内視鏡の専門家による
苦痛に配慮した大腸内視鏡検査
かわい内科・胃腸内科クリニック
(大阪市都島区/都島駅)
最終更新日:2025/02/13


- 保険診療
日本人の死亡原因で上位となる大腸がんの早期発見はもちろん、近年増加する潰瘍性大腸炎やクローン病といった難病の発見にもつながる大腸内視鏡検査。しかし、検査に伴う苦痛や恥ずかしさから、どうしても敬遠される検査の一つだ。都島区にある「かわい内科・胃腸内科クリニック」の河相直樹院長は、「受けたくないなという気持ちはよくわかります」と患者の心情に寄り添いながらも、同時に「それでも命を守るために受けてほしい」と言葉を強める。今は早期発見・早期治療ができれば治癒も見込めるといわれる大腸がん。それでもいまだ命を落とす人が多いのは「自覚症状がないから」。症状がない病気を見つけるために、日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医として精度にこだわった検査を提供する河相院長に、大腸内視鏡検査について詳しく話を聞いた。
(取材日2025年1月25日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q内視鏡検査はどのような人が受けるべきでしょうか。
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A
内視鏡検査は、小型のカメラを挿入して腸を観察し、大腸がんや潰瘍性大腸炎、クローン病といった腸疾患の早期発見・早期治療につなげるために非常に有用な検査であり、多くの人に受けていただきたい検査の一つです。中でも40歳以上でこれまでに一度も内視鏡検査を受けたことがない人は、ぜひ一度受けていただきたい。また、健診で便潜血陽性だった人は、症状がなくても早急に受診して詳しい検査を受けてください。ほかにも大腸がんや大腸ポリープの既往歴がある、便秘・下痢を繰り返している、腹部の違和感や痛み・張り、急激な体重の減少、食欲の低下、便の色や形状の変化がある場合も早めに受診し、検査を受けましょう。
- Q大腸内視鏡検査は痛い、つらいというイメージがあります。
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A
残念ながら内視鏡検査は、たとえ日本一上手な先生が担当しても苦痛はゼロにはならない検査です。そのせいで、経験者の中には「二度と受けたくない」と思っている人が少なからずいらっしゃいます。そこで当院では、検査に伴う苦痛の軽減をめざして鎮静剤を使用するほか、おなかの張りが残りにくい炭酸ガスの使用、スムーズな挿入をアシストする内視鏡システムの導入、痛みが少ない軸保持短縮法の実施など、さまざまな工夫を行っています。苦手な人が多い下剤についても複数用意していますが、どうしても無理な場合は食事管理で下剤の量を減量することも可能です。検査には看護師が3人つきますので、不安などを相談しやすい環境も整えています。
- Q繰り返し検査を受けることに意味があるんですね。
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A
大腸がんは罹患しても、早期発見・早期治療できれば、その後、今までのように日常生活を送れることも十分期待できます。にもかかわらず亡くなられる方が非常に多く、男性は肺がんに次いで2位、女性ではなんと1位です。これは大腸がんにはほとんど自覚症状がなく、検査をしなければ発見することができないからなんです。検査で便潜血が陽性になっても「症状がないから大丈夫だろう」「痔だろう」と放置し続けた結果、数年後に慌てて駆け込んでくる人が後を断ちません。大腸がんに関しては「症状がない」は非常に危険な考え方ですから、便潜血を指摘されたら必ず受診し、その後も定期的に検査を受けて大腸がんの予防につなげてほしいと思います。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1問診と検査説明
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まずは外来を受診し、症状や検査結果について問診を受ける。健診の結果がある場合は、忘れずに持参したい。診察で内視鏡検査が必要だと判断された場合には、検査日程日ついて相談し、検査についての説明を受ける。検査当日は車、バイク、自転車の運転は安全のため禁止となるため、交通公共機関を利用するなど、移動方法についても確認しておこう。
- 2検査準備
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検査前日の夕食は20時までに消化の良いものを。何を食べれば良いか不安な人には、準備食も提供可能とのこと。就寝前には下剤を飲み、検査当日は指示のあった時間までに腸管洗浄液を約2時間かけて服用する。自宅での服用も可能だが、初めての人や不安な人は、クリニックの前処置コーナーで看護師のサポートを受けながら飲むこともできる。
- 3検査を開始
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排便内容が透明な液体だけになり、便意もなくなったら検査技に着替えて準備は完了。希望者には適量の鎮静剤を静脈内に投与し、程なくして検査開始となる。検査時間は20~60分程度と、腸の状態によって検査順序が前後することも。切除可能な大腸ポリープがあれば同時に切除する。
- 4リカバリー
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検査直後は腸の中にガスがたくさん入っている状態となるので、おなかが張った状態に。これは検査のために機械から出たガスなので、臭いもない。我慢せずに出すことでおなかの張りは和らいでいくとのこと。麻酔を使用した場合は、麻酔から回復するまでリカバリールームで休憩。意識がはっきりしたら診察室へ移動する。
- 5検査結果の説明
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検査画像を見ながら医師から詳しい説明を聞く。問題がなければ次の検査は数年後となることも。ポリープを切除した場合は、後日あらためて精密検査結果の説明が行われる。帰宅後は疲れていることが多いので、激しい運動や判断力が必要な仕事などは控えるように心がけたい。