金子 一平 院長の独自取材記事
カネコデンタルオフィス
(松山市/松山市駅)
最終更新日:2025/11/26
松山駅から徒歩6分、2025年8月にリニューアルした「カネコデンタルオフィス」。金子一平院長は、「歯科医院は痛くなってから行く場所ではなく、美容院のように気軽に通ってほしい」と語る。リニューアルを機に診療室やカウンセリング室はすべて個室とし、小児と大人の動線を完全に分けることで幅広い患者に対応できる環境を整えた。保育士が常勤する小児専用スペースでは、診療室へのトンネルやヒーローになれる変身ベルト、絵本をそろえ子どもが楽しく通える工夫を凝らした。得意とするのはインプラント治療とマウスピース型装置を用いた矯正。訪問診療も行い、1歳から90代までの健康を支えている。松山のデンタルIQを高め、患者一人ひとりが安心して通い、笑顔で帰れる場をめざす金子院長にリニューアルへの思いと今後の展望を聞いた。
(取材日2025年9月11日)
1歳から90代まで、世代を超え幅広い診療を提供
僧侶でもいらっしゃる金子先生のご経歴を教えてください。

高校まで松山で育ち、九州大学歯学部で学びました。実家が末広町のお寺ということもあり、僧侶修行のため名古屋のお寺で生活をしていたこともあります。修行時代は心身ともに鍛えられ、その経験が今の私を支えてくれているように思います。歯科医師としては福岡と横浜で経験を積んできました。歯科治療には、見た目の美しさだけでなく、機能性や耐久性も欠かせません。そうした総合的な価値を実現するため、当院の開業にあたっては設備の充実に特に力を注ぎました。これまでの経験を基盤としつつ、勉強会に参加するなど新しい知識・技術の習得にも励み、常により良い医療を提供できるよう心がけています。診療の際は必ず丁寧な説明を行い、納得していただいた上で進めることを大切にしています。地域の皆さまに信頼され、安心して通っていただける歯科医院をめざしています。
2015年に開業し、2025年8月にリニューアルされました。その思いは?
今回のリニューアルにあたり一番こだわったのは、患者さんが安心して診療を受けられる環境を整えることでした。外観や内装、導線、設備面においても「患者さん中心」の考え方を徹底し、診療室やカウンセリング室、メンテナンス室まで、すべてを個室にしました。周りの目を気にすることなく相談でき、落ち着いた気持ちで治療に臨んでいただけると思っています。さらに小児と大人の診療スペースを完全に分け、それぞれが気兼ねなく来院できるようにした点も特徴かと思います。大学病院レベルの先進設備を導入し、地域にいながら高度かつ幅広い治療が受けられるようになりました。さらに、歯科医師の体制を充実させたことにより、予約が取りやすくなりました。待ち時間が短縮され、患者さん一人ひとりに丁寧に向き合える環境が一層整ったと感じています。
リニューアル後のクリニックの取り組み、診療内容を教えてください。

以前は患者さんのターゲット層を絞っていましたが、リニューアル後は「歯科の総合診療」をコンセプトに掲げ、子どもから大人までを対象にしています。小児歯科専用スペースでは生後15ヵ月から、訪問診療で伺う90代の高齢者まで、幅広い年代の方に対応できるようになりました。また、大学病院と遜色のない治療ができるように、歯科用CTや口腔内3Dスキャナー、そしてインプラント手術支援システムを導入し、専門的な治療を安全かつ精密に行える体制を整えています。歯科医師も現在は常勤2人、非常勤を含め5人体制で診療にあたっていますが、今後はさらに増員し、7人体制になる予定です。「怖い、痛い、待たされる」そんな歯科医院の従来のイメージを大きく刷新していきたいと思っています。
地域に根差す歯科医院の新たな挑戦
小児歯科スペースがとてもユニークです。

こちらには子どもたちが「行きたい!」と思える仕かけを盛り込みました。まず、入り口から診療室へは「トンネル」を設置し、冒険に出かけるような気持ちで診察室へ進みます。その先は「ピカピカレンジャー」というオリジナルキャラクターの世界観が広がり、専用の変身ベルトを装着して「勇気あるヒーロー」に変身。虫歯菌と戦うストーリー仕立てで診療を受けることができます。また、絵本や抜けた乳歯を集めて飾ることのできる「乳歯アート」も導入しました。2人の保育士が常勤し、お子さん連れの患者さんのサポートをします。小さなお子さんのいる親御さんはやはり「子どもを連れて自分の治療ができるか」が大きな不安材料です。ご自身の治療中、お子さんは保育士と遊んだり絵本を読んでもらったりできるため、親子ともリラックスして通院できます。また、子どもが泣かずに通える環境は、私が大切にしている「予防歯科」への第一歩だと考えています。
力を入れている診療分野を教えてください。
インプラント治療とマウスピース型装置を用いた矯正です。インプラント治療では、正確に埋入手術を行うためのナビゲーションシステムを導入したことで、より安全性の高い精密な治療を提供できるよう環境を整備。入れ歯が合わない方などに向け、新たな選択肢の提案も可能となりました。マウスピース型装置を用いた矯正には、口腔内3Dスキャナーを使います。歯並びをスキャンして矯正の経過をシミュレーションし、患者さんと一緒にゴールを確認してから始めます。これまで多くの方の矯正を手がけてきましたが、大事なのは「その方に合った矯正法を選ぶこと」。すべての症例がマウスピース型装置を用いた矯正に適しているわけではないので、年齢や症状に合わせた装置を使い分け、柔軟に対応できる設備を整えています。矯正は、お子さんから70代の方まで、歯周病や虫歯がなければ、人生のどのタイミングからでもスタートできることも伝えたいですね。
予防歯科も重視されていますね。

私が開業以来ずっと強調してきたのは予防歯科の重要性です。小児歯科に力を入れるのも、予防意識の裾野を広げることができると思っているからです。子どもの虫歯が減ってきた昨今ですが、まだ「歯科医院は痛くなってから行く所」という考えが根強いと感じています。痛みがなくても定期的に検診を受け、美容室に行く感覚で年4回、季節ごとに来ていただければ、歯を長く健康に保つことが望めますし、結果的に大きな治療を避けることにもつながると考えています。
誰もが安心して受診し、笑顔で帰れる場所になるために
地域においてどのような診療を行っていきたいとお考えですか?

私がめざしているのは「松山全体のデンタルIQを高めること」です。県外からも患者さんが来ていただけるように、先進の設備を導入し、高度な治療の提供に努めてきましたが、地域には3Dスキャナーの導入やマウスピース型装置を用いた矯正を行うクリニック自体がまだまだ少なく、もっともっと松山の歯科医療レベルも向上する必要があると感じています。そして、ホワイトニングや審美歯科が美容や自己投資の一環として身近に捉えていただけるようになるといいなと考えています。そのためには、松山の皆さんにとって「行きたくなる場所」になるための努力が欠かせません。歯が痛いときだけじゃなく、生活の一部として気軽に来てもらえるように、接客時の言葉遣いや行動などスタッフ全員が高いレベルを意識することも大切です。理想のために常に成長し続けるチームでいたいと思います。
今後の展望をお聞かせください。
歯科医院に行くのは歯が痛くなった時だけ、そんな考えを変えていきたいと思っています。訪問診療にも力を入れていきながら、小さなお子さんから高齢の方まで、誰一人取り残さず、幅広い世代を支えたいと考えています。それが私の考える総合診療です。その結果、口腔環境を「健康に保つ」だけでなく「美しく整えて自信を持つ」ことまでサポートしたい。歯科を自己投資の一つとして捉えてもらえるよう、意識改革にも挑んでいきます。松山の人たちがもっと気軽に、そして楽しみながら通える歯科へ。総合歯科クリニックとしての新しいかたちを、これからも地域に発信していきたいと思っています。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

2025年8月にリニューアルオープンをし、地域の皆さんが期待を持って通っていただいているのを感じます。何か気になる点がありましたら気軽にお尋ねください。より皆さまに愛される歯科医院となれるように、精いっぱい努めていきたいと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/38万5000円〜、マウスピース型装置を用いた矯正/55万円~、オフィスホワイトニング/1万6500円、ホームホワイトニング/1万6500円、デュアルホワイトニング/2万7500円、セラミックのかぶせ物/5万4780円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

