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深津 明日樹 院長、深津 敦司 先生の独自取材記事

深津医院

(安城市/安城駅)

最終更新日:2024/04/01

深津明日樹院長、深津敦司先生 深津医院 main

碧南市との境、安城市東端町にある「深津医院」は、2025年に開業100年を迎える。地域に長く根づいたクリニックの3代目院長を務めた深津敦司先生は、長年の医学研究生活にピリオドを打ち、父亡き後15年余り閉院していた同院を2015年に再開した。腎臓内科が専門で、大学病院で先端医療や研究を続けてきた敦司先生だが、生まれ育った地域の医療にやりがいを感じているという。2022年4月から副院長を務めていた息子の深津明日樹先生は、今年の4月に院長に就任。「呼吸器内科は幅広く、さまざまな患者さんに対応できるため、院長の存在は頼もしいです」と敦司先生。家族のように地域の患者に寄り添いながら、温かい医療の提供を続ける敦司先生と明日樹院長に、話を聞いた。

(取材日2024年4月1日)

異なる専門分野を持つ2人の医師が患者を支える

2025年に開院100年を迎えると伺いました。

深津明日樹院長、深津敦司先生 深津医院1

【敦司先生】祖父がこの地で開業し、息子の明日樹で4代目になります。医師人生の終盤で、地域医療を担いたいという気持ちが強くなり2015年に当院を再開しました。この地域はクリニックが少なく、周囲からも期待と応援を受けていたことも影響しています。閉院している間、遠くの病院に通わざるを得なかった地域の患者さんにはご迷惑をおかけしましたが、多くの方が再開を喜んでくれました。本当にありがたいですね。

明日樹先生が、4代目の院長として就任されたんですね。

【明日樹院長】私は、当院に来るまで安城更生病院の呼吸器内科に勤務していました。大学院ではがんの研究をしていたので、病院勤務の頃は呼吸器腫瘍を中心に、化学療法、緩和治療なども担当しました。新型コロナウイルス感染症が流行した際は、人工呼吸器を使用するような重症者も診ていました。ただ、いずれはクリニックを継承するつもりでいました。地域医療に力を注ぐ祖父や父の姿を見て育ったからです。そのため、安城更生病院に迷惑をかけないよう、感染拡大が落ち着いてきたタイミングで退職し、当院に移りました。院長になっても、今の診療スタンスを変えるつもりはありません。地元に貢献すること、遠くまでいかなくても、ここでできる治療はすること、そして、患者さんが相談しやすいクリニックをめざしています。

専門の異なる2人で診療するメリットを教えてください。

深津明日樹院長、深津敦司先生 深津医院2

【明日樹院長】呼吸器内科を専攻したのは、いずれ開業医となって地域医療に貢献するための選択でした。父の専門分野が腎臓内科なので、異なる分野を担当することで、それぞれの専門について相談することができるからです。専門は異なりますが、医師としての父は、昔から参考にし、尊敬してきました。
【敦司先生】私は大学病院でも腎臓内科を専門にし、約30年、腎臓内科の研究をしてきました。ただ、いずれクリニックを継ぐ意思は変わりませんでした。院長は、安城更生病院で地域の医療を担っていましたし、呼吸器内科の分野は幅広くさまざまな患者さんに対応できるので、とても頼りにしています。

長年の経験と人脈を生かしたスムーズな医療連携

こちらで行っている検査について教えてください。

深津明日樹院長、深津敦司先生 深津医院3

【敦司先生】腎臓病に関しては、尿沈渣検査、血液検査、超音波検査などに対応しています。腎生検は安城更生病院にお願いしています。ただし、腎臓病は腎臓機能障害や尿に異常があっても、すぐに診断を下せないんです。どういう経過で、今の状態になったかが重要だからです。そのため診断は難しく、可能な限りの小児期からのすべての記録を取り寄せて行うため時間がかかります。
【明日樹院長】呼吸器内科では、エックス線と、スパイロメトリーを導入しているため肺機能検査ができます。喀痰は検査施設に依頼しています。CTは総合病院などで撮影していただく必要がありますが、データがあれば当院で診断することができます。

クリニックの患者層を教えてください。

【敦司先生】腎臓内科は長年の専門ですので遠方の患者さんもいますが、それ以外は近隣の方が中心です。年齢層は高齢者が中心で、私が小・中学校の校医をやっていることもあり、お子さんも来院されます。高齢で通院できなくなってしまった方には可能な範囲でですが往診にも対応しています。祖父や父の代から通われている同年代の友人もいて「先生」ではなく、子どもの頃のまま「あっちゃん」と呼ばれているんですよ。疾患の種類としては、腹膜透析を含めた腎臓病から、風邪、腹痛、捻挫、水虫、犬に噛まれたけがなど、とにかくさまざまな患者さんが来院されますね。
【明日樹院長】患者さんのほとんどは地域の方なので、宣伝もしていませんし、ホームページも作っていないんです。近隣に呼吸器内科や腎臓内科を標榜しているクリニックが少ないので、今後は専門性を生かすことも考えていきたいですね。

感染症対策はどうされていますか?

深津明日樹院長、深津敦司先生 深津医院4

【明日樹副院長】感染症対策として、待合室のレイアウトを変更したり、第2待合室を作ったりしました。陰圧室ではないので、新型コロナウイルス感染症の疑いのある患者さんは、駐車場の車内で待っていただき、車内で診察します。待合室や診察室には、大型の医療用空気清浄機を設置していますので、安心して通院していただけると思います。

薬の処方について教えてください。

【明日樹院長】処方した薬を飲んでいなかった、副作用があってやめていたという患者さんもいると思うので、話をよく聞くようにしています。中には、単に飲みたくない、薬が変わって効かなくなったように感じるという方もいるでしょう。思い込みの場合もあるので、きちんと説明して、服用してもらうようにしています。一方で、多施設からさまざまな薬を服用されている患者さんの中には、重複や相互作用で余計な薬を処方されているケースもあります。当院では、エビデンスに基づいて、本当に必要なものだけに絞って処方します。

患者一人ひとりとじっくり向き合う地域のかかりつけ医

診療の際はどのようなことを心がけていますか?

深津明日樹院長、深津敦司先生 深津医院5

【敦司先生】一人あたりの時間を十分に取るようにしています。ここに来ると安心すると言ってくださる方も多く、さまざまな種類の相談もお聞きします。しっかりと話を聞いた上で適切なクリニックや病院をご紹介します。近隣の病院の先生方と懇意にしていただいていることもあり紹介可能な病院は数多くあります。紹介する場合は、検査結果と診察所見に必ず自分自身の診断とその根拠を添えるようにしています。病院からのお返事は私たちにとって最良の勉強資料です。私の年代であるおじいちゃんおばあちゃんからお孫さんまで多くの方が同郷ですので患者さんは皆親戚、スタッフは家族のようなものです。
【明日樹院長】新型コロナウイルス感染症が流行してから、長引く咳を気にして来院される患者さんが増えました。単なる風邪の場合が多いでしょうが、一部に喘息や肺気腫などが混じっていることも考えられるので、それを見逃さないようにしたいと思っています。

やりがいを感じるのはどのようなときですか?

【敦司先生】勤務医だった頃は先端医療の現場にいたのですが、開業医の仕事は医学研究と変わらず、ほとんど毎日が勉強でやりがいを感じています。大学病院の足りないところが勤務していたとき以上によくわかるようになり、病診連携の大切さを痛感しています。地域医療の担い手として「町医者」に徹していた父の気持ちや考えも理解できるようになりました。
【明日樹院長】私も勤務医の頃は、開業医から紹介された症状の重い方を診ていましたが、今は逆に、患者さんを送り出す立場となり、医療の内容も変化しました。どこまでが当院で診る患者さんかを見極めるという意味では、重症の方をたくさん診てきた経験が役立っています。患者さん一人ひとりとじっくり向き合えるのは、開業医のやりがいの一つですね。

今後の展望と読者へメッセージをお願いします。

深津明日樹院長、深津敦司先生 深津医院6

【明日樹院長】今後は、何か新しいことをするというよりも、現在の診療レベルを絶えず更新維持していくことが大切だと考えています。これからも、安定して地域への医療を提供するために頑張っていきたいと思います。
【敦司先生】2人で診療している分、予約の時間も余裕をみて取っていますので、落ち着いてお話が聞けると思います。今後も、かかりつけ医として地域社会での役割を果たしていきたいと考えています。どんなことでも、気軽に相談してください。

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