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勇 有紀 理事長の独自取材記事

誠十字クリニック

(福岡市博多区/吉塚駅)

最終更新日:2024/11/12

勇有紀理事長 誠十字クリニック main

JR鹿児島本線吉塚駅から徒歩10分の場所にある「誠十字クリニック」は、愛らしい小鳥のロゴマークが目印。患部を気にする青い鳥と、それをサポートする赤い鳥、バランスが取れた天秤のイラストが描かれ、「患者さんの痛みを量りながら、適切にサポートする」という理念が込められている。同院の歴史は、1968年に理事長を務める佐藤修郎(さとう・のぶお)先生が「佐藤外科医院」を開院したのが原点。地域に根差した診療に尽力し、2008年に現クリニック名でリニューアル。院長を務めるのは4人の子を持つ母親でもある、佐藤理事長の娘の勇有紀(いさむ・ゆき)先生だ。今も父と娘、2人で協力して診療を行っている。患者との間に壁をつくりたくないと話す勇院長がめざすのは、何でも気軽に話せるクリニック。診療について詳しく聞いた。

(取材日2024年10月10日)

父娘2人で行う、小児から高齢者までカバーした診療

まずは、クリニックの歴史からお聞かせいただけますか?

勇有紀理事長 誠十字クリニック1

父が1968年にこの場所で「佐藤外科医院」を開院したのが始まりです。その後は、千代エリアにある「誠十字病院」を引き継いで診療を行っていたのですが、規模が大きかったことと父が高齢というのもあり、2008年に「誠十字クリニック」としてリニューアル開院をしました。私も父と一緒に誠十字病院で診療していたのですが、その間に結婚と出産を経験したことから、クリニック規模での診療にシフトしたいと考えていて。父の年齢のことも重なり、ここで父と一緒に診療していくスタイルとなりました。

小さな頃からお父さまの姿を見ていたことが、医師をめざすきっかけになったのでしょうか?

そう言いたいところなのですが、父はすごく厳しい上、仕事で家にいないことが多かったので、「医師にはならない」とずっと反発していました。でも、高校の進路を決める時期に、医師の素晴らしさを切々と語られまして。ならばと、医学部をめざしたんです。そこでの日々が大きなターニングポイントになりましたね。医師になるためには体力が必要だと思い至り、自然を相手に仲間たちと成長していくことを目的とするワンダーフォーゲル部に入部しました。北アルプスや南アルプス、屋久島、霧島など、女性も20kgくらいの荷物を背負って山登りするので、体力がつくんです。一方で、肩凝りや腰痛がひどくなりまして、整形外科の分野に進もうと考えたのです。だから、父の背中を見て整形外科の医師になったというと語弊があるんですが……。でも、進路を決める際の父の説得がなければ今はないので、父のおかげですね。

卒業後は九州大学の整形外科に入局されたそうですね。

勇有紀理事長 誠十字クリニック2

当時は整形外科というとまだ男性医師が多い時代でした。同性の先輩がいたことと、大学の大先輩が教授をされていたご縁もあり、九州大学の整形外科へ入局しました。実際入ってみると、男性医師の中に同期の女性医師がたった2人でした。先輩の女性医師に相談しながら何とか日々乗り切っていましたね。ただ、男性が多い世界だったので、逆に女性が必要とされる場面も多くて。どの年代も女性の患者さんの中には、女性医師を希望される方がいらっしゃるんですよね。そういった時はお声がかかりますし、さらなるやりがいにつながりました。1年ごとにローテーションが変わるのですが、浜の町病院では膝や外傷等の勉強をさせてもらいました。次の国立病院機構小倉病院では、整形外科では珍しい腫瘍に関する勉強もしていました。国立療育センターでは脳性麻痺などの小児を担当するなど、幅広く経験させてもらいました。

さまざまな痛みや症状に対し、漢方でのアプローチも

では、その後にご結婚とご出産をされたのですね。

勇有紀理事長 誠十字クリニック3

ええ、3年ごとに4人の子どもを出産しました。そうなると、大規模病院での勤務は厳しく、どこかでひずみができてしまうのではないかと考え、父が高齢になったことも重なり、ここでのクリニック開院に至りました。今は下の子が10歳になったので、ずいぶんと楽になったのですが、学校の行事にはまったく行けないので、子どもたちの理解に助けられています。妊娠中の腰の痛みや、産後の腰痛などで来られた患者さんの気持ちが自分事としてわかるので、経験を仕事に生かせることも多いです。当院では、整形外科の診療を私がメインに担当し、父は内科と外科を担当しています。リハビリテーション科もあり、必要に応じて、理学療法士によるリハビリにつなげる流れとなります。

ずいぶんと長いお付き合いの患者さんもいらっしゃるのではないでしょうか?

父が50年以上前に開院した当初から来てくださっている方もいます。この間も100歳くらいの方が、「佐藤先生はいる?」と父を訪ねてきてくださいました。3代にわたり来てくださっているご家庭もあります。皆さん、さまざまな症状で来られますね。各診療科でいうと、整形外科は変形性膝関節症や変形性脊椎症、腰痛、鼠経ヘルニア、腰椎椎間板ヘルニアなどが多いです。内科では風邪症状に加え、高血圧症や糖尿病といった生活習慣病、健康診断に予防接種、外科では巻き爪や、皮膚・皮下腫瘍の手術なども行っています。痛みへのアプローチとしてリハビリ以外に、漢方を用いることもありますね。女性特有の更年期症状や冷え性、不定愁訴にも非常に有用だと考えていますので、もしも悩んでいる女性がいらしたら、ぜひご相談いただきたいなと思います。

漢方に着目されたきっかけについて教えてください。

勇有紀理事長 誠十字クリニック4

私自身、漢方を試した経験があり気になってはいたのですが、「痛みと漢方」というところにはなかなか結びつきませんでした。そんな中、痛みに対して漢方を希望される患者さんをきっかけに、積極的に勉強会に参加したり、知識を深めることに力を注いだりするようになったんです。もちろん、希望があれば処方するというスタンスですので、決して押しつけることはありません。あくまでも選択肢の一つとして提案をし、希望されれば処方するという塩梅です。また、当院では簡単な手術も実施していますが、女性医師に診てもらいたいからと来院される女性の患者さんもいます。鼠径部や脇の下の腫瘍除去など、同性だと安心していただけると思うので、これからも女性医師だからこそ寄り添える診療に取り組んでいけたら、と考えています。

妊娠・出産を経験した女性医師ならではの診療を

こちらで実施されているリハビリについても、詳しく教えていただけますか?

勇有紀理事長 誠十字クリニック5

当クリニックには理学療法士が3人在籍しています。まず、私から理学療法士に各患者さんの状態と、お願いしたい内容をお伝えします。それをもとに、理学療法士がけん引や運動療法、電気治療などを実施し、経過をフィードバックしてもらいながら、週何回行うかなど、今後の方針を固めていきます。当院は高齢の患者さんも多いので、骨折をされて来られる方、骨粗しょう症でお悩みの方、膝の痛みを訴える方など、リハビリが必要な方が多くいらっしゃるのが特徴です。特に高齢の方は筋力が落ちると転んで骨折することも少なくありませんので、そうならないための予防を目的としたリハビリも実施しています。

本当に幅広い診療をされていますね。プライベートとの両立はどのようにされていますか?

平日は時間をつくることが難しいので、休日は子どもと買い物に行ったりしています。息子はあまり相手してくれなくなったので、家では娘たちと一緒に料理を作ったりしていますね。でも、子どもたちに望むことは、健康でいてほしい、ただそれだけです。家族の理解があって医師を続けられていますので、その分私ができることを、家族や地域の方へお返ししなくてはいけないなと思いますね。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

勇有紀理事長 誠十字クリニック6

当クリニックでは、リハビリを利用される70歳以上の方などを対象とした送迎サービスも行っています。また、予防接種に関してはインフルエンザと肺炎球菌に対応しています。当クリニックの建物の2階にある老人ホームにて往診を担当している先生からの依頼でエックス線検査をしたりと、連携することもあります。私が診療で心がけているのは、患者さんとの壁をつくらないことです。気軽に何でも話せるような、通いやすいクリニックをめざしています。近くに幼稚園や小学校があるので、ケガした子どもが来ることもありますが、私自身子育て真っ最中ですので、どう接すると安心してくれるかなども心得ています。お子さんやご家族のことで心配な点があれば、すぐに来てくださいね。また、産前産後の腰痛などでお悩みの方も、我慢せずにご相談いただければと思います。

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