津江明伸院長の独自取材記事

津江歯科医院

(狛江市／喜多見駅)

最終更新日：2025/07/15

小田急線・喜多見駅から徒歩約3分、閑静な住宅街の一角にある「津江歯科医院」。日本歯科専門医機構補綴歯科専門医の津江明伸院長が、先代の父が開院した同院を1995年に継承し、地域密着の診療に取り組んでいる。専門の補綴治療のほか、小児・成人の矯正、インプラント治療、予防ケアにも注力する同院。「患者さんのために勉強し続け、自分が良いと信じられる治療を提供したい」との想いから、技術のアップデートも欠かさない。アットホームな雰囲気があふれる院内に備えたマイクロスコープや歯科用CT、CAD／CAMシステムなど充実の機器にも目を引かれる。優しく穏やかな笑顔が印象的な津江院長に同院の特徴や診療への想いを聞いた。

（取材日2025年2月10日）

父の想いを継承し、技術の研鑽に努めて患者に還元
幅広い知識と技術で口腔内全体の問題にアプローチ
地域貢献への尽力と将来の健康を見据えた治療の提供

父の想いを継承し、技術の研鑽に努めて患者に還元

先代院長の背中を追って、同院を継承されたと伺いました。

先代の父は話上手といいましょうか、患者さんを和ませる力があり、とても慕われていました。今でも「以前からお父さまとお付き合いがあるんですよ」と話される患者さんが通ってくださり、父との楽しい思い出話をしてくださいます。そのため、歯科医師になってからは、父のように人間性豊かな歯科医師になりたい、努力をして父の技術を超えていきたいと目標にしてきました。当院を継承してはや30年、ありがたいことに父の代からの患者さんも多く、小さいお子さんからご高齢の方まで、幅広い年代層の方がいらっしゃいます。歯周病や、虫歯、歯が割れたり欠けたりといった症状、お子さんの矯正の相談に来られる方が多いですね。

ご専門の補綴だけでなく、幅広く対応されていますね。

若い頃から、国内各地で行われる勉強会をはじめ、海外でも研鑽し新しい情報を取り入れるようにしてきました。インプラント治療は30年以上前にベテランの先生に師事し、3年間毎週通って学びました。歯列矯正は、母校の先輩である矯正専門の先生のそばに20年ほど身を置き、さまざまな症例をもとに経験を積んだほか、歯科医師向けの矯正セミナー塾でさらなる高みをめざしました。技術の向上もしかりですが、治療をしていくと、さまざまな症状やそれに付随したメカニズムに興味が湧き、もう勉強せずにいられないというか（笑）。そのような姿勢で「これは患者さんのためになる」と思ったことを積極的に日々の診療に取り入れています。

日々の診療で心がけていることは何でしょう？

患者さんに合わせた説明をすることですね。当然ではありますが、保険診療や自費診療など、治療の選択肢が複数ある場合、それぞれのメリット・デメリットを説明した上で、患者さん自身がしっかりと納得できる方法を選んでいただきます。納得感があれば治療やメンテナンスへの協力を得られ、患者さんの歯を長く持たせることにつながりますからね。また、症状に関連する情報や予防法もできるだけお伝えしています。例えば近年増えている歯ぎしりの兆候が少しでも見られる方には、歯が割れる、歯周病につながるといったリスクもお伝えします。歯ぎしりが原因で、すでに歯がすり減り、歯茎に骨隆起というこぶのようなものができていても、異常と捉えていない患者さんも多くいらっしゃいます。その場合は歯ぎしりとの関連性を顎や頭蓋骨の模型、書籍などを使ってご説明し、対処法をご提案しています。

幅広い知識と技術で口腔内全体の問題にアプローチ

小児歯科ではどのような治療が多いのですか？

顎の幅が原因で異常を来しているお子さんが多いため、小児矯正では良い意味で柔軟性を持たせ、顎の成長も踏まえた治療方針を取っています。抜歯や歯を削って歯並びを整えることもめざせますが、やみくもにそれを行わず、まずは顎の幅を広げることを図り、噛み合わせを見極めた上で、その先の矯正をしていくほうが、成長期のお子さんにとっては良いと考えています。また、顎の幅の狭さは口呼吸と大きく関係しており、口呼吸になると雑菌が増えて口臭や虫歯、歯周病、風邪の原因となるほか、噛み合わせの悪化、睡眠時無呼吸症候群のリスクなど健康上のデメリットが多くあります。なので、まずは顎が並行移動しやすい拡大装置で上顎を広げることを図ります。それによって、鼻の通りが良くなることが期待されます。下顎が狭いお子さんは下顎を広げることを図り、鼻呼吸がしやすくなるよう導きます。

口腔内の状態は体の健康にも影響するのですね。

患者さんの状態にもよりますが、健康的な口腔内にしていくためには、口腔内全体の顎の大きさや歯並びに対して矯正で解決を図りながら、それぞれの治療すべき歯にかぶせ物や詰め物などの補綴治療を施す、という双方へのアプローチが必要です。当院ではそのどちらにも対応できますので、ぜひ私と一緒に一歩踏み出していただきたいですね。

最近、電解機能水を導入されたそうですね。

当院では安全性に配慮して、純度の高い水と塩を電気分解してつくられた除菌された水「電解機能水」を導入しました。治療前の洗口やスケーリングやクリーニングの際の洗口、治療後のうがいにもこの電解機能水を使用しています。

歯周病治療にも注力されているのですね。

先日、狛江市歯科医師会の休日診療に出向き、多くの患者さんの歯茎が腫れていることに気がつきました。当院では歯科衛生士がブラッシング指導をとても丁寧に行っており、患者さんにしっかりケアをしてもらえるよう努めているので、歯茎が腫れるといったトラブルの防止がきちんとできていたらうれしいですね。

地域貢献への尽力と将来の健康を見据えた治療の提供

こちらの診療方針について教えてください。

患者さんの10年先、20年先の健康まで考えると、複合的な観点での対処が必要となる場合が多くなります。例えば、上顎が狭く前歯に歯列異常があれば、成人であっても上顎を拡大するための矯正をご提案します。矯正後も噛み合わせの不具合がある場合は、虫歯や歯周病、顎関節症につながってしまうこともあるため、状況に合わせた治療を行う必要があります。また、虫歯治療では、表面麻酔や注入の際の工夫で痛みの軽減を図るなど、痛みに配慮した診療を心がけています。このように、今まで幅広く学んできた技術を応用して、患者さんにとってより良い治療を追求していきたいですね。

機器が充実していることもこちらクリニックの大きな特徴ですね。

ヒューマンエラーの可能性を少しでも減らし、適切な治療を提供したいとの想いでマイクロスコープや歯科用CTを導入しています。最短1時間ほどで精密な詰め物やかぶせ物ができ、実際の噛み心地に近い歯が再現しやすいCAD／CAM冠作製システム、歯の根元に膿がたまり炎症を起こす根尖病巣（こんせんびょうそう）の治療に有用なネオジウム・ヤグレーザーも導入しています。根尖病巣は歯科治療の中でも難易度が高く、歯茎の切開や根管治療を要する場合もあり、治療後に歯肉が腫れたり再治療になったりすることも多くあります。しかし、歯茎に対して浸透しやすいヤグレーザーでは切開せずに治療ができ、外科的侵襲が少なく適応範囲も広いのも特徴です。また、エックス線では見つけにくい虫歯に対しては、う蝕診断機器を併用して精密な診断を心がけています。

最後に地域の方々へメッセージをお願いします。

私は現在、狛江市歯科医師会の会員として休日診療や検診に携わり、災害医療コーディネーターにも登録しています。災害医療コーディネーターは、大災害が起きた時のトリアージや身元の確認など、医療分野で地域に貢献する役目を担っています。狛江市歯科医師会会員は数が少ないのですが、自分たちの住む地域への貢献は得難い経験だと思って取り組んでいます。また、当院の診療においては、先進の歯科医療に対して常にアンテナを張り、患者さんのためになる情報の提供、治療技術の向上に努めていますので、何か気になる症状がありましたら、気軽に来院しご相談ください。