初田 裕幸 院長の独自取材記事
脳神経内科はつたクリニック
(枚方市/樟葉駅)
最終更新日:2025/03/12

「脳神経内科」とは文字どおり、脳や、脳がつかさどる神経・筋肉の病気を扱う科で、脳梗塞や脳出血、認知症、パーキンソン病、また若い世代では頭痛など、身近な病気に対応する。これらの疾患はいずれも、経過が長期にわたる場合が多い。そこで「脳神経内科はつたクリニック」の初田裕幸院長は、専門的な診療をこまやかかつ継続的に行いたいという思いから、2014年に開業。枚方市内はもちろん、京阪沿線から多くの患者が通っているという。「丁寧に診ることで、症状をコントロールし、病気の進行を少しでも緩やかにしたいですね」と真摯な口調で語る院長に、脳神経内科での診療内容などについて、詳しく聞いた。
(取材日2018年7月19日)
脳や神経、筋肉の疾患を診るのが「脳神経内科」
脳神経内科は、どのような病気を診療する診療科でしょうか。

脳神経内科とは、基本的には脳、神経、筋肉の病気を取り扱う科です。内科ですので手術などはせず、診断と主に薬による治療を行っています。実際に診療している脳の病気をご紹介しますと、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害、物忘れやアルツハイマー病などの認知症、パーキンソン病、頭痛や片頭痛、てんかんなどが多いですね。脳神経内科は、これまでは「神経内科」と呼ばれていましたが、患者さんには名称と診療内容が結びつきにくく、わかりにくいこともあったようです。特に、心療内科や精神科など間違われることが多く、当クリニックにも「気分が沈んでいる」といった心の問題で受診される方が時折いらっしゃいます。
どのような症状で受診する患者が多いのでしょうか。
一般的な症状としては頭痛ですね。また、認知症でしたら物忘れを自覚したご本人や、患者さんの言動に困っているご家族からのご相談もあります。パーキンソン病であれば、手が思うように動かない、歩行がスムーズにできなくなった、などでしょうか。患者さんの多くは、実際の痛みと症状、脳の機能や記憶の低下、運動機能の低下、この3つのいずれかによって受診されます。その他に、しゃべりにくいとか目の動きがおかしい、震える、といったご相談もあります。割合でみますと、頭痛と物忘れがそれぞれ4分の1程度、運動機能低下が3分の1程度でしょうか。また年齢でみると、頭痛は30~40歳を中心にした若年層が圧倒的に多く、逆に認知症やパ-キンソン病などの平均は80歳前後です。
患者さんは、最初から迷わずこちらを受診していますか。

運動機能、特に歩けなくなった患者さんはまず整形外科を受診し、そちらから当クリニックへ紹介されることが非常に多いですね。また、めまいや顔面の神経痛を疑って耳鼻咽喉科を受診した患者さんが、紹介されてくるケースもよくあります。当クリニックの入るクリニックモール内には多数の診療科がありますので、他科を受診してしまった患者さんも、こちらへスムーズにご紹介いただけていると思います。また、ご高齢の患者さんは複数の病気をもっていることが多いので、1回の外出で複数のクリニックを受診できることも便利だと思いますよ。
症状コントロールが重要な頭痛やパーキンソン病
診療の流れを教えてください。

脳神経内科で扱う病気では、患者さんから症状について話を聞く、つまり問診が非常に大事になります。ですので、問診には最低でも10分程度かけて、詳しくお話を聞きます。また、脳の病気では手足にさまざまな症状が出るので、「神経診察」と呼ばれる手足の検査を実施します。この診察も、10分以上かけて丁寧に行います。その後、必要に応じてMRIなどの画像検査をすることもあります。画像検査は、クリニックモール内にある画像検査専門のクリニックに依頼します。画像検査は予約制ですので、画像検査を行う当日に当クリニックの予約も入れ、検査結果を確認して診断をつけるとともに、患者さんには何度も足を運んでもらうことがないように配慮しています。
専門性の高い領域だと思いますが、総合病院などの大規模病院とクリニックでの診療に何か違いはありますか。
私は大学を卒業したのち、関西と関東の総合病院の神経内科で15年近く勤務していました。総合病院では外来を毎日担当することはなく、週1~2回です。このため、新たにお薬をお出ししても、経過を確認できるのは早くて翌週。特にパーキンソン病は治療薬の種類が多く、また症状や副作用に合わせた細かな薬の使い分けが必要になりますが、総合病院では思うようにできませんでした。しかしクリニックですと、私が毎日診察をしていますので、場合によっては短い間隔で来てもらって様子を見ることもできますし、薬の内容や量も細かく調節できます。一時的ではありますが、このような対応ができるのは症状コントロールの上で大きなメリットだと思いますし、医師としてもやりがいと手応えを感じています。
働き盛りの世代でも多いという頭痛については、どのように治療されていますか。

頭痛はさまざまな原因によって起こります。頭痛があっても、重大な病気が隠れていないことを確認するだけでしたら、どの病院を受診してもよいと思いますが、頭痛をコントロールしたいと望むのであれば、頭痛を専門的に診ることができるクリニック、医師を受診してほしいですね。特に慢性的な片頭痛に悩んでいる方は多く、頭痛のために学校や職場を頻繁に休み周囲との関係を悪化させる、逆に無理をして日常生活でつらい思いをする、といったこともよく聞きます。頭痛に伴う経済的な損失は、他の重大な病気と同じぐらい大きいことも報告されています。当院でも、起きてしまった頭痛を改善するだけでなく、頭痛が起こらないようにする、いわば頭痛の予防に力を入れています。痛みが引くまで我慢をする、痛みに耐えながら日常生活を送るのではなく、頭痛はコントロールできること、それによって充実した日々を送れる可能性が高まることをご理解いただきたいですね。
経過が長い疾患こそ、クリニックで丁寧に寄り添う
患者さんやご家族とお話をされる際に、心がけていることはありますか。

認知症では、患者さんご本人に「自分が病気である」という認識がないので、ご家族や介護に関わる方との信頼関係をしっかり築くように心がけています。例えば、診察室には最初、患者さんとご家族などの介護者に一緒に入っていただきますが、ご本人を目の前にしてはなかなか言えないこともありますよね。ですから、途中でそれぞれの方から単独でお話を聞く時間をとるようにしています。私と話していないほうの方は、看護師が対応したり必要な検査を行ったりします。これによって話しやすい場を設け、細かな症状や変化、困り事などを確認していきます。患者さんお一人で認知症に向き合うのではなく、私や、ご家族の方々と一緒に症状と向き合わせていただき、より患者さんに適した医療を提供することを心がけております。
話は変わりますが、先生が医師を志した経緯を教えてください。
身内に医師がいるわけでもなく、明確な動機もないのですが、そうですね、小学校から高校まで一緒だった同級生が、高校1年生の時に白血病で亡くなったこと、あるいは親族で若くして脳の病気になった人がいることなどは影響しているかもしれません。神経内科を選んだのは、大学の実習で神経診察を見て関心をもったのがきっかけです。大学を卒業したのちは大阪市立大学の医局の先輩に指導を仰ぎました。今も恩師として尊敬していますし、診療だけでなく研究にも力を入れていた私が地元に帰って開業しようと思ったのも、その先輩のご開業を知ったからです。今は、患者さんと時間をかけて向き合えるクリニックでの診療スタイルに満足していますし、やりがいを感じています。
最後に、今後の展望をお聞かせください。

この領域の疾患は徐々に進行するものが多いので、治療経過が長くなる患者さんが多いのです。担当の医師が転勤などで代わることがなく、受診のタイミングも患者さんのニーズに合わせて決められるクリニックだからこそ、患者さんをずっとこまやかにフォローして差し上げられますし、息の長い診療を続けたいと思います。