに来るたびに、新しい情報はないのかと尋ねてくださる方がいらっしゃいます。平日の診療時間が短くなった分、スタッフにはプライベートの充実と勉強に充ててほしいと思っています。日々の診療に追われてやりがいを失ってほしくないのです。
今後も診療や啓発活動を通して地域の健康に貢献したい
休日はどのように過ごされていますか?

うちは3歳の長男がいて最近次男も生まれましたので、休日は家事を手伝いつつサーフィンと両立をしています。サーフィンは自分の健康づくりや気持ちの切り替えにもなっていますね。本当の意味でのリフレッシュはこういうことなんだと感じます。サーフィンは高校3年生から始めましたが、宮崎に来てから本格的にするようになりましたかね。
今後の展望をお聞きします。
定期検診にしっかり通ってくださる患者さんが増えているので、クリニックの増築が決まっています。また、虫歯を予防するためにはご家族の生活習慣などが大事になってきますので、しっかり歯科医師会と連携して啓発活動をしていきたいですね。糖尿病など歯科以外の病気に気づいたときは、医科との連携を図るなど、スタッフと勉強しながらできることを模索していきます。
読者へのメッセージをお願いします。

失った歯は二度と戻らないため、抜歯はできるだけ避けたいのですが、悪い歯を放置すると健康な歯まで害してしまうことがありますので、早期に対処する必要があります。あと、歯科医師が「様子を見ましょう」と言うのは様子を見ていても大丈夫な根拠があるからなのですが、患者さんのほうで「忙しいから様子を見よう」と判断してしまうのは危険です。口腔内の健康は体の健康にも関わりますから、歯を大事にしましょう。 また、通院する歯科医院はしっかりリサーチし、歯科医師と実際に会って相談した上で選ぶことをお勧めします。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/30万円~、セラミック/インレー3万5000円~、クラウン(臼歯)6万円~、クラウン(前歯)9万円~