全国のドクター13,967人の想いを取材
クリニック・病院 156,691件の情報を掲載(2025年7月28日現在)

ドクターズ・ファイル会員でできること

予約情報をマイページ上で管理できます!

過去の予約を一覧化

予約内容の確認

予約の変更・キャンセル※

※一部対象外の医療機関もありますので、あらかじめご了承ください

会員登録がお済みでない方は

すでに会員の方は

  1. TOP
  2. 大阪府
  3. 泉大津市
  4. 松ノ浜駅
  5. いのうえ消化器内科クリニック
  6. 井上 拓也 院長

井上 拓也 院長の独自取材記事

いのうえ消化器内科クリニック

(泉大津市/松ノ浜駅)

最終更新日:2025/04/21

井上拓也院長 いのうえ消化器内科クリニック main

南海本線・松ノ浜駅から徒歩1分の立地にある、大阪府泉大津市の「いのうえ消化器内科クリニック」。院長の井上拓也先生は、国が定める指定難病でもあるIBD(炎症性腸疾患)を専門分野とし、アメリカの大学で研鑽を積んできた経歴を持つ。同院では、消化器内科・内視鏡内科・内科の診療を提供し、IBDの治療にも力を入れる。また、LCI内視鏡やAI機能搭載の大腸内視鏡など、先進的な検査機器を取り入れているのも特徴。井上院長は、患者の生活背景にも寄り添いながら一人ひとりに合わせたオーダーメイドの治療を提供する。さらに、検査や予防の重要性を伝える啓発活動も精力的に行いながら、常に知識のアップデートを怠らず真摯に医療に取り組んでいる。そんな井上院長に、力を入れているIBDの治療や同院の特徴について詳しく聞いた。

(取材日2024年10月10日)

長年の臨床と研究経験を生かしIBDの治療にあたる

IBDをご専門にされた経緯を教えてください。

井上拓也院長 いのうえ消化器内科クリニック1

防衛医科大学校を卒業後、同大学校病院の消化器内科で臨床を学んだ際の教授が潰瘍性大腸炎の専門だったことが影響しています。また、その後、青森県で自衛隊医官として勤務していたのですが、その傍らで、青森県立中央病院で臨床研修医としても従事しました。実は、その時の上司も潰瘍性大腸炎を専門で、そこでも多くの患者さんと接しながら、IBDの知識を深く学ぶ機会に恵まれました。このような経緯から、潰瘍性大腸炎やクローン病診療のやりがいを感じるようになり、自然とIBDの分野が専門になりました。以来、臨床と研究の両方ともに長年取り組んでいます。私は、研究することで、実際に患者さんとの診療できちんと説明できるようになるとも考えています。特にIBDの分野では、研究実績を重ねていることで患者さんにも説得力のある説明ができますし、治療法を選択する際も豊富な知識が役立つと思っています。

アメリカの大学でも研鑽を積まれたと伺いました。

アメリカでは、当初シカゴ大学で腸内細菌叢の研究をしていました。その研究は期待した成果は上げられませんでしたが、その後UCLAに移り、腸管内栄養素と消化管ホルモンの研究を行ったんです。在学中は何本か論文も書かせてもらいましたね。UCLAの時の研究は、潰瘍性大腸炎やクローン病の治療にあたる際にも大きく影響しています。腸管内栄養素を研究したことにより、クローン病で使用する栄養剤の話をよりわかりやすく説明できるようになりました。日本に帰国後は、大阪医科薬科大学に勤務し、大学院生たちの研究の手伝いや指導に携わりました。大学病院という特性上、難治性の症例も多く、臨床医師としても潰瘍性大腸炎やクローン病の治療に従事しました。

開業したきっかけについて教えてください。

井上拓也院長 いのうえ消化器内科クリニック2

開業については、もともとあまり考えてはいませんでした。しかし、大阪医科薬科大学病院での役職が上がるにつれて、患者さんとの直接的な関わりや検査を行う機会が減ったことから、自ら患者さんを診たいとの想いにつながり、開業に踏み切りました。帰国後は、臨床准教授にまで昇進したのですが、どんどん医療の現場から離れることが悩みだったんです。もちろん、医局で業績を認めていただけたことは非常に喜ばしいことです。しかし、臨床准教授になってしまうと、指導や会議関連の業務が増える一方で、実際に患者さんと接する機会や検査を自分自身で行う機会は減っていきます。それが自分の性格には合わなかったんですね。実際に開業してみて、患者さんと関わっていくことにとてもやりがいを感じています。また、この場所はもともと実家の駐車場で、駅から近かったこともあり、クリニックの開業地として選びました。

患者と相談しながら一人ひとりに合わせた治療を提供

IBDの病気に関して、簡単に説明いただけますか?

井上拓也院長 いのうえ消化器内科クリニック3

主に潰瘍性大腸炎とクローン病の2つの疾患のことです。潰瘍性大腸炎は、その名のとおり大腸に生じる原因不明の潰瘍で、大腸の粘膜がただれて下痢や血便が出てきます。一方クローン病は、口から肛門まであらゆるところに深い潰瘍ができ、下痢や血便だけではなく、原因不明の熱や膿が出ます。肛門がただれて治療が必要になる場合もあります。さらにどちらも、病気になる原因がわかっていません。良くなったり悪くなったりを繰り返すとても厄介な病気です。そして、今現在、患者数がどんどん増えているんです。私自身は、これらの病気が現代社会の食生活や生活習慣に影響しているかどうかを専門として研究しています。

IBDの治療法は確立されつつあるのでしょうか。

病気になる原因がわからないので、確立された治療法はまだありませんが、分子標的薬という特殊なお薬があります。また、種類も豊富です。分子標的薬は、免疫を抑制する薬ということで非常に怖がる方もいますが、昔と違い、むしろ分子標的薬だからこそ安全性を追求できるともいわれています。しかし、選ぶ薬は主治医の先生とよく話し合って決めていくことが大切です。患者さんの生活背景によっては、強い薬を使わないほうが良い場合もありますし、将来出産を考えている女性の方であれば、子どもを産めなくなってしまうリスクのある薬を避けるなど治療薬を決める際には、安全性や利便性を考慮しつつ、患者さん一人ひとりに合わせた薬を処方することが重要になってきます。

IBDの診療では頻繁に検査を行う場合があると聞きました。

井上拓也院長 いのうえ消化器内科クリニック4

頻繁に検査を行う場合もありますが、患者さんの意思を大事にしているので、検査が嫌な方に無理には行いません。その代わりに、きちんと説明はしていきます。症状によっては、検査が必要な状況もありますし、検査しないことによるデメリットもしっかりお伝えします。基本的に相談をした上で、最終決定はあくまでも患者さんに決めていただきます。そして、患者さんに合わせたオーダーメイドの治療になっていきますので、一人ひとりの生活背景を知っておく必要もあります。仕事のことや家庭のこと家族のことなど、診療の際はさまざまなお話をさせていただきます。

患者のため常に知識を磨き、真摯に医療と向き合う

診察で心がけていることや大切にしていることはありますか?

井上拓也院長 いのうえ消化器内科クリニック5

診療の際には、患者さんへ丁寧な説明をすることを大事にしています。初めての患者さんは不安もあると思いますので、できるだけ不安を払拭できるよう努めています。当院では、特に内視鏡検査を利用される患者さんが多いのですが、検査所見はもちろん、内視鏡検査を行う際は事前の説明も入念に行うよう気をつけています。また、胃の内視鏡検査では、鼻からと口から挿入する選択肢があることを伝え、それぞれのメリットデメリットも伝えます。大腸内視鏡検査でも同様に処置方法をわかりやすく説明しています。IBDに関しては、採血のデータから食事後の治療法の選択まで、事細かに説明しながら診療を提供しています。

どのような医療機器を導入されているのでしょうか?

LCI内視鏡とレーザー内視鏡を使用し、大腸内視鏡ではAI機能が搭載されたものを取り入れています。内視鏡は、常に先進の機器にアップデートするようにしています。大腸ポリープに関しては、AIによる診断補助機能を搭載した機器を使用することでポリープの検出率向上を図っています。このような機能がある機器を、個人のクリニックで置いているところはまだ少ないのではないかと思います。

今後の展望を教えてください。

井上拓也院長 いのうえ消化器内科クリニック6

予防としての食生活の見直しや定期的に検査を行うメリットを患者さんに知っていただくため、啓発活動にも力を入れていきたいですね。特に食事と腸の病気はとても関係があるのですが、食生活の大切さについてわかっていない方が多いですし、わかっていても実践できてない方が多いのが現状です。検査の重要性についても周知しなければなりません。大腸内視鏡検査でポリープが見つかった場合、それを切除することで大腸がんに至るケースを減らすことが期待できるので、検査の目的やメリットをもっと一般の方々に知ってもらいたいですね。こうした啓発活動は自分自身の知識のブラッシュアップにもつながりますから、今後も続けていくつもりです。胃腸に関することであれば、ちょっとしたお悩みでも相談に乗りますので、ぜひお気軽にご来院ください。

Access