木村 圭介 院長の独自取材記事
三郷中央 きむら眼科
(三郷市/三郷中央駅)
最終更新日:2025/06/27

「三郷中央 きむら眼科」はつくばエクスプレス三郷中央駅から徒歩5分の場所にある。優しいグリーンの看板が目印の同院に足を踏み入れると、明るく広々とした空間が広がっている。院長の木村圭介先生は、15年近く大学病院に勤めた後、患者一人ひとりに長く寄り添いながら診療したいと、同院を開業。眼科の一般診療や白内障の日帰り手術など、幅広い年代の患者と疾患に真摯に向き合っている。ホームページでは混雑しやすい時期や時間帯の目安を掲載し、患者が来院しやすいよう配慮している。木村院長に眼科診療への思いや診療において工夫していること、今後の展望などについて、じっくりと語ってもらった。
(取材日2025年5月28日)
目の健康について啓発しながら地域に開けた眼科医院へ
どのような患者さんが多く来られていますか?

当院では、未成年・中高年・高齢者がそれぞれ約3分の1ずつという患者層が特徴です。症状の傾向としては、未成年ではものもらいや結膜炎が多いですね。20歳から40歳くらいの方になるとコンタクトレンズの処方やドライアイが中心です。40歳を過ぎてくると、緑内障や糖尿病のある方の眼底チェックも多くなります。ご高齢の方になると、白内障や緑内障などの手術のご相談や手術のフォローアップで来院される方もいらっしゃいます。
予約を電話と窓口のみにされている背景を教えてください。
診察内容によって必要な時間がまったく異なるからです。例えば、はやり目などで数分で診察が終わる方もいれば、糖尿病の眼底検査や緑内障の精密検査などで1時間以上かかる方もいらっしゃいます。そうした場合、ウェブ予約で一律に同じ枠に入ってしまうと、予約がうまく機能しなくなってしまうんです。そこで、現在は電話や窓口で予約を受ける際に、患者さんがどのような目的で来院されるのかを確認し、その内容に応じてスタッフが時間の調整を行うようにしています。それから、今はスタッフの働き方改革の観点もありますし、予約のお電話はできるだけ診療時間内にいただくようお願いしています。一人ひとりに合わせた適切な診療時間を確保するためにご理解いただけるとうれしいです。
待ち時間を少しでも有意義に使ってもらう工夫もされているそうですね。

外来の待ち時間には、院内のモニターで過去に行った勉強会の内容を流しています。白内障や小児の近視、緑内障といったテーマで、これまで患者さん向けに行ってきた院内講演のスライドや動画を活用している形です。きっかけとしては、やはり待ち時間を少しでも有意義に使ってもらいたいという思いがありました。診察までにどうしても待ち時間が発生してしまいますが、院内のモニターを通じて眼科の基本的な情報や治療について知ることができるような場にできないかと考えたんです。また、モニターで情報を流しておくと診療の中での説明がスムーズになったり、理解が深まったりする効果もあると思っています。
気軽に聞ける雰囲気づくりを心がける
診療時に意識していることはありますか?

大切にしているのは、なんでも聞ける雰囲気づくりです。できるだけ患者さんが気軽に声をかけられるような空気をつくるようにして、目とは直接関係のないことでも、その方の体調や生活状況に寄り添った会話を意識しています。また、患者さんの年齢や状況によって対応を変えて、例えば、小さなお子さんの場合、かわいいおもちゃやキャラクターのグッズを使って、少しずつ距離を縮めています。診察が終わったら、「よく頑張ったね! また来てね!」と声をかけて、シールをプレゼントすることもあるんです。中にはインターネットなどであらかじめ情報を調べてから来院される方もいらっしゃるので、質問を受けたときは理由や背景も含めて、丁寧に説明するよう心がけています。ご高齢の方の場合は、診察の内容を一度で理解するのが難しいこともあるので、無理にその場ですべてを済ませようとはせず、回数を重ねてしっかり説明して理解を得ながら進めています。
長年診療されている中で、最近変化を感じることはありますか?
最近は、特に子どもの視力の変化を感じます。学校教育のデジタル化が進み、授業でのタブレット使用が一般的になってきたことも関係しているのではないかと考えています。また、最近は3歳半健診での屈折検査の導入によって、今まで見逃されていたような遠視による弱視の子どもが早期に見つかるというケースがあります。この検査が取り入れられてから、弱視の子が少しずつ増えてきた印象がありますが、逆に言えば、早期に発見してあげられるチャンスが増えたということでもあります。
スタッフさんとの連携も重視されているそうですね。

今いるスタッフは本当に協力的で、みんなよく頑張ってくれていて、感謝しかありません。だからこそ、スタッフが疲れすぎないように、新しく人を入れて少しでも負担を軽くしたいと思っています。診療が忙しい状況で、スタッフ全員がそれぞれ自分にできることをする、そんなチームで日々動いています。できるだけ風通し良く働けるように、親睦の機会を意識的につくるようにしています。年に1回の社員旅行も恒例になっていて、チームの絆を深める大切な時間です。
地域に根差し、白内障治療にも注力
白内障の日帰り手術に注力されていると伺いました。

白内障の日帰り手術は、大学病院に勤務していた頃から基本的な診療として数多く執刀してきましたので当院でも力を入れており、白内障のレンズも各種そろえています。使用するレンズについては、保険適用の単焦点レンズや乱視矯正レンズが中心ですが、自費にも対応しています。また、眼瞼下垂やできものの切除などまぶたの日帰り手術も行っています。現在は大学病院の医師にも定期的に来ていただいており、難症例もある程度当院内で対応可能な体制を整えています。
目の手術は不安に思う方も多いのではないでしょうか?
そうですね。当院では、不安をできるだけ軽減できるよう配慮しています。緊張しやすい方や血圧が高い方には笑気麻酔を使って、少しでも安心して手術を受けられるように工夫しています。閉所恐怖症の患者さんの場合、手術中に顔にかける布(ドレープ)が苦手な方もいらっしゃいます。そういった方には透明なドレープを使って、もう一方の目が空いた状態でも施術可能にしています。また、最近では自費診療のレーザー機器を導入しました。これは、ドライアイやものもらいなどの治療に使えるもので、手術をせずに改善が図れる選択肢としてご提案しています。
今後力を入れていきたいことをお聞かせください。

すでに取り組みを始めていますが、患者さんの同意を得たで上、新しい知見や治療法の検証をしていきたいと考えています。当院には、子どもから高齢者まで幅広い年齢層の患者さんが来院されるので、年齢や病気のステージに応じたさまざまなテーマの治験に対応しやすいというのも強みです。新たな医療を地域でも提供できる環境づくりができればと思っています。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
当院のホームページには、混雑しやすい時期や時間帯の目安を掲載しています。ご来院の際は、ぜひご確認いただけたらと思います。どうしても待ち時間が発生してしまうこともありますが、私もスタッフも、お一人お一人の患者さんとしっかりと向き合い診療に取り組んでいます。「今日は混んでいるから、質問しにくいな……」などと遠慮して、聞きたいことを我慢したままお帰りにならず、気になることがあれば遠慮なくお声がけいただけたらと思います。目の症状で気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とは多焦点眼内レンズ/50万円~、ドライアイのレーザー治療(1回)/7700円~、ものもらいのレーザー治療(1回)/5500円~