白水 一崇 院長の独自取材記事
しらみず歯科クリニック
(鳥栖市/鳥栖駅)
最終更新日:2025/02/28

鳥栖駅から徒歩5分、クリニックの前には8台分の車を停められる駐車場を有する「しらみず歯科クリニック」。福岡方面に出勤する自動車が多く走る通りに面し、同院には日々多くの患者が訪れる。地域のかかりつけ医として幅広い診療を担う白水一崇院長は、気さくな人柄が魅力の歯科医師。患者との対話の時間を大切にし、本人の気持ちを考えながら治療やメンテナンスの計画を立てている。そんな院長が近年取り組んでいるのが予防歯科。とりわけ小児の虫歯予防に力を入れたいと考え、有益な知識を患者に伝えるため、診療の傍ら学びの場に足を運んでいるそうだ。理想とするのは0歳からの付き合い。口腔の健康維持に向けてどのようにアプローチし、継続的な予防につなげていくのか、同院の特徴とともに聞いた。
(取材日2025年1月15日)
まずは受診して、「予防のきっかけ」をつかんでほしい
初めに、こちらのクリニックについて教えてください。

当院は虫歯・歯周病治療をはじめとする一般歯科からインプラント治療、矯正といった自由診療まで、一通りの診療を実施しています。地域のかかりつけ歯科医院、お口の健康の相談窓口として皆さんのお役に立ちたいと考えていますので、定期検診はもちろん、歯が痛いなどのお困り事や歯を白くしたいなどのご希望があれば気軽にお越しください。高度な治療が必要なケースや難症例をすぐに専門家にご紹介できるよう、周辺医療機関との連携体制もしっかりと整えています。医院理念は、生まれた時からお年を召されるまで、患者さんの歯を予防中心の診療によって守ること。残念ながら虫歯になってしまった場合は、なるべく削らずに歯を残す方向で治療を進めます。そして自分がされたい、家族にしたいと思うような治療を提供するのがモットーです。
機器や設備など、クリニックづくりにおけるこだわりも伺います。
患者さんのプライバシーを大切にしたいという思いから、診療室を全室個室にしたのが一番のこだわりです。周囲を気にせずリラックスして治療に臨める空間があり、お子さんの治療ではご希望に応じて親御さんが一緒に診療室に入ることも可能です。機器に関しては、治療の際に生じる痛みに配慮して、表面麻酔や細いタイプの注射針を使用。最近は笑気麻酔も導入しました。他にも口腔内スキャナー、詰め物・かぶせ物を削り出す機械、ホワイトニングシステムなどの設備を都度更新しています。こうした診療環境のもと、近年は審美的な治療のニーズにも多くお応えしている状況です。しかし自由診療を充実させようという考えはまったくなく、どんなお悩みであれ、まずは受診いただくことがすべての「きっかけ」になると信じて幅広い分野に対応しています。
具体的に、何のきっかけになるのでしょうか。

受診して診療を受けると、症状の改善につながったり口元がさっぱりしたりしますよね。すると患者さんの中で「その状態をキープしたい」という気持ちが自然と生まれ、その後もメンテナンスで歯科医院へ通う理由ができます。だからこそ、ホワイトニングなどはあくまで一つの「予防のきっかけ」に過ぎません。最終的には当院が重きを置いている予防歯科を受けていただき、患者さん一人ひとりと長くお付き合いできたらいいなと思っています。予防歯科では現在7人の歯科衛生士が活躍し、私も患者さんへのごあいさつや最終チェックなどで関わっています。より手厚いケアができるよう、メンテナンスの時間も30分から45分に拡張しました。
0歳からの予防で虫歯をゼロに。だからこそ啓発に注力
特に小児の予防歯科に取り組まれているそうですね。

近頃は一般的にも、0歳から子どもの予防が重要であるといわれています。歯科トラブルが起きなければ将来の時間的・身体的・金銭的な負担が減り、人生をより快適に送っていただけますので、当院でもお子さんの虫歯ゼロを目標に掲げ、小児の予防歯科の強化に踏みきりました。また、当院のすぐ近くには妊婦健診を実施している産婦人科クリニックがあり、ついでに当院で妊婦歯科検診を受ける方も多くいらっしゃいます。こうした立地を生かして妊娠中からお母さんに啓発し、出産後は早期からお子さんのお口に介入したいですね。治療が必要な場合は最小限にとどめ、できれば予防のみで済むようにうまくサポートしていきたいと考えています。
親子で受診しやすいように工夫していることはありますか?
院内におむつ交換台を設置しているほか、お子さんが待ち時間を楽しく過ごせるようキッズスペースをご用意しています。さらに待合室に、フリードリンクのコーナーを設けているのも当院の特徴です。こちらは開業当時からあるのですが、スタッフたちにも大人気なんですよ(笑)。ドリンクはコーヒーやお茶、ジュースが飲めますので、お子さんも親御さんも、ぜひ一息つきながらくつろいでいただきたく思います。
予防において大切なのは何だとお考えでしょうか?

予防歯科で大切なのは、患者さんの「歯科医院に行こう」というモチベーションだと思っています。院内でできることは限られ、毎日のケアはご自宅で行っていただきますので、小児歯科の場合もお子さんのやる気や親御さんの協力の結果に左右される部分が大きいんです。お子さんの性格は十人十色で、私もまだ勉強中の身のため試行錯誤しているところではありますが、無理なく通院を習慣づけるお手伝いをしたいと考えています。現時点でいえるのは、定期的に歯科医院を受診している人は虫歯が少ないという研究報告があり、0歳からの予防は歯並びにも良い影響を与えるということ。こうした内容を含め、当院では早い段階からの予防がいかに重要であるかをお伝えするとともに、フッ素塗布により歯の強化を図るほか適切な姿勢・呼吸法・食生活のアドバイスなどを行っています。
患者の気持ちに寄り添い、治療以外の時間も大切に
先生の生い立ちや勤務医時代のお話をお聞かせください。

私の家系には医療従事者が多く、当院のある場所はもともとは父のクリニックでした。家族・親族の影響を受けながら育ち、人の役に立てる仕事ということもあって私も自然と医療の道を志すようになり、福岡歯科大学へ。卒業後は歯周病を専門とする先生の歯科医院で一般歯科を担当する傍ら、歯周病治療について学んだり専門的な外科処置を見学したりして過ごしました。そして開業前は大規模病院で部署をまとめる立場に就き、主にご高齢の方の診療に従事しました。こうした勤務医時代の経験を生かし、開業後しばらくは歯周病治療などをメインに行ってきましたので、実はお子さんを診る機会がほとんどなくて。今回、小児に力を入れようと思った背景には、新たに携われる分野があるのなら頑張りたいという気持ちもあったんです。
さまざまな診療経験を経て、現在心がけていることは何ですか?
患者さんに対して優しく、親身な姿勢で接することです。当院ではご本人がお悩みを言えないまま、治療内容を理解・納得しないまま診療を進めることはありません。治療以外の時間も大切にし、わかりやすく丁寧なご説明に努めています。院内には専用のカウンセリングルームがあり、初診時は基本的に全員こちらでカウンセリングを実施。エックス線画像や口腔内写真など、お口に関する資料も全部お渡ししています。また患者さんの中には、歯科医師より歯科衛生士のほうが話しやすいと感じる方もいらっしゃるでしょう。その逆も然りだと思いますので、私がカウンセリングを担当した後、診療台でも歯科衛生士が積極的にコミュニケーションを取るといったように、どなたにとっても気兼ねなく素直に話せる雰囲気づくりに取り組んでいます。
今後の展望と、読者へのメッセージをお願いします。

治療の質を維持・向上しつつ、一番は赤ちゃんからご高齢の方まで全世代の予防を行える歯科医院をめざします。子どものうちは虫歯、大人の場合は歯周病のリスクを踏まえたケアが必要で、十分な予防を行う上で鍵となるのはやはりご本人のモチベーションです。どんなに素晴らしい治療が誕生しても自分の歯に勝るものはありませんので、患者さんが前向きな気持ちでセルフケアに臨めるよう、伝え方なども今後工夫していきたいですね。気軽に立ち寄れる町の歯科医院として皆さんと長く関わり、生涯にわたってお口の健康を守れるよう尽力してまいります。何か気になることなどがありましたら、遠慮せずご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とはホワイトニング/3万3000円~、インプラント治療/35万円~、マウスピース型装置を用いた矯正/35万8000円~、セラミックを用いた補綴治療/7万円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。