抵抗感や不安を払拭し
何度でも受けられる大腸内視鏡検査をめざす
恵理子内視鏡クリニック
(大阪市淀川区/新大阪駅)
最終更新日:2024/11/29
- 保険診療
今や2人に1人ががんにかかる時代だといわれる。その中でも日本の女性の死因トップになっているのが大腸がんだが、早期発見することで完治することも十分期待できるという。内視鏡検査が大腸がんの発見や治療に有益なことが知られている一方で、恥ずかしい・怖いといったイメージが先行し、なかなか受診にたどり着かない人が多いのではないか。そんな状況を危惧し、特に検査に抵抗がある女性が気軽に受診できるクリニックにしたいという「恵理子内視鏡クリニック」の中村恵理子院長。一度のみならず「何度も受けたい」と思えるような検査をめざす中村院長に、同院の大腸内視鏡検査の特徴やこだわり、女性医師の視点で進める検査の内容などを聞いた。
(取材日2024年10月29日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q大腸内視鏡検査の目的、受けるメリットについて伺います。
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A
現在、日本の女性のがんによる死因1位が大腸がんです。大腸がんは基本的にいきなりできるのではなく、良性のポリープが大きくなって一部からがんに変わっていくという過程をたどる病気です。そして、進行がとても遅いことも特徴なので、早めに発見し治療することで、命が奪われる確率は大きく減ることが見込めます。好発年齢である40歳を過ぎた方、健康診断で便潜血を指摘された方のほか、便秘やおなかの張りなどの違和感、便に血が混じっているなどの症状があれば、一度検査を受けたほうが良いでしょう。また、大腸がんや大腸ポリープを経験した家族がいる方も、注意が必要です。
- Q女性が受診しやすい工夫はありますか?
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A
当院は私を含めスタッフ全員が女性なので、お尻からカメラを入れる抵抗感は和らぐのではないでしょうか。生理中でも検査を受けられるか相談されることも多いのですが、対応可能です。また、内視鏡検査に対する怖い気持ちを払拭できるよう、院内をできるだけ明るい雰囲気にすることを意識。刺繍が施されたカーテンや更衣室の壁の柄、3室すべて壁の色が違うカラフルなトイレなど、女性の視点で院内づくりをしています。前処置室に冷えを感じたときに使っていただけるブランケットを置いたり、検査後に身だしなみを整えられるよう更衣室に鏡を設置したりしている点も、女性に緊張せず受診していただくためのポイントです。
- Qこちらのクリニックで行う検査の特徴を教えてください。
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A
「何度でも受けたい」と思える検査にすることがこだわりです。一度でも検査でつらい思いをすると「もう受けたくない」と感じてしまう方も多いのですが、そのためにがんの早期発見の機会を逃してしまうことは避けたいんです。「検査は怖くないんだ」という認識を持っていただくことが、私にできる努力。鎮静剤も適宜使用し、恥ずかしい、不安、緊張などのネガティブな要素を軽減しながら検査を進めています。また、女性が通いやすいクリニックにする工夫だけでなく、先に受けられた女性が夫やきょうだい、両親を連れてこられてもしっかり対応いたします。ご家族に勧められるような安心して通える場所だと思っていただければうれしいですね。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1問診・診断
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大腸の病気の疑いがあるか、心因性の病気との鑑別のためにも、まずは入念な問診からスタート。どんな仕事をしているか、食事の時間や場所、普段よく口にしているものは何か、家族構成と食事を作る人は誰かなど、質問は詳細な部分に及ぶ。加えて、触診、血液検査、超音波検査などの結果とも併せ、内視鏡検査が必要かどうかを診断する。
- 2検査前の準備
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前日の夜はキノコ類や野菜など繊維質のものを避けた食事を取り、その後は絶食が基本。当日朝から腸内を空にするための下剤を服用する。院内の前処置室でテレビや充電用のコンセントなどが用意されていて利用できる。初めての人や高齢者には院内での処置を勧める一方で、慣れている人は自宅での服用も可能。家事などをしながら下剤を飲むことで、スムーズに進められるメリットがある。
- 3内視鏡検査
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希望者には鎮静剤を注射し、ぼんやりするまで数分待機。深い眠りにつくわけではなく、横を向くなどの指示に応じられるレベルの鎮静を図る。痛みを少なく、事故のないよう安全性に十分配慮しながら約3分かけてカメラを挿入。検査終了までは15~20分ほど。10個以上ポリープがある場合も、なるべく取れるものはその日のうちに処置を行い、長くても30分ほどで検査は終了する。
- 4リカバリールームで安静
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鎮静剤が切れるまで、30分~1時間ほど院内のリカバリールームで安静に過ごす。同院では、リカバリールームにリクライニングタイプで足を伸ばしてゆったり座れるチェアを採用。大きな窓から入る外光に包まれながら、ゆったりと過ごすことができる。
- 5検査結果の説明
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検査結果は当日中に説明するが、まだぼんやりとしている状態で詳しいことを言われても理解できなかったり忘れてしまったりする可能性がある。そのため、結果を記入した用紙を渡す程度にとどめ、後日改めて診察に来てもらう場合も。期間が空くことで不安が増幅してしまわないよう、簡潔かつ安心感のある伝え方を意識しているという。ポリープを切除した場合は、約2週間後に再度来院してもらい、写真を見ながら詳しい説明を行う。

