須井碧院長、須井心悟先生の独自取材記事

みどり歯科クリニック

(福岡市博多区／博多駅)

最終更新日：2025/05/08

博多区美野島にある「みどり歯科クリニック」は、現院長の須井碧（すい・みどり）先生が祖父から「西岡歯科医院」を引き継ぎ、2014年に開業した歯科医院だ。碧院長の夫である須井心悟先生が同院の副院長に就くことを機に、院内に改装を施してリニューアルオープンすることとなった。凛とした印象の碧院長、物腰のやわらかい心悟先生に共通するのは、「患者さんを大切にしたい」というぶれない気持ち。それぞれの視点を生かした多角的な診療も、同院の大きな強みである。互いに協力し合いながら日々邁進する院長と副院長に、診療で意識している点や今後の目標などについて話を聞いた。

（取材日2020年8月31日）

地域医療への貢献をめざし、新たなスタートを切る
それぞれの視点を生かした、多角的な診療体制
患者を想う気持ちを胸に、さらなる高みをめざす

地域医療への貢献をめざし、新たなスタートを切る

今回はリニューアルオープンとのことですが、現在までの経緯を教えてください。

【碧院長】私が「みどり歯科クリニック」として診療を始めたのは2014年からです。もともと「西岡歯科医院」という祖父が経営していた歯科医院だったのですが、祖父が体調を崩してしまったため、私が引き継ぐことになったんです。今回のリニューアルオープンは、主人が副院長として当院に加わるのがきっかけですね。
【心悟先生】今までは博多駅近くの歯科医院と当院を行き来していましたが、私のいる場所と時間に合わせて受診してくれる患者さんの存在を知り、「一つの場所に腰を据えよう」と当院の副院長になることを決めました。

院内の改修工事だけでなく、歯科用CTなどの新たな設備も導入したそうですね。

【碧院長】新たな設備を導入した理由の一つに、「地域の皆さまに恩返しをしたい」という気持ちがあります。開業当時は大学を卒業して2年しかたっておらず、難しい部分が多々ありました。そんな中今までやってこられたのは、当院を支えてくださった患者さんのおかげです。提供できる医療のレベルを向上をさせることが、地域の皆さまへの恩返しにつながると思い、設備投資に力を入れました。今回のリニューアルによって、歯科医院として新たなスタートラインに立てたと感じています。

患者さんの年齢層に特徴はありますか？

【心悟先生】学生などの若い方から90歳を越えたご年配の方まで、幅広い年齢の患者さんが来られますよ。以前勤めていた駅前の歯科医院と違い、患者さんの年齢層がぐっと広がった印象があります。当院と駅前の歯科医院はたった1kmしか離れていないんですが、全然違うんですよね。あと、プライベートなお話をしてくれる患者さんが多いな、と思います。距離感が近いので、アットホームな雰囲気の中で診療できていますね。
【碧院長】お子さんの相談を受けることもあるのですが、小児歯科を専門としていないので、できる範囲でご対応しています。抜歯をはじめ、専門的な治療が必要な場合には、治療の分野に合わせた医療機関を紹介させていただいています。

普段はどのような診療を行っていますか？

【心悟先生】一番多い主訴は、やっぱり虫歯と歯周病ですね。普段の歯磨きが十分でないと、どうしても虫歯や歯周病を発症しやすくなるので、治療に加えて歯磨き指導も行うことで予防を図っています。
【碧院長】一人ひとりのかかりつけ医になる、というのが当院のめざすかたちです。1本でも多く歯を残し、年を取ってもごはんをおいしく食べてもらえるよう、患者さんには定期的なメンテナンスにも来ていただいています。

それぞれの視点を生かした、多角的な診療体制

患者さんへの対応で心がけていることを聞かせてください。

【碧院長】私たち2人が大切にしているのは、「自分が受けたい治療」「家族に受けさせたい治療」を提供することです。また、私は女性ならではの気配り、目配り、心配りを意識しています。これは開業前に勤めていた「歯科・林美穂医院」で学んだことです。例えば、お口の周りに薬液や歯型を採る印象材が少しついているとき、それに対して一言お声がけすると患者さんの気持ちは変わります。歯科治療は恐怖心を抱きやすいものなので、温かく接することによって、治療を受けやすくしたいですね。
【心悟先生】一人ひとりの立場に立ったわかりやすい説明を心がけ、診療に対する疑問を残さないようにしています。患者さんが興味を持てるように説明すると、治療への不安も和らぎやすいんです。インターネットで調べた内容を質問される方もいるので、きちんと回答できるよう日々情報収集に励んでいます。

こちらのクリニックの強みはなんですか？

【碧院長】患者さんが自分に合った歯科医師を選べる、という点は強みですね。歯科医師と患者といえども、人には相性があります。歯科医師としての見解は同じでも、使う道具や声の出し方によって、患者さんの受け止め方は変わってしまうものです。私が女性なので「女性に診てほしい」という方も来られますし、当院は患者さんが足を運びやすい環境だと思います。
【心悟先生】一見同じ見える施術にも、それぞれの個性があります。手の感覚や手癖などの「目に見えない部分」が、術後の結果に違いをもたらします。そういう点も含め、2つのアプローチでの治療を受けられるというのは、当院の強みと言えます。

お二人それぞれに違ったアプローチがあるんですね。

【心悟先生】指導していただいた上司が同じ方ではないので、治療でこだわる部分もそれぞれに異なります。ですが、それは治療において大きな利点です。一方が「この歯は抜くしかないな」と判断したとき、もう一方が「この方法なら生かせるかもしれない」と別の視点から意見することができます。もちろん、意見の違いからぶつかってしまうときもありますが、私たちは互いに「歯をなんとかして生かしたい」という気持ちが共通しているので、最終的には落ち着きます（笑）。
【碧院長】患者さんを大切に想う気持ちが互いにぶれないんですよね。だから、意見の食い違いがあっても、新たなアプローチを見つけやすいんです。

患者を想う気持ちを胸に、さらなる高みをめざす

スタッフとはどのように連携を取っていますか？

【心悟先生】2人の歯科衛生士と1人の受付兼助手の、計3人のスタッフを配置しています。毎日朝と夕にミーティングをして連携を密にしています。ミーティングのときによく行っているのは、患者さんの情報共有です。特に一人ひとりのお名前の共有は意識して行っています。患者さんからすると、自分のことを覚えていてもらえることが、受診のしやすさにつながると思うので。

お子さんが生まれて変化した点はありますか？

【碧院長】子どもが生まれたことによって、互いに考え方がやわらかくなりました。時々もめることがあっても「助け合いながら診療していこう」という結論に落ち着けるのは、子どものおかげだと思います。育児で学んだこともたくさんあるので、それを生かしながら患者さんと向き合っていきたいですね。
【心悟先生】子どもが急に熱を出してしまったとき、以前は休診するしかなかったのですが、今回の改装によって上の階に子どもを寝かせておけるようにしました。少しでも多く患者さんを診たいので、育児と両立させやすい環境づくりにも気を配っています。

今後の目標を教えてください。

【碧院長】大学を卒業して2年で開業できたのは、周りの先生の助けがあったから。まずはその先生方に恩返しをすることが私の目標ですね。歯科医院としてできる最高の恩返しは、「ここなら治療を任せられる」と先生方に認めてもらうことです。美野島で一番の歯科医院になれるよう、技術の向上も含め日々努力していきます。
【心悟先生】先輩の先生方に負けない歯科医院にしたいです。「ここに来ると安心する」と患者さんに思ってもらえるよう、地域に密着した診療を心がけていきます。

読者へのメッセージをお願いします。

【碧院長】温かい気持ちで寄り添って診療しますので、お気軽にお越しください。また、お口のトラブルの原因が生活習慣の中に隠れている場合もあります。その際にはどうやって生活習慣を改善していくか、一緒に考えましょう。一人ひとりのライフスタイルを考えながら、より良い方法をご提案します。
【心悟先生】私はよく患者さんに「リラックスして、眠くなるくらい」と言われます。「寝られる歯科医院はここだけだから」とわざわざ遠方から通いたいと思っていただけたらと思います。確かに、不安がっていた患者さんがほっとしたように寝ているのをよく見ます。歯科治療が苦手な方はぜひ当院でリラックスしながら治療を受けてください。